提督はBarにいる。
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その発想は無かった!梅酒カクテル&梅料理特集・2
さて、睦月と皐月がそれぞれオクラを肴に梅ビアと梅ワインを楽しんでいる間に、俺も料理を一品仕上げるとしよう。
《梅でサッパリ!手羽元の梅干し照り煮》※分量2人前
・鶏手羽元:8本
・スナップえんどう:10本
・梅干し:2個
・塩:小さじ1/3
・サラダ油:小さじ1
・砂糖:大さじ1
・酒:大さじ2
・醤油:大さじ1
・みりん:大さじ1
・水:大さじ2
さて、作っていこう。普通梅煮というと鰯とか秋刀魚のような青魚をイメージする事が多いが、存外肉との相性も悪くない。そもそも、梅肉を挟んでカツにしたりするので、鶏肉との相性の良さはよく知られているんだが。
まずは具材の下拵えから行くぞ。スナップえんどうは筋を取り、沸騰したお湯でサッと下茹でし、冷水に取って冷まし、取り出して水気を切っておく。梅干しは包丁等で切れ込みを入れて種を取り除く。鶏肉はキッチンペーパー等で水気を拭き取り、全体に塩をまぶしておく。
フライパンに油を引いて熱し、中火で手羽元に焼き目をつけていく。焼き目が付いたら、砂糖、酒、醤油、みりん、水の順番でフライパンに入れ、手羽元に絡める。梅干しを加えて、蓋をして時々煮汁を手羽元に絡めながら6分位煮る。
手羽元に火がちゃんと通っているのを確認できたら、スナップえんどうを加えて煮汁を絡める。
器に手羽元、スナップえんどう、梅干しを盛り付けたら、フライパンに残った煮汁を再び火にかけて煮詰め、全体に回しかけたら完成。
「はいお待ち、『手羽元の梅煮』な」
睦月と皐月は一旦グラスを手離し、手羽元を両手で持ってかぶりついた。味付けは調味料を診るに甘味の強い甘辛味のように見えるがその実、梅干しが加わる事によってサッパリとした味わいに仕上がっている。その上、梅干しに含まれるクエン酸の効果で肉が柔らかくなり、骨離れも良くなっていて非常に食べやすい。
「「美味しい!」」
「そりゃ良かったな」
はぐはぐと手羽元を食べていた睦月だったが、ふと手を止めると、
「ねぇ司令官、この梅干しはどうしたらいいんです?」
「どうする、ったってなぁ。スナップえんどうも梅干しも手羽元の口直しに盛り付けてあるんだが?」
「成る程成る程……」
睦月はひょいと梅干しを摘まむと、丸々1個を一気に口に放り込んだ。いくら煮込んで酸味が抜けてるとはいえ、流石に丸々1個は酸っぱいと思うんだがな。
「~~~~~~~~~っ!」
ほら言わんこっちゃない。睦月め、顔をクシャクシャにしながら涙目になってやがる。
「ほれ、水だ」
お冷やを入れたグラスを差し述べてやると、一気に飲み干してぷはぁと息を吐き出した。
「あうぅぅぅ~、酸っぱいのです~」
「自業自得だバカタレ」
「司令官!次のカクテルは甘いのが良いのです!」
梅干しのショックから立ち直ったらしい睦月が、元気よく注文してきた。
「僕も甘い方が良いな。出来るかなぁ司令官」
任せなさい、梅酒のカクテルは意外とあるんだぜ?
《梅+柑橘!梅オレンジ》※分量は比率です
・梅酒:3
・オレンジジュース:1
カシオレを代表に割り物の定番ではあるオレンジジュース。当然梅酒にも合うぞ。比率としては梅酒3に対してオレンジジュースが1位の比率が、両者の良いところを引き出してくれる。オレンジジュースは100%果汁の物であれば、搾り立てじゃなくてもOKだ。両方キンキンに冷やして混ぜるとなお良し。
《新発見!?梅ヨーグルト》※分量は比率です
・梅酒:1
・飲むヨーグルト:1
これは俺が衝撃を受けた組み合わせ。知り合いのバーのマスターに『梅酒の面白い飲み方はないか?』と尋ねた所コイツを紹介してもらった。梅酒と飲むヨーグルトを同じ量で割る。しっかりと混ぜてやると梅酒の甘味と梅の酸味がヨーグルトに混ざりあって、なんだかラッシーを飲んでいるような感覚だった。酒が苦手だと言う娘にも勧めた事があり、その娘はベロンベロンになるまで飲みすぎてKOされていた。当然飲みやすいタイプのレディキラーカクテルとなり得るので、飲み過ぎ注意。
「ホラよ、『梅オレンジ』に『梅ヨーグルト』だ。好きな方取りな?」
「う~、どっちがいいか迷うのです」
「半分こする?睦月ちゃん」
「それだ!」
どうやら2人は半分ずつ飲んで、交換するのを選んだらしい。俺も飲みたくなって来たな。俺は飲兵衛向けの梅酒カクテルにすっか。
《下戸には飲ませられない梅ジャパン》
・梅酒:適量
・お好みの日本酒:適量
これは俺の酒の師匠とも言える爺様がやっていた飲み方だ。氷を入れたグラスに梅酒を注ぎ、好みの日本酒を注いで混ぜるだけ。こうすると日本酒の角が取れ、梅酒の味が日本酒で引き立てられて際立ってくるのだ。だが、当然ながらアルコール度数は割っているのにほとんど変わらない。むしろ下戸の人からすると梅酒がキツくなり、飲みにくくなってしまう。飲めない友人に勧めてみたら、『バカだ、バカの飲み方だ』と言われて殴り合いの喧嘩になった事もある。しかし、試してみるとハマる人にはハマる飲み方なので一度はチャレンジしてみて欲しい。※キツければ水を足しても大丈夫です!
「司令官~、睦月おかわりにゃのです!」
カウンター席に座っているというのに、睦月はかなり大きめのボリュームで話しかけてきた。呂律も回ってねぇし、かなり酔いが回ってきて、声のボリュームが調整出来なくなって来ている。そろそろ止めさせる潮時だろう。
「お前……べろべろじゃねぇか。そろそろ止めとけ、明日の出撃に響くぞ?」
「うにゅ~、むちゅきはまだ飲めるのれす!」
皐月に止めさせようと思ったら、皐月はカウンターに突っ伏して寝息を立ててやがる。
「飲ませてやるクマ提督」
カウンターの隅で飲んでいた奴が口を挟んできた。
「球磨か……あのなぁ、二日酔いで苦労するのはコイツらなんだぞ?それに出撃の割り振りにも影響出るしな」
「だからクマ。酒での失敗は経験しないと覚えんクマ、遠征の割り振りは大淀と相談してなんとかするから大丈夫クマよ」
まぁ、明日の遠征旗艦の球磨がそこまでいうなら飲ませてやるか。
「あ、球磨にも何かツマミを作ってくれクマ」
注文のついでだったか。先に睦月の分のカクテルを仕上げてから、球磨のツマミだな。
《和風なのにハワイアン!梅酒チチ》
・梅酒:60ml
・ココナッツミルク:20ml
・パインスライス:75ml
・パイナップルジュース:60ml
※飾りとしてパインスライスやカットオレンジなど
チチといえばウオッカベースのトロピカルなカクテルだが、実は梅酒をベースに作っても美味い。材料を全てミキサーに入れて、滑らかになるまで撹拌。氷の入ったグラスに移して、フルーツを飾り付けてストローを刺せば完成だ。ウオッカベースの時には氷を入れてフローズンぽくしてもいいんだが、如何せん梅酒ベースだと薄まりすぎる可能性があるんでな。そこは注意してくれ。
「ほらよ」
「わ~い!」
真っ赤な顔で無邪気にチチを啜る睦月。明日どうなっても、俺は責任取らんからな?さてと、お次は球磨のツマミだったな。球磨も梅を使った軽い料理との注文だったので、一風変わった梅和えを作るとしよう。
《トマトと豆腐の梅クリームチーズ和え!》※分量2人前
・木綿豆腐:1/2丁
・ミニトマト:3個
・万能ネギ:2本
・クリームチーズ:50g
・鰹節:適量
・梅干し:2個
・ごま油:大さじ1
・醤油:大さじ1
・みりん:大さじ1
さて、作っていこう。普通梅和えというと葉物野菜が多いが、今回は洋酒にも合う梅和えに仕上げてみた。
木綿豆腐はしっかりとした食感が欲しいので、しっかりと水気を切っておく。
トマトはヘタを取って4等分、万能ネギは小口切りに。クリームチーズは1cm角に刻み、梅干しは種を取り除いて粗く叩いておく。
梅だれを作るぞ。ボウルに叩いた梅干し、ごま油、醤油、みりんを加えてよく混ぜる。
作った梅だれに千切った木綿豆腐、トマトネギ、クリームチーズ、鰹節を加えて混ぜ合わせれば完成だ。
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