ドリトル先生と悩める画家
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第六幕その七
「今もかな」
「やっぱりスランプを抜け出ようとしてるのかな」
「動いて」
「そうしてなのかしら」
「学園のなかにいるの?」
「絵を描いているのか何かを見ているのか」
先生は腕を組んで言いました。
「そうなのかな」
「夜もそうしてるの?」
「夜の学園の中を見たりして」
「そうしてるのかしら」
「彼ならね」
先生の見た限りの太田さんならというのです。
「そうしているのかも知れないね」
「前向きな人だからだね」
「何でもしようっていう人だから」
「そうしてるかも知れないんだ」
「夜も」
「ああした人はもう何でもするからね」
スランプから抜け出る為にです。
「前向きにね」
「だからなんだね」
「夜でもだね」
「何かをしている」
「そうしているかもなんだ」
「お家でもね、そういえば」
ここでふとです、先生は気付いたことがありました。その気付いたことは一体何かといいますと。
「彼は今何処に住んでるのかな」
「お家ね」
「そこが何処か」
「それが気になったの」
「うん、何処なのかな」
ふと考えるのでした、研究室の鍵を締めて校舎の廊下に出てからも。
「この八条町か近くに住んでいるのは間違いないけれどね」
「下宿か寮かも知れないね」
「お家じゃなかったら」
「果たして何処か」
「そのことは考えてなかったね」
「そういえば」
「うん、何処かだね」
また言った先生でした。
「一体」
「ううん、大阪とか?」
「その辺りの可能性もあるし」
「岡山かも」
「兵庫の何処かかも」
「果たして何処なのかしら」
「今度聞いてみようかな」
太田さんご本人にというのです。
「そうしようかな」
「そうしたこともスランプ脱出のヒントになるかも知れないんだね」
「今住んでいる場所も」
「それのことも」
「うん、そこに近い場所にあるものを見てもね」
実際にそうしたことをしてもというのです。
「なったりするから」
「それじゃあだね」
「ご本人に聞いてみるのね」
「それも」
「そうしよう」
こうしてでした、先生はです。
その日はお家に帰って皆とお話した通りに晩御飯を食べてお風呂に入って歯を磨いてです、寝るまで本を読んで十二時には寝ました。
そして次の日でした、皆と一緒に学校に入るとです。
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