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ハイスクールD×D/EXTELLA

作者:edjigboj
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旧校舎のディアボロス
  黒歌との出会い

 
前書き
黒歌の話し方が変だったらすみません。
後、独自解釈あります。不快な思いにさせたらすみません。 

 
棟夜side
バイト帰り。音楽を聴いていた俺は、途中の曲がり角で自分にぶつかってきた女性に言葉が出なかった。黒い着物を着込んでいて、全身に怪我を負っていて右頬が少し赤くなっていた。殴られたのか?
・・・だが、俺が一番気になったのは本来ない筈のものだった。

 「耳?・・・それに尻尾?」
頭部から出ている一対の耳と、腰から生えてる二つの尻尾。一瞬コスプレかと思ったが、動く様子から作り物じゃないと分かった。
話を切り出そうとしたが、迫ってくる殺気に気づく。

 「どいてくれないか?」

 「え? ええ」
女性が退いてくれて立ち上がると、悪魔が数人程近づいてきた。その中のガラの悪そうなやつが俺に気づくと睨みつけてきた。

 「あ? 何で人間がいるんだよ?」

 「それはこっちの台詞だ。女性1に対して悪魔が集団で何をしでかす気だ? 強姦でもすんのか?」
問いだすと、舌打ちをして面倒くさそうに話し出す。

 「チッ。テメェには関係ねぇよ。俺たちはその後ろにいるクソ猫に用があんだよ。そいつはな、俺たちと同じ主人に仕えてた眷属悪魔だったんだよ。だが突然主を裏切り眷属と主を殺して逃亡した大罪人。SS級はぐれ悪魔、猫魈の黒歌だ」
俺が背後を振り返ると、彼女はバツの悪い表情を浮かべ顔を逸らす。はぐれ悪魔ねぇ・・・。

 「そういう訳だ人間。そいつを俺たちに引き渡しな。断ったら・・・分かるよな?」

 「・・・早く逃げなさい。あいつらの狙いは私なんだから」
悪魔は下品な笑みを浮かべ俺を見る。・・・気に入らねぇな。

 「はいそうですか・・・とか言って引き渡すとでも思ってんのか?」

 「・・・お前、何言ってんのか分かってんのか。 テメェ殺すぞ?」
不良じみた悪魔が声に怒気を含ませながら殺気を飛ばし俺を睨んでくる。

 「殺すだって? そりゃこっちのセリフだ。殺し返すぞ?」
睨みつけ言い返すと、チッ、と舌打ちし他の仲間に声をかけた。

 「おい。面倒だがあの人間殺んぞ」

 「いいのか? ここはグレモリー家の管轄だ。バレたりでもしたらまずいんじゃ・・・」

 「んなもん後に考えりゃいいんだよ。証拠さえ残さなきゃいいんだからよ」
そう言い剣を抜く。仲間も槍を形成したり武器を構えたりする中、一人の仲間が何かつぶやくと空気が変貌した。

 「ここら一帯に結界をはった。これで暫くは外部に漏れることはなく、貴様を始末できる。悪く思うな」

 「ここで激しくドンパチしても外には絶対バレやしねぇから、仲良くおねんねしときな!」
魔力を放ってくると同時に悪魔が飛び出してくる。
やれやれ。短気はモテないぞ?

 「投影開始≪トレース・オン≫」
上空に約五〇本程度の剣を顕現させ、一斉に降らせる。
いきなりの攻撃に対応しきれず、串刺しにされ死に絶えた・・・いや。一人だけ、あの不良じみた悪魔だけは腕一本で済んでいた。

 「グッ・・・この、人間風情がぁ!」

 「そうやって見下してるから痛い目にあうのさ。バーカ」
悪魔に突き刺さった剣が消えると、あたりに血の匂いが充満した。
同時に周辺を覆っていた結界が壊れ元に戻っていた。瞬間、見知った魔方陣が形成されていった。魔方陣を見た悪魔が一瞬驚愕した後、俺を睨みつけてきた。

 「! チィッ。このタイミングで!! 人間ッ!貴様に受けたこの傷は一生忘れん。必ず報復に来るぞ!!」
そういい残し魔方陣で逃げていった。もう会いたく無いんだけどな・・・。
魔方陣強く光ると、リアスと朱乃が現れ周囲を見渡し死体の悪魔に目を向けてから、俺に声をかけてきた。

 「これはどういう状況だったのかしらトーヤ。それに後ろの人は・・・」
気づいたか。ここで黒歌がはぐれ悪魔と知られるのはまずいな。リアスに指摘され、ピクっと黒歌が僅かに動き逃げようとするが腕をつかみ引きとめた。

 「・・・この女性が悪魔に襲われてたから、助けたんだ」

 「そう・・・その女性と話せるかしら?」

 「悪いが、襲われたせいでかなり怖がって動揺してるんだ・・・ここは俺に任せてくれないか? 明日部室で全部話す」

 「・・・そう、分かったわ。トーヤはその女性のことをお願いするわ。明日詳しく話を聞かせてもらうわ。行きましょう朱乃」

 「はい部長。それではトーヤ君。おやすみなさい」
朱乃が魔方陣を出現させ、再びジャンプした。
フィ~、何とか大丈夫のようだな。

 「ねぇ。何で私を助けたの?」
いなくなったのを察した黒歌が問いかけてくる。振り向くと、俺を警戒してるようで鋭い目で見てくる。そこまで警戒せんでも・・・。

 「ならあのまま捕まって、何かされた方が良かったのか?」
俺が聞くと、顔をそらし答えなかった・・・無視かい。
それはそうとこの死体をどうするかね。う~ん。次元の向こう側に捨てるか。
軍神マルスを顕現させ、魔力をフル出力で剣に回し空を斬ると次元が裂けたのでそこに悪魔を放り込む。
次元の裂け目が閉じて問題は解決っと!
後処理を終え振り返ると、何黒歌が歩き出していた。

 「おいおい。行くあてがあるのか?」

 「・・・別にないわよ。逃げながらでもあいつらを振り切るわ」

 「そんな傷だらけな体で逃げ切れんのか? 今度こそ捕まるぞ」

 「アンタには関係ないことよ。これ以上私に関わらないで」

 「そうか・・・なら家にきんしゃい」

 「え? ちょッ!? 離すにゃ!!」
俺は黒歌の腕を取り家に引っ張っていく。黒歌は逃げようと俺の腕を殴ったりした。

 「どうしてアンタがそこまで私を助けるにゃ!? あんたと一緒にいればまたあの悪魔が襲ってくるにゃ!!」

 「その時はその時だ。それと、今は夜だから静かにな」

 「だから私の話を聞くにゃーーッ!!」
喚く黒歌を無視し家に向かう。傍から見たら女を連れ込もうとする男にしか見えないが、大丈夫だろ。
道中黒歌は俺が離さないと分かったのか、諦めた感じで俺に引っ張られていた。




 「お帰りなさいトーヤさ・・・後ろの女性は誰ですか?」
無事に家に着きリビングに向かうと、すでにアーシアが夕食準備をしていた。気づき駆け寄ってくるが後ろにいた黒歌を見て動きが止まった・・・何か不味かったか?

 「アーシア。黒歌を治療してくれないか? 悪魔に襲われてケガをしてる」

 「え!? そうなんですか!! 分かりました。ソファーに座らせてください」
言われた通りソファーに座らせると、さっそく治療に取り掛かった。

 「じゃぁ後は任せた」
そうアーシアに伝え、俺はリビングを出る。




黒歌side
私は助けてくれた人間の家に連れ込まれて、少女に治療を受けていた。悪魔に転生した私の傷を治すのは特別な薬じゃないと治せないはずなのに・・・。

 「大丈夫ですか?」
アーシアとか言う女が傷口に手をかざすと淡い緑色の光が発して、傷を治していった。

 「それ、もしかして・・・」

 「はい。これは神器、聖母の瞳です。どんな傷でも治せるんです。たとえ悪魔さんでも・・・はい。もう大丈夫です」
え? 自分の体を見てみると、傷だらけだった体が治っていた。あれだけの傷を数分で・・・。

 「ありがとう、助かったわ」
立ち上がり家を出ようとしたけど、足にうまく力が入らずソファーに倒れこんだ。

 「ああ! ダメですよ。傷が治っても疲れはとれないんですから」
アーシアが心配そうに近づいてくる。この子も案外お節介焼きなのかも。

 「あなた、私が怖くないにゃ? 素性が分からない相手を助けるなんて・・・」

 「そうですね。普通はこんなことしませんよね。でも、ケガをしてる人を放っておくなんて私にはできません」
ニッコリと笑うアーシアには、まっすぐな子だと分かった。
逆にその素直さを利用されそうね。

 「治療は終わったか?」
声の方へ向くとアイツがいた。長ズボンにTシャツに、バスタオルで濡れた髪を拭いているアイツが見てた。




棟夜side
風呂から上がると、治療が終わったとこだった。テーブルを見ると夕食の準備の途中らしく、中途半端に置かれていた。

 「アーシア、まだ食べてなかったのか?」

 「あ、はい。今日は使い魔の森に行ってたら遅くなってしまって、すみません」

 「謝らなくていい。それより早くすまそう。レンジで暖めればいいだろう」
俺は朝方作り置きした料理をレンジに入れて温めなおす。食事に関しては俺とアーシアが作っている・・・と言ってもアーシアは休日の1日と限定している。
以前アーシアが料理をしてみたいと言い作らせて見たんだが・・・あまり得意ではないらしく失敗した。それ以来、料理を教えながら作っている毎日だ。

 「あの・・・トーヤさん。あの人の分は」
アーシアの視線の先には黒歌がソファーに座っていた。ああ、そういえば。

 「食べてくか?」

 「別にいらないw・・・」

-クゥゥ~-
いらないと言おうとした瞬間腹の虫が鳴り響く。当本人は顔を真っ赤にして顔を背けた。
強情だな。素直になればいいものを。

 「本当にいらないのか? それに今日は焼き魚だが・・・」
魚に反応したのか耳がピクリと動いた。体は正直だな。
テーブルに料理を並べ椅子に座りもう一度見るが、こちらに背を向けたままだがチラチラと魚に視線が向いていた。

 「・・・無理に我慢すれば体に悪い。食べにこいよ」

 「・・・・・」
黒歌は黙ったままだが、空腹に耐えられなかったのか大人しくテーブルについて食べ始めた。魚を一口食べると、耳と尻尾が真っ直ぐになった。

 「・・・! 美味しい」

 「そうか。口にあって何よりだ」
耳と尻尾を動かしながら食べる黒歌を見て、俺とアーシアも食べ始める。30分もしないうちに食べ終え、片付け洗物を済ませ黒歌と対面する。

 「それで、黒歌は何ではぐれ悪魔になったんだ?」

 「・・・あの悪魔が言ってたでしょう? 私は主人やほかの眷属仲間、追っ手を殺したはぐれ悪魔になったのよ」

 「それはお前の本意か? 本当は逆にその主ってやつに何かされたから殺したんじゃないか?」

 「・・・・・・」
バツの悪い表情を浮かべ、そっぽ向いてしまった。
まぁ初対面の人間に抱えてるものを話し出すのはそう簡単じゃないよな。

 「無理に話さなくても良いからさ。気が向いたら呼んでくれ」
部屋を出ようとしたところで、右腕に黒歌の尻尾が巻き付いた。

 「どうした?」

 「・・・話すわ。私が何であいつらにおわれてた理由」
改めて座り直し話を伺う・・・内容はクソムカつくもんだった。
はぐれ悪魔になる前は、妹の白音といつも一緒に居たそうだ。二人は協力し合って毎日を生き延びた。
そんな時だ。ある上級悪魔に眷属にならないかと誘いを受けた黒歌はその誘いを受けた。これで妹に苦しい思いをしないで済む。そうおもっていた。
・・・だが、その主はとんでもないクズだった。その主人は妹の白音に無理やり仙術を覚えさせようと危険を承知で無理やり開花させようとした。
元々黒歌は猫魈と呼ばれる妖怪で、仙術に秀でている種族だった。
仙術とは魔力とは違い、生命のエネルギーを操るもので花を咲かせたりでき、攻撃すれば相手の内部にダメージを与えることが出来る。しかし、仙術はあまりにも強力過ぎるもので未熟者が使ったとすれば空気中にある邪気や力に飲み込まれ、暴走する危険があった。
それを知っていた黒歌はやめるように言ったのだが・・・。

 『貴様の妹を戦いで使えるようにしてやっているのだ。拾われた分際で私に口を出すな!』
まるで自分たちを戦いの駒のように見る主に、黒歌はキレてしまった。
妹の仙術を無理やり解き放った黒歌は、自ら邪気を取り込んで仙術を暴走させ主とその仲間と追っ手を殺した結果、はぐれ悪魔になった・・・か。
悪魔でもクズはいるもんだな。そこら辺は人間と大差ねぇな。
そして妹に会うために人間界まで来たわけか。
もし黒歌の妹の白音が俺の知ってる・・・。

 「黒歌。お前の妹は、今はとある悪魔の眷属になって名前も小猫と変えて生きているぞ」

 「!! 本当!?」
身を乗り出してくる黒歌。スマホを取り出して写真を見せると引ったくり真剣な表情で見る。

 「・・・良かったぁ。無事だったんだ、白音」
安堵の表情を浮かべる。やはり小猫は黒歌の妹だったのか、よほど心配だったようだ。

 「今夜は家に泊まっていけ。いま空き部屋が無いからここのソファーでしか寝る場所が無いが」

 「・・・ねぇ、トーヤどうしてそこまで助けてくれるにゃ?」
問いかけてくる黒歌に警戒心は抱いていなかった。
少しは打ち解けたのかな?

 「困ってる奴は見過ごせないだけだ」

 「そう・・・」
腕を振るうと、空気が変わった。この感覚は・・・。

 「この家を結界で覆ったわ。あの悪魔にはこの場所がばれることは無いわ」

 「・・・優しいんだな、黒歌」

 「別にそうじゃないにゃ。借りを作りたくないだけ」
顔を背けるが頬が赤くなっていた。照れくさいのか?

 「結界は感謝する。お休み」

 「お休みなさい、黒歌さん」
俺とアーシアがリビングから出て寝室に向かう。




 「大丈夫ですか、トーヤさん」

 「ああ。大分楽になった」
翌日。俺はリビングでアーシアの治療を受けていた。

 「いきなり入ってくるトーヤが悪いのよ!」
ソファーでは黒歌が腕を組み怒っていた。・・・まぁ、これは完全に俺が悪い。
何があったのか説明をすると、何時も通りトレーニングを終えシャワーを浴びようと風呂場に向かったんだが・・・。

 「にゃーーーーーッ!!! 何入ってきてるにゃ!?」
何故かシャワーを浴びてる黒歌と鉢合せになった。急ぎ出ようとしたのがいけなかったのか足を滑らせ黒歌を押し倒してしまった。叫んだ黒歌は爪で俺の顔を引っかき魔力を打ち込んできた。傷だらけの俺に気づいたアーシアが慌てて俺の治療を行った、ということだ。

 「もう大丈夫ですよ」

 「朝から力を使わせて悪いな。黒歌もすまなかった」
治療が終わった後は朝食を食べ休む・・・と思ったんだが、昨日の件でリアスと話をするべく今日は部室に行く予定だ。

 「黒歌。悪いが学校に来てもらうぞ」

 「あの紅髪の女と話すの?」

 「ああ。それに、妹に会いたいんだろう?」

 「・・・・分かったわ」
そう言うと黒歌は黒猫に姿を変え、俺のバックに入った。
おっとその前に・・・。

 「ほい黒歌。コレ付けとけ」
昨日の深夜作った特別性の首輪だ。

 「首輪?」

 「この首輪を付ければ悪魔としての気配を消せる代物だ・・・まぁ即興で作ったものだから効果はおよそ1日位だろう」

 「・・・トーヤって魔道具も作れたりできるにゃか?」

 「魔道具って言うか、首輪の内側に術式を書いただけのもんだよ。大したものじゃない」
首輪を付けバックに黒歌を入れる。

 「これなら多少はアイツにばれる心配はないにゃ」

 「そうだな・・・くれぐれも、猫の姿で声をだすんじゃないぞ」

 「それぐらい分かってるにゃ」
バックのチャックを閉め、俺とアーシアは学校に向かった。
んじゃ。行きますか。
 
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