転生とらぶる
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ガンダムW
1714話
俺の方に向かって飛んでくるボールを受け止め、組んだ手首で上に上げる。
「五飛!」
「分かっている!」
弁髪……いやおさげか? ともあれ、その髪をたなびかせながら、五飛が砂浜を蹴って跳ぶ。
さすがガンダムのパイロットだけあり、砂浜であってもかなりの高さまで跳び……大きく手を振る。
鞭の如き一撃により、ボールはネットを越えて真っ直ぐに相手側のコートに落ち……
「甘い!」
砂にボールがつく直前、綾子が素早く手を伸ばしてボールを受ける。
そうして上がったボールを、今度は綾子とコンビを組んでいるデュオが跳躍し……
「そこは行き止まりだ」
先程五飛にボールを上げた後、すぐに跳躍していた俺の手が伸び……デュオの打ったボールは、俺の手に当たって向こう側のコートに落ちる。
「10点目、これでアクセル代表、五飛のチームの勝利よ」
審判をやっていたサリィの言葉で、勝敗が決まる。
言うまでもなく、俺達がやっていたのは砂浜でやるビーチバレー。
……もっとも、運動量という意味ではとてもお遊びでやるようなビーチバレーではなかったが。
参加していた俺が言うのもなんだが、恐らくプロの選手よりも運動量的には上だろう。
勿論細かい技術とかそういうのでは劣っているのだろうが、それでも圧倒的な運動量に勝るものはない。
才能が努力を凌駕した……というのは、この場合正しいのか?
ふとそんな事を考えつつ、ビーチバレーを終えた俺達は用意してあった飲み物に手を伸ばす。
俺が飲むのは、冷たい紅茶。
……一応というか、シャドウミラーはこのノベンタの招待でこのリゾート地……もとい避暑地に来ている為、かなり優遇されている。
普通であれば追加費用が必要となるサービスであっても、無制限に受ける事が出来るのだから。
今回こうして用意されているドリンクにしても、勿論俺達は無料でサービスを受けられる。
いや、普通にその辺で売ってるドリンクならそこまで気にする必要がないのだが、ここに用意されているのは、品質の高い代物……いわゆる、セレブ向けの代物だ。
まぁ、こういう場所だけに普通に買うよりも高価だったりするのかもしれないが……それでもここが連合軍が使っている場所だけに、そういう店は出入り出来ないだろう。
値段が高いのは、高い分だけ品質もいいと保証されているので、俺達もあまり気にしないで高い飲み物を飲む事が出来る。
ちなみに俺が頼んだのは、いつものように紅茶……ではなく、柚子蜜茶とかいうお薦めの飲み物。
冷たく冷えた薄い黄色のお茶を、口に運ぶ。
お茶の風味と共に、柚子の香りと蜜の甘みが口の中一杯に広がる。
蜜の甘みといっても、そこまで甘いという程ではない。
微かな甘みは、運動した後で飲むのに相応しい。
冷たい為に、喉を通っていく感覚もまた楽しい。
この柚子蜜茶はお薦めのメニューって話だったが、それだけに納得出来る味だ。
日本円にして1杯1500円程もするらしが……まぁ、別に俺の金じゃないしいいか。
そもそも、俺は金に困ってる訳じゃないしな。
シャドウミラーの報酬としては、当然ガンダニュウム合金を始めとする素材を貰っている。
だが、それと同等にこの世界の金も貰っているのだ。
……他にも、デルマイユから盗んだ芸術品とかを売れば、そうそう金には困らないだろうし。
ああ、そうだな。久しぶりに地球に戻ってきたんだから、デルマイユの持っている別荘や別邸にまた忍び込んでみてもいいか。
ロームフェラ財団にとって、最大の戦力だったOZの財団派は滅んだ。
宇宙でもロームフェラ財団の勢力が駆逐された以上、これでもうロームフェラ財団の凋落は避けられないだろう。
そうなれば、どうなるのか。
デルマイユの性格を考えると、プライドの高さからそれを認められずにまだ強がった真似をする可能性は高い。
だが、同時に金目の物は隠そうとする可能性も高かった。
そうである以上、その手の代物が隠されるまでに動いた方がいいだろう。
「アクセル? どうしたの?」
「いや、ちょっとこれからのシャドウミラーについて考えてただけだ」
……デルマイユの屋敷を襲撃するのは、表向きには出来ないがシャドウミラーとしての行動であるのは、間違いない。
もっとも、それを人に言えるのかどうかは話が別だが。
綾子や宇宙にいる凛はその事を知ってるが、それ以外の面々は俺の混沌精霊としての能力は知らないしな。
綾子もそれに思い至ったのだろう。納得した様子は見せるものの、特にそれ以上口にすることはなかった。
「いやぁ、それにしても、まさかこんな風に寛げる時が来るとは、思ってもいなかったな」
砂浜の上に座りながら、照りつけるよう太陽を眺めつつ、デュオが呟く。
「出来れば、ヒルデも連れてきてやりたかったんだけどな。この話を聞いたら、きっとヒルデは羨ましがるだろうし」
「お土産でも持っていって、機嫌を取った方がいいわよ?」
サリィのアドバイスに、デュオは困ったように溜息を吐く。
「お土産って言ってもよ。何を持っていけばいいんだよ?」
そう呟くデュオの言葉も当然だろう。こうして見る限り、デュオが女心に詳しいとは、到底思えない。
いや、俺も言える程に女心に詳しいって訳でもないんだが。
けど、デュオの場合はヒルデとの仲も特に進展していないみたいだし。
その辺の詳しいところまでは分からないが、進展していてもキスくらいだろう。
「そうね。別にそこまで難しく考える必要はないんじゃない? デュオがヒルデに喜んで貰えるようにと思えば、それでいいでしょうね」
「……そう言われてもな」
難しい表情を浮かべるデュオ。
そんなデュオの様子を、綾子は楽しそうに眺めていた。
いや、サリィもアドバイスをする振りをしながら、面白そうにしているな。
何だかんだと、この2人も女だ。
他人の色恋沙汰というのは、大好物なのだろう。
「うーん……なぁ、アクセル。何かないか?」
「いや、そこで俺に聞くのかよ。……そうだな、海のお土産ってことですぐに思いつくのは、魚介類の素材とかだけど……友人や家族に持っていくのはともかく、恋人に持っていくのはちょっとあわないよな」
「まぁ、そりゃあ……」
そう言うデュオだが、干物とかをお土産に持っていったら面白い事になりそうな気がしないでもない。
それでヒルデが嬉しがるかどうかはともかく……いや、嬉しがるかもしれないけど、恋人に貰って喜ぶようなお土産じゃないよな。
干物を貰って、きゃー、嬉しい! ありがとう! とかなったら……それはそれで、ちょっと見たい気もするけど。
「もしどうしても干物の類を持っていきたいんなら、協力してもいいぞ? この海にだって魚とかは泳いでるんだろうし。それにちょっと沖まで行けば、それこそマグロとかもいる筈だ」
「マグロって……どこまで沖に行くつもりだよ」
呆れの溜息を吐くデュオだったが、それでも馬鹿な事をと問答無用で却下しなかった辺り、俺達の持つ身体能力がどれくらいのものかを理解しているのだろう。
まぁ、模擬戦でその辺りを散々見せつけられたんだから、それくらいは出来ても不思議ではない……と、そう思われても仕方がない。
「やる気になれば普通に出来るぞ。……ただ、マグロとかの大きな魚を獲ってきても、処理に困りそうだけど」
基本的にマグロというのは、傷みやすい。
江戸時代とかは、それが理由で雑魚という扱いにされ、捨てられていたのだから勿体ない話だ。
まぁ、連合軍なら急速冷凍する設備くらいはあってもおかしくないが。
空間倉庫を使えば、悪くなるのを気にする必要はないんだが……だが、まさかそんな事で俺の秘密を教える訳にもいかないだろう。
「い、いや……アクセルには悪いけど、魚介類を持っていくってのは止めておくよ」
「そうか? まぁ、その気になったら言ってくれ。いつでも手を貸すから」
「……何で自分でも薦めないって言ってた癖に、その気になってるんだよ」
呆れたようにデュオが呟くが、そんなのは面白そうだからに決まってる。
「マグロの類をなしにするのなら……そうだな、以前どこかで星の砂を瓶に詰めてアクセサリにしているってのを見たことがあるな。それはどうだ?」
「……どこに星の砂なんてものがあるんだよ」
デュオに言われて砂浜の砂を軽く掬ってみるが、当然そこにあるのは星の形をしたものではなく、ごく普通の砂だ。
デュオのジト目が向けられる。
「今のはあくまでも一例だし。……まぁ、正確には星の砂ってのは砂じゃないらしいけど。ともあれこの海で手に入れられそうなのは……まぁ、無難に貝殻とかはどうだ?」
よくある土産物ではあるが、それは人気が高いからこそ、そうなるのだろう。
それに貝殻とかなら部屋に飾ってあってもそんなにおかしくない。……おかしくないよな?
宇宙で貝殻というのも、ちょっとミスマッチな感じがするが。
「……はぁ。大人しく土産物屋でも見てくるよ」
そう言い、デュオは俺達の下を去っていく。
その言葉どおり、土産物屋に向かったのだろう。
まぁ、ここは連合軍が目を光らせているから、おかしな店はない筈だ。
何を買うにしても、観光地とかでよくある偽物とかはないと思う。
……これで普通にブランド品の偽物とかが置いてあったら、それはそれで面白そうだが。
「それにしても……ねぇ、サリィ。私達はいつまで地球にいればいいの?」
冷えたジュースを飲みながら、綾子がサリィに尋ねる。
そうしたのは、サリィが連合軍から派遣されている人物だからこそだろう。
もっとも、派遣されているからといって、全てを理解している訳でもないんだろうが。
「うーん、そうね。実際のところ、私も何故シャドウミラーを宇宙に上げないのかが分からないのよ。地球に残っていた戦力で一番好戦的だった財団派を倒した以上、シャドウミラーを宇宙に戻してもいいと思うんだけど」
「トレーズ派に対しての警戒ではないのか?」
サリィと綾子の話を聞いていた五飛が、不意に口を挟む。
「まぁ、普通に考えればそれくらいしかないんだけど……」
言葉を濁すサリィ。
実際、何が理由で現在のような状況になっているのかというのは、サリィにもしっかりと理解出来ていないのだろう。
「現在地球に残っている勢力は、連合軍、中東連合、サンクキングダム……そしてトレーズ派。この中で、中東連合とサンクキングダムは連合軍とも友好的な関係を築きつつある」
「特に中東連合は連合軍を通してあたし達を雇ったりといった契約を結んでるしね」
綾子の言葉通り、連合軍と中東連合の関係はかなりいい。
サンクキングダムの方も……まぁ、中東連合程ではないにしろ、敵対的という訳でもない。
つまり現状で敵対しているのはトレーズ派のみとなる。
……だが、そのトレーズ派も勢力としては決して強いという訳ではなかった。
いや、寧ろ連合軍はおろか、中東連合と比べても戦力は低いだろう。
サンクキングダムは……具体的にどのくらいの戦力があるのかは分からないが、ヒイロとウイングガンダムがいるのを考えると、やはりトレーズ派に勝ち目はない。
現在残っている勢力は、公にしているかどうかは別としてトレーズ派以外はどこの勢力もガンダムを所持している。
トレーズ派が弱いのは、MDも採用せず、ガンダムも存在しないという一点に尽きるだろう。
……まぁ、連合軍が所属しているガンダムというのも、あくまでそれを所有しているシャドウミラーを連合軍が雇っているという形なのだが。
ともあれ、連合軍の上層部が何を考えているのか……俺にはそれが分からない。
意外と何も考えてなくて、単純に俺達に世話になった感謝の気持ちを伝えたいという可能性もないではないのだが。
「ま、連合軍が何を考えていようとも、俺達はこうして束の間の休息を楽しめばいいさ。それを向こうが望んでるんだしな」
「……気楽ね」
綾子の視線がどこか呆れたように俺に向けられる。
だが実際のところ、連合軍が妙な真似をしたりしない限り、俺達から何かをするような事はない。
ここで逆に妙な行動に出たりすれば、それこそ連合軍に怪しまれたりしてしまうだろう。
……そうなったらそうなったで、また連合軍から色々と迷惑料とかを貰えたりする事になるのかもしれないが。
「とにかく、連合軍がこっちを優遇してくるのなら、それを楽しめばいいんだよ。ここ暫くは、何だかんだと戦い続きだっただろ。なら、こうして骨休めをするのもいいぞ?」
呟く俺に対し、何故か綾子だけではなく五飛や……そしてサリィまでもがどこか呆れの混じった視線を向けるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1225
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1347
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