月に寄りそう乙女の作法希望の子
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その後カイト9
「でもこれぶかぶかだよね。こんな大きさじゃ、どんなに固定してもすぐにずり落ちちゃうんじゃないかな」
遊星は学習能力ないようにまた同じくりそなの地雷踏んだ。
「妹、ツッコミ大嫌いだと言った筈なんですが。罰としてスカートめくれ。今すぐ」
「嫌だよ!?それこそただの嫌がらせだよ、兄弟ですることじゃないよ?」
遊星はりそな反論するが
「先にセクハラ発言したのはどっちですか、この女装兄。一度でも女装した事実を上の兄にバラされたくなければ、大人しく惨めを受けなさい」
りそなは《上の兄》単語で遊星の反論を論破されて遊星にツッコミ入れる隙いっさいない。
うぅ……りそなならまもかく、お兄様に女装したなんて知られたら、社会的に抹殺されてしまう。
遊星が覚悟を決めてスカートみくった。
下着の色はピンクにはしにはリボンついている。
羞恥心で顔を真っ赤に染める。
「これでいい……?」
「恥ずかしさのせいか内股になっていますね。あなたの見た目は華奢ですが、立ち方やは男然としたところがあります。その姿勢なら女性らしく見えるので、足の角度を忘れないようにしてください」
あ、これもただの嫌がらせじゃなくて、女性として過ごすための授業だったんだ。ありがとう。
「後は女性としての生活習慣を身に付けることですね。これから入学までの一ヶ月、毎日女装して過ごしましょう。化粧だったり毛を剃ったり、月のものも本当に《ある》体で生活します。でないとバレます」
りそなが遊星に忠告する。
「それは本気で僕を受験させるつもりで言ってるの?」
遊星がりそなに聞く
「嫌なんですか?」
りそなも遊星に質問する。
「いや、絶対に受かるよ。服飾の基礎を調べる試験はあるだろうけど、そのぐらいはハウススクーリングで修了してるから」
遊星は自信満々に言うが今女装状態。
「良い自信だと思います。キモいけど頑張ってくれるでしょう」
「うん。自分でもキモいと思うよ。でも夢のために三年間頑張ってみる」
《夢のため》免罪符になるわけじゃないけど、世の中には迷惑を掛けずにファッションモデルを続けた男性もいる。
一ヶ月このまま生活して、周りが事実を知らずにきれば迷惑が掛からないとわかったら、本気で進学をしよう。
「あと一応、お天道様に堂々と顔向けできる行為ではないですから、そこだけは忘れないようにした方がいいです」
りそなは注意する。
「うん……でも夢のためだから……」
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