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ドリトル先生と悩める画家

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第五幕その十二

「書けるのは論文とかでね」
「短歌とかもなのね」
「書けない」
「そうなの」
「学校の授業で詩を作ったことはあったけれど」
 それでもという口調での言葉でした。
「やっぱり書くのならね」
「論文なのね」
「そちらが第一」
「先生にとっては」
「そうなんだよね、論文はどんどん書けるんだ」
 そちらはというのです。
「書けば止まらない感じで進むけれど」
「詩とか小説になると」
「どうにも」
「そうなんだね」
「僕としてはね、しかし本当にね」
 また窓の外を観て言う先生でした。
「静かな雨だね」
「風もなくて」
「風情のある雨だね」
「日本の冬の雨」
「そんな感じで」
「いい雨だね、ただ日本の雨はね」 
 こうも言った先生でした。
「台風とかは凄いね」
「あれは凄いわね」
「日本の台風は」
「インドのサイクロンも凄かったけれど」
「こっちもね」
「一緒のものだしね」
 台風とサイクロン、その両者はというのです。
「結局は」
「そうそう、結局はね」
「あちこちに出るああしたものはね」
「結局同じよね」
「ハリケーンもタイフーンも」
「結局のところは」
「そうだよ、そして日本の台風もね」
 こちらもというのです。
「凄いからね」
「確かに凄いよね」
「日本の台風もね」
「大雨に大風でね」
「とんでもない破壊力があるね」
「だから被害も多いんだ」
 台風のそれはです。
「日本でもね。ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「大きさによるから」 
 台風のそれにというのです。
「それはね」
「ああ、それはそうだよね」
「サイクロンでもそうだし」
「地中海でも起こるけれどね」
「それでもね」
「台風も大小がある」
「そうなんだ、だから大型の台風が起これば」
 そうして日本に上陸すればというのです。
「大変なことになる場合があるんだ」
「だから日本は凄く注意してるんだね」
「台風のことも」
「地震の対策が凄い国だけれど」
「台風もそうしているのね」
「そうなんだ、台風は梅雨から秋まで来るね」
 おおよその季節はです。 
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