イナズマイレブン〜稲妻の軍神〜
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⚡︎13話 豪炎寺の秘密
それから暫く、廣川は脚の怪我があるため稲妻総合病院で検査に来ていた。
〜稲妻総合病院〜
「検査結果から言えば特に問題ありません……2日間安静にしておけば、問題なく走れることが出来ると思います」
「そうですか……ありがとうございます」
廣川は先生に挨拶をした後診察室から出た。これで明日から円堂達と尾刈斗中との試合に向けて練習できる。そして廣川は病院で入院している姫乃と軽く話した後家に帰るため病院の入り口まで歩く……とそこで意外の人物に会い驚く。
「……豪炎寺」
「……廣川」
「もしかして豪炎寺もどこか怪我か? 俺はこないだの帝国の練習試合で脚を怪我したから来たんだ」
「いや、そう言う訳じゃないんだ」
廣川の問いに豪炎寺は悲しそうな表情で答えた。すると、豪炎寺の背後に特徴的な橙色のバンダナをつけた男がおり、廣川と目が合うとその瞬間に隠れた。それを見た廣川は溜め息を吐きながら言う。
「……円堂、お前は何してるんだ?」
「!?」
「円堂……?」
廣川の言葉に豪炎寺は疑問を持ちながら後ろを振り向いた。円堂は気まずそうな表情を浮かべる。
「いや、その……え、えーと……豪炎寺と廣川、奇遇だな〜」
「……何しに来た」
「えっと……その、お前がここに入るのを見たからさ。怪我とか病気かなーって。サッカー辞めたのもそれでかなって思って……いや、もちろん! お前があの一度だけだってのは分かってる! 俺、誘いに来たわけじゃないんだ。何か俺、心配でさ。悪いと思ったんだけど。なんていうか……ごめん!!」
円堂は豪炎寺に言い訳がましいことを言った後深々と頭を下げた。それを見た豪炎寺は呆れた表情で言う。
「……全く、お前には呆れるよ……入れよ。廣川もだ」
豪炎寺は円堂と廣川に入室するよう促した。そして円堂と廣川は豪炎寺について行き入院する。
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豪炎寺について来て病室に入った円堂と廣川は
「………」
「これは……」
絶句した。そう、そこには1人の女の子が眠っていたのだ。だが、ただ眠っているわけじゃないと感じる。豪炎寺は女の子について説明する。
「妹の夕香だ……もうずっと眠り続けている」
「えっ……」
「………」
「話すよ。でなきゃ廣川はともかく、円堂。お前は帰らないんだろ」
豪炎寺は円堂と廣川に振り向いた。そして豪炎寺は椅子に座って女の子ーー豪炎寺夕香の頭を優しく撫で、話し始めた……何故自分がサッカーを手放したのかを。昨年のフットボールフロンティア決勝の日に豪炎寺を応援しに行く途中、夕香は事故に遭ってしまい、それ以来意識不明で目を覚まさないこと。夕香がこんな事になってしまったのは自分がサッカーをしていた事にあると、責任を感じで自分だけが好きなサッカーをやる訳には行かないと思い、夕香が目を覚ますその日まで大好きなサッカーはやらないと心から誓ったと。それを聞いた円堂と廣川は改めて知り、罪悪感に押しつぶされそうになっていた。円堂と廣川は豪炎寺に謝る。
「……辛い話、させちゃったな。俺達、何も知らないでしつこく誘って……ごめんな」
「本当にすまない……」
「このこと、誰にも言わないよ俺達……じゃ」
「……サッカー部、あれからどうなった?」
円堂と廣川の帰りの際、豪炎寺は尋ねて来た。それを聞いた円堂と廣川は暗い表情を浮かべたまま声色だけ明るく答える。
「ああ。次の対戦校が決まったんだ。お前のシュートがきっかけで、皆練習頑張ってるぜ」
「……ありがとう、豪炎寺。お前のお陰でチームの士気力は強くなった。妹さん、早く目覚めると良いな」
そう言いながら円堂と廣川は夕香の病室から出た。この日、廣川は豪炎寺に何か出来ることはないのかと考えた………
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