イナズマイレブン〜稲妻の軍神〜
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⚡︎7話 VS帝国学園 廣川の実力
〜雷門中・グラウンド〜
ベンチではニヤつきながらグラウンドを見渡す目金と、それを苦笑いしながら見る木野がいた。そんな中、木野に赤眼鏡をカチューシャのように上げている女性が話し掛けてくる。
「あのー」
「ん?」
「ここで一緒に見てても良いですか? 私、新聞部の音無春奈です。どうかよろしく!」
「取材ね。どうぞ」
木野は女性──音無春奈の言葉に了承した。それを聞いた音無は笑みを浮かべる。
「やっと11人揃って試合ができるんですね。 良かった」
「うん」
「それで、勝つ自信ありますか?」
「ふっ、僕が出てたら間違いなく勝てるんですがね……」
「どうなんですか?」
目金の応答を完全に無視し、音無は改めて木野に尋ねた。それを聞いた木野は答える。
「あるか無いかって言われたら……無い?」
「ああっ、やっぱり!?」
「でも、あの円堂君と廣川君、皆を見てると、勝つかも……何だかそんな気がしてきちゃうのよね。まだまだ始まったばかりのサッカー部だけど」
「はー、かっこいい〜! 今のコメント、使わせて貰いますね!!」
「えっ、え?」
音無の言葉を聞いた木野は頰を赤らめた。そして音無は木野に最後の質問をする。
「そ、そういえば……廣川先輩は校内でもかなりモテますけど、彼女さんとかいらっしゃるのでしょうか?」
「えっ、それは何の質問!?」
「これが1番ネタになるから部長に聞いてこいって言われてたんですよ!!」
木野の疑問に音無は勢いよく言った。木野は嘘か本当か分からないが有り得ない話ではなかったので答える。
「……たしか円堂君と話している時に、“結城”っていう女の子の名前が出てたけどその子なのかな?」
「ほぅ? そんなことがねぇ……」
「え、えええぇぇ!? そんなぁ……」
「え?」
何故か落胆する音無に木野は首を傾げ
「あ、いや……な、何でもないですよ!!」
音無は両手を振って誤魔化した。
⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎⚡︎
円堂達は整列をして帝国学園のメンバーと向き直っていた。そして帝国学園との練習試合が始まる。
「これより、帝国学園VS雷門中の練習試合を開始します!! では、両キャプテンコイントスを……あっ、鬼道君。コイントスを!」
「必要ない。好きに始めろ」
審判に声を掛けられた鬼道だったが、円堂達を完全に舐めていたため最初のボールを寄越した。そして円堂達はそれぞれのポジションにつく。
「こんなに注目されたのは俺、初めてだ」
「皆、呑気でやんすね……俺なんか緊張して緊張して」
「さあ、皆! 頑張っていこうぜ!!」
円堂は皆に掛け声を掛けた。因みに雷門中のポジションは、
FW 11染岡 18廣川
MF 8宍戸 9松野 7少林寺 6半田
DF 2風丸 3壁山 4影野 5栗松
GK 1円堂
となっている。そして審判の合図で試合が始まる。
「いくぞ廣川!」
「ああ」
廣川は染岡にボールを受け取った。廣川は一旦松野にボールをパスし、半田に渡り染岡へパスを送った。そのパスが通ると、帝国のFW──佐久間次郎と寺門大貴がスライディングをしてきた。が、染岡は素早く反応し、それを躱す。
「すげえぜ俺。結構やれるんだな」
「染岡、パスだパス!」
風丸は染岡に声を掛けた。それを聞いた染岡は風丸にパスを出す。風丸はどんどん上がっていくものの帝国のDFに阻まれ、廣川にパスを回す。
「マックス、宍戸。もう少し前に」
廣川は松野にパス。そこから流れるように宍戸へパス。そして宍戸は半田にパス……と見せかけて、再び染岡へ。
「いくぜぇ!!」
ボールを受け取った染岡はそのままシュートした。そのままゴール……だが、帝国のGK──源田幸次郎は機敏な動きでそのシュートを弾き、キャッチした。ゴールすることが出来ず、染岡は驚く。
「なにぃ!?」
「鬼道! 俺の仕事はここまでだ!!」
そう言って源田は鬼道にボールを回した。それを聞いた鬼道は悪い笑みを浮かべる。
「ああ、始めようか……帝国のサッカーを」
そして鬼道は寺門にボールを渡した。ボールを渡された寺門はピッチの中央からロングシュートを放つ。そのシュートは凄まじい威力とスピードだった……だが、円堂は
「ふんっ!!」
廣川の必殺技シュートを1年間何度も受けていたため難なくそれを受け止めた。それを見た寺門は驚き、鬼道は感心する。
「何だと!?」
「ほぅ……」
「へへっ! 良いシュートだったな!!」
そして円堂はボールを風丸に渡す。そこから少林寺、少林寺、廣川とボールを再び渡り出した。廣川はDF陣を易々と突破した。鬼道は嫌な予感を察知したのか、声色を変えて周りに止めるよう指示を出す。
「お前たち、そいつを止めろ!!」
「今更遅いぞ……バイシクルボルトッ!!」
廣川はシュート技──バイシクルボルトを放った。源田は予想外の出来事で廣川のシュートに対応が出来なかった。そしてそのままボールはゴールネットへと。その瞬間、帝国メンバーと雷門中の生徒は何が起こったのか理解が出来ずにいた。
『き、決まったぁ!! まさかの雷門、帝国に先制点!! 廣川のバイシクルボルトが帝国からゴールを奪ったーー!!』
「よ、よっしゃあああぁぁぁーーーー!!」
それを聞いた円堂は空に雄叫びを上げる。円堂の雄叫びが響いた瞬間、他のメンバーを現実だと知って廣川に近寄る。
「廣川! やったな!」
「ああ」
染岡は廣川の手を叩き、廣川も染岡の手を叩く
「と、とったでやんすよ! 1点!」
「これならもしかしたら勝てるかもね」
栗松は無邪気にはしゃぎ、松野は笑みを浮かべた。そして円堂は叫ぶ。
「そうだ! 必死に特訓したんだ!! 今の俺たちは勝てる!!」
その言葉に染岡達は同意して頷く。更に円堂は叫ぶ。
「さぁ、皆ぁ!! サッカーやろうぜ!!」
『おう!!』
円堂の言葉に染岡達は同意して声を上げる。廣川のシュートで雷門イレブンは結束した……
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