レーヴァティン
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第八話 神殿にてその八
「最低だな、そいつ」
嫌な奴からレベルが上がった、悪い意味でのそれが。
「絶対に一緒にいたくないな」
「だから俺はそいつをぶん殴った」
「許せなかったからか」
「同級生だったがな」
「それでそれをなおさせたか」
「顧問に告げ口して変なことを言ってたがな」
それでもというのだ。
「ありのまま言った、もっともその顧問が前に話した暴力教師だったが」
「屑のところには屑が集まるな」
「馬鹿の場所には馬鹿がな」
「言うよな、糞には糞蠅がたかるってな」
逆には花には蝶が寄ると言う。いい人やいい場所にはいい人が集まり悪い人や悪い場所には悪い人がたかるのだ。集まるのとたかるのではまた意味が違う。
「その通りだな」
「自分より強い奴には謙り弱い者いじめと告げ口が大好きな奴だった」
「どんな屑なんだ」
「高校は別だったが同じ高校に通った奴から校内で有名な嫌われ者だったと聞いた」
「そりゃ嫌われるだろ」
久志はその話を聞いて当然だと言い切った。
「人間としてどうかという奴だからな」
「先日擦れ違って挨拶しなかったがだ」
つまり英雄も嫌っているということだ。
「チンピラの様な外見になっていた」
「生き方が身なりとか人相に出たか」
「そうだろうな」
「まあそんな屑は気にしなくていいな」
「いや、気にする」
英雄は久志にこう返した。
「俺はな」
「そんな屑気にしなくていいだろ」
「ああはなるまいと思って気にする」
そうした意味でというのだ。
「屑になりたくないからな」
「つまり反面教師か」
「そうだ、俺はああした人間にはなりたくない」
そうした薄汚い屑にはというのだ。
「チンピラにはな」
「そうした意味で気にするんだな」
「ああはなるまいだ」
「そう言う意味か、わかったぜ」
「そういうことだ」
「そうか、しかしな」
久志はあらためてだ、英雄にこう言った。
「俺は本当にな」
「そうした偉い立ち場にはか」
「なったこともないしなれるとはな」
「思わないか」
「何一つとしてな」
「それは俺もだ、しかしだ」
それでもとだ、英雄は久志に話した。
「魔神そしてその軍勢と戦って勝ちたいならだ」
「まずはか」
「そうしないと勝てないだろう」
「そうなるか」
「勝ちたいな」
「ああ、何でもこの魔神相当酷い奴らしいしな」
このことがわかるからだというのだ。
「本に書いてたり神官さん達から聞いてる限りじゃな」
「そうだな」
「極悪非道でな」
「まさに邪悪だな」
「強いだけじゃなくてな」
「それが本当かどうかわからないがな」
「本当にそうした奴だったらな」
それこそというのだ。
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