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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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2部分:第一話 関羽二人の少女と会うのことその二


第一話 関羽二人の少女と会うのことその二

「何だ、おい」
「やろうってのか!?俺達と」
「戦うのではない」
 その長い黒髪の少女は毅然として言い返した。きりっとした端整な顔立ちをしており目が鋭くしかも強い光を放っている。黒いミニスカードにブラウンのハイソックス、それと白と緑の丈の長い上着を着ている。その手には巨大な青龍偃月刀がある。かなりの重さであると思われるがそれを軽々と持っている。
「倒すのだ」
「何っ!?」
「倒すっていうのかよ」
「そうだ」
 またしても毅然とした言葉で返してみせた。
「御前達賊を倒す」
「この小娘」
「よく言ってくれるな」
「名前は何ていうんだ?」
 一人が彼女に問うた。
「冥土の土産に聞いてやるぜ。何ていうんだ?」
「関羽」
 少女はその問いに応えて名乗った。
「関羽雲長だ。これが私の名前だ」
「何っ、関羽!?」
「関羽っていうとまさか」
 ここで賊達はある名前を思い出したのだった。
「あの山賊退治で有名な」
「黒髪の絶世の美女か」
「ふっ、私の名前も知られるようになったものだな」
 関羽は彼等の言葉にまずは笑った。
「何時の間にか」
「噂程じゃないよな」
「なあ」
「なっ・・・・・・」
 こう言われてずっこけた顔になった。
「聞いていたのと違うしな」
「そうだよな」
「違う?」
 関羽は山賊達の今の言葉に今度は眉を顰めさせた。
「何がだというのだ?」
「いやよ、背は高いし」
「胸もでかいし」
 そのかなり巨大な胸もしっかりと見られていた。
「おまけにその馬鹿でかい得物だしな」
「刀じゃないのか?」
「刀も使うが私の武器はあくまでこれだ」
 その青龍偃月刀を持ちながらの言葉である。
「この青龍偃月刀だ」
「しかも鷹連れてないしな」
「噂と全然違うぞ」
「鷹?話が全然わからないのだが」
 関羽にしてはさらにわからない話だった。
「御前達は一体何を言っているんだ?」
「だからよ。黒髪の山賊退治のな」
「違うのか?」
「だから何を言っている」
 やはり関羽にはわからない話だった。
「それは私ではないのだな」
「噂が尾ひれがついたのか?」
「そうかもな」
「ここにいたのですね」
 そしてだ。また一人出て来た。
 黒く長い髪に澄んだ瞳をした美しい少女だ。小柄で細い身体をしている。白地に赤を配した着物に近い上着とズボンである。その右手には短い刀があり鷹を連れている。その少女も出て来たのである。
「貴方達にも大自然のお仕置きを」
「あっ、そうだよこいつだよ」
「こいつなんだよ」
 ここで言う山賊達だった。
「こいつがその山賊退治のよ」
「黒髪の女なんだよ」
「私以外にもそうした武芸者がいたのか」
「ナコルルといいます」
 少女は自分から関羽に名乗ってきた。
 
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