恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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199部分:第十七話 孔明、推理をするのことその八
第十七話 孔明、推理をするのことその八
「貴殿はそれを認めてくれた。それで充分だ」
「そう言ってくれるか」
「そうだ。それに」
「それに?」
「笑顔でいてくれるか」
こうも言うのであった。
「笑顔でだ」
「笑顔か」
「人は別れる時の顔を覚えているものだ」
彼女にもだ。そんな話をするのだった。
「だからだ。ここはだ」
「笑顔でか」
「そうだ。それで頼む」
こう孫権に話す。
「是非な」
「わかった」
そして孫権もその言葉を受けた。そうしてであった。
笑顔になる。そのうえで関羽に話す。
「また会おう」
「その時を楽しみにしている」
「今度会った時は覚えていなさいよ」
「何をなのだ?」
「絶対にあんたより大きくなってやるんだからね」
二人の横では勝手についてきた孫尚香と張飛が言い合っていた。
「胸だってね」
「ふん、鈴々も負けないのだ」
張飛も言い返す。
「御前みたいなちんちくりんには負けないのだ」
「誰がちんちくりんなのよ」
「御前以外にはいないのだ」
「やれやれ、全く」
馬岱がそんな二人を見ながら呆れた顔をしてみせて言う。
「二人共子供ね、本当に」
「何よ、チビッコその三」
「御前には言われたくないのだ」
「ちょっと。待ちなさいよ」
馬岱はその言葉にむっとした顔ですぐに言い返した。
「誰がチビッコその三なのよ」
「あんたよ」
孫尚香はその馬岱を指差して言い切る。
「あんた以外にいるの?」
「私だってね。翠姉様と一緒でね」
「一緒って。何がよ」
「背だって大きくなるし胸だってね」
こう主張するのだった、ムキになってだ。
「ああした風に」
「そうなのか?」
「まあ馬家って基本的にはそうだけれどな」
馬超はこう趙雲の言葉に答えた。
「実際な。だから蒲公英もな」
「そうか」
「そうなる筈だけれどな」
「ほら、聞いたわね」
馬岱は従姉の後ろからの言葉を聞いたうえで前に向き直ってそのうえで二人に対して言う。
「私だってね。大きくなるのよ」
「それを言ったら私もよ」
孫尚香もだというのだった。
「私だってね。なるわよ」
「なる訳がないのだ」
「何でそう言えるのよ」
「雪蓮姉様も蓮華姉様も普通に胸が大きいじゃない」
やはりであった。二人の姉の話を出すのであった。
「それに母様だってね」
「遺伝にも例外があったりするけれどね」
「そうだったわね」
ここでキングと舞が言うのだった。
「実際家族の中で一人だけ小さいとか」
「そういう人もいるわよ」
「そんなことないわよ」
無理に強気に言う孫尚香だった。
「絶対に大きくなるんだから」
「そうですか」
「そうなるといいのですが」
ナコルルと香澄はその言葉には懐疑的だった。
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