恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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197部分:第十七話 孔明、推理をするのことその六
第十七話 孔明、推理をするのことその六
「関羽さんの疑いは晴れました」
「しかし」
「しかし?」
「問題は犯人です」
それだというのである。
「犯人が誰かです」
「それですか」
「誰が孫策さんを、そして孫権さんを狙っているかです」
「最近どの太守も刺客に狙われているけれどな」
今言ったのは馬超だった。
「曹操にしても袁紹にしてもな」
「孫姉妹だけではない」
趙雲も言う。
「それを考えると十常侍と思えるが」
「何か違うみたいだし」
「そうですよね。微妙以上に」
舞と香澄もこのことはもう聞いていた。
「じゃあ誰なのか」
「それですよね」
「ここで重要なことはです」
孔明は何とか立ち上がりだった。そのうえで再び話してきた。
「孫策さんは生きておられます」
「つまりもう一度狙われる可能性がある」
「そういうことか」
「はい、そうです」
こう関羽と趙雲にも話す。
「仕事は確実に、ですから」
「では。孫策殿の下にまた」
「来るな」
関羽と趙雲はこう考えるに至った。彼女達はまずは仲間の疑いが晴れたことを喜んでいた。しかし事件はまだ終わっていなかった。
孫権は沈んだ顔になっていた。先程のことを反省していたのだ。
その彼女の傍には呂蒙がいる。彼女は必死の顔で主に声をかけていた。
「蓮華様、御気を落とされずに」
「ええ」
返事は弱いものだった。
「わかっているわ」
「それでなんですが」
「どうしたの?」
「これをどうぞ」
皿の上に置かれた数個のゴマ団子を差し出してきたのである。
「大喬ちゃんと小喬ちゃんが作ってくれたんですよ」
「そう、あの二人が」
「はい、お茶もありますから」
それも差し出すのだった。明らかに落ち込んでいる主に対してだ。
「ですから。これを食べて」
「有り難う」
こうは返してもその目は暗い。それでも呂蒙の気持ちを汲んでお茶を飲みゴマ団子に手をやる。そしてその時であった。
紫の髪を奇麗に上にまとめた濃青の目の可愛らしい二人の少女が来た。どちらも赤と白の可愛い服を着ている。その二人が部屋に来て言うのだった。
「蓮華様、こちらでしたか」
「雪蓮様ですが」
「菖蒲、菫」
二人の真名を言ってだった。
「まさか」
「はい、目を覚まされました」
「御無事です」
「それは本当!?」
今の言葉を聞いてすぐにであった。目に熱いものが宿った。
そのうえでだ。両手を口元に当ててだ。その熱いものを零れさす。
「姉様・・・・・・」
「蓮華様、よかったですね」
「ええ・・・・・・」
呂蒙の言葉にだ。涙を零しながら頷く。
「本当に。どうなるかって思ったけれど」
「後でお祝いをしましょう」
呂蒙は主に対して微笑みを向けながらまた述べた。
「大喬ちゃんと小喬ちゃんの歌もありますよ」
「はい、任せて下さい」
「歌わせてもらいます」
二人の少女も笑顔で応える。孫権にとっても非常によい流れになった。
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