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ドリトル先生と悩める画家

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第四幕その十

「描くことに神経が集中するね」
「はい、そうなります」
「それもいいんだ」
「僕みたいに描くことも」
「そうだったんだ」
「そうですか」
「いいことだよ、だから今回もね」
 外に出たり描くことはというのです。
「いいよ」
「それじゃあ」
「ただ、休みたいとね」
「そう思ったらですか」
「休むこともいいよ」
 そちらもというのです。
「疲れきって寝るまですることもいいけれど」
「休むこともですか」
「そうしたいならね」
「いいんだね」
「そうだよ、君が思う通りにね」
「成程、そうなんですね」
「縛られない、自由に思うことも」
 そうしたこともというのです。
「いいんだ」
「描かないといけないということも」
「ないよ、安心してね」
「わかりました、そうします」
 太田さんは先生に答えました。
「自由にしていきます」
「そうしないといけないとはね」
「思うことはですね」
「かえってよくないんだ」
「スランプの時は」
「好きだから描く」
「そう考えることですね」
 先生にです、太田さんは応えました。
「じゃあ先生の言われる通り」
「そうしていってね」
「とりあえずは、あと」
「あと?」
「また何かあればお邪魔していいですね」
「うん、いいよ」
 先生はここでも微笑んで答えました。
「何時でもね」
「それじゃあ」
「僕が研究室にいる時にね」
「お邪魔させてもらいます」
「そういうことでね」
「じゃあ講義がありますので」
「うん、今からだね」
「コーヒーご馳走様でした」
 見れば何時の間にです、太田さんはウィンナーコーヒーを飲み終えました。そしてそのうえでなのでした。
 先生に深々と頭を下げてから退室しました、先生は太田さんを研究室のドアのところまで見送りました。そのうえで席に戻りましたが。
 その先生にです、動物の皆が尋ねました。
「先生、いいかな」
「何かな」
「頑張れとは言わなかったね」
 最初にダブダブが尋ねました。
「そうだったね」
「そういえばそうね」
 ポリネシアもそのことに気付きました。 
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