恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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17部分:第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのことその四
第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのことその四
「あと鉈や鋸を使うことが」
「それがどうしてかわからないけれど」
張梁がそんな長姉に対しても突っ込みを入れる。
「とにかく姉さんは妖術は苦手なのね」
「うん、残念だけれど」
「まあ妖術は任せて」
張宝はそれだというのだった。
「そっちはね」
「うん、地和ちゃん御願いね」
「それでこの宝貝だけれど」
張宝はその話もするのだった。
「声を大きくするから」
「じゃあこれを使って歌えば」
「そうよ、かなり派手に声が聴こえるわよ」
張宝はまた張梁に話す。
「それと。後は」
「一ついいことを思いついたわ」
今度は張梁から言ってきた。
「一つね」
「それ何なの?」
張角はそのことも訪ねる。
「人和ちゃん、何を考えついたの?」
「服を変えよう」
こう言うのである。
「変えるっていうか。改造しよう」
「改造?」
「そう。服の色もチェンジして」
それもだというのだ。
「派手にしよう」
「派手にって。今の私達の服は」
張角はここで自分の服を見る。するとであった。
「ううん、確かに何か」
「地味よね」
「そうね、本当にね」
張角は次妹の言葉に自分の今の服を見たうえで頷く。
「普通の服だから」
「これじゃあ人気は出ないから」
「そうだよね。じゃあやっぱり」
「改造ね、ここは」
「よし、だったら」
張宝もそれに乗ってである。こうして今度は服の改造であった。
すぐに服を鋏で切っていく。それもかなり鋭くだ。
張宝と張梁がベッドにいて切っていく。張角はそれを見ているだけだ。
「ちょっと地和ちゃん、人和ちゃん」
「姉さんは見ていていいから」
「鋏使うの苦手よね」
「うん、苦手だけれど」
「じゃあ見ていていいから」
「私達でやるから」
「何かお姉ちゃんだけ除け者じゃない」
それはそれで嫌なのだった。張角も我儘である。
「何かできることない?・・・・・・あっ」
しかしここで黄色い布の切れ端を見つけた。それを髪につけてみてだった。
「どうかな、お姉ちゃんもしてみたよ」
「あっ、いいじゃない」
「そう思うわ」
二人も彼女がそれを髪でリボンにしてみたのを見て笑顔になる。
「髪も飾らないと駄目だしね」
「姉さんはそれでいって」
「うん、じゃあ」
こうしてだった。三人で改造した服を着てみた。しかも色も変えた。
張角はピンクで張宝は緑だった。そして最後の張梁は水色だ。それぞれ色をそうチェンジしてみたのである。
そのうえでお互いを見てだ。笑顔で言い合う。
「似合うね」
「そうよね、前よりずっと」
「いいと思うわ」
「出来上がり」
最後に張角が言ってであった。三人並んでベッドに背中から倒れ込んでだ。そのうえで互いに笑い合って話をするのだった。
「あははははははは」
「これでまずはできたよ」
「後は町に出るだけね」
こう話してであった。その三人は河原に出る。しかしであった。
「ねえ、ちょっと」
「どうしたのよ姉さん」
「ここまで来て」
「この服って」
橋の下に隠れながら妹達に言うのだった。その短いスカートや丸出しの肩を見ながらである。
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