マイ「艦これ」「みほ2ん」
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第16話<市街戦と盾>
前書き
司令は懐かしさに浸るまもなく敵を避けながら故郷の旧市街を走り抜ける。だが敵はジワジワと逃げ道を塞いでくるのだった。
「さあ、ステキなパーティしましょ!」
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マイ「艦これ」「みほ2ん」
:第16話<市街戦と盾>(改2)
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軍用車は旧市街の小川沿いを走っていた。敵に追われていなければ私も故郷の懐かしい景色を、ノンビリと楽しみたいところだが、そうもいかない。
それに今、私の右手の方に夕立のスカートがヒラヒラして、うかつに振り向くことも出来ない。妙な緊張感で私の方が吐きそうだ。
前にいる寛代と日向は退避できそうな場所を探しているようだな。
私は言った。
「この先に商店街のアーケードがあったはずだ」
「アーケード……なるほど」
日向も頷く。
「なぁに? ソレ?」
夕立が聞いてくる。
「屋根のある道路だ。あそこなら少なくとも上空からの目隠しにはなる」
そのときドドドという低音と共に敵機が背後から迫ってきた。黒い機体が2機、急速に接近。
夕立は「ぽい!」と言いながら反射的に体を前方に移動した。入れ替わるようにして銃身を後方へと回す。必然的に夕立は前の座席の間に体を挟まれる格好になった。
「まずい!」
いや、敵ではなく私の目前での夕立の太ももとスカート……私は慌てて制帽を押さえて夕立と反対側から後方を振り返った。
次の瞬間、車の両サイドに稲妻のような閃光が走った。眩しい、目が眩んだ。
同時に左側の民家の軒先が砕かれ、右側の小川の水は蒸発して白煙(水蒸気)が上る。一瞬……それらがスローモーションのように見えた。直ぐに衝撃波が来るが、日向は煽られつつもハンドルを立て直す。
「艦娘に負けず敵も派手だな」
いや夕立の派手さを思えば敵のことも言えないか。
「撃つっぽい!」
言うが早いか機関銃を連射する夕立。
その言葉で私は慌てて片耳を塞いだ。直後、前後のシートに上手く身体を固定した夕立が射撃を開始。発射音と同時に排出される薬莢が車内外にバラバラと飛び散る。一部が容赦なく私にも降りかかる。
さすがに今度の敵機は、さっきより距離もある。また走行中の車体からの射撃では安定性が悪い。揺れる車内から必死に見上げると敵は警戒して直ぐ二手に分かれ後方の視界から消えた。
「簡単には当たらないな」
私が言うと
「チッ!」(ドン!)
片足を床に踏みつけて夕立が舌打ちしている
「え?」
……おいおい、ちょっと怖いぞ。意外な反応だな。
「曲がります!」
そう言いながら日向はハンドルを切った。私は慌ててサイドの手すりを握る。
車はブレーキ音を立てながら高速で右折して駅前通り(商店街)に入った。
今度は前方のアーケード上空に黒い敵機が現れ、ゆっくりと間合いを詰めて来た。
「しつこいな」
「つかまっていて下さい」
日向はそう言ってシフトダウンすると急加速した。
敵機は、また閃光を放ったが、それは後方へ飛び去り車は高速のままアーケードに突入。
「アーケードか懐かしいな」
……と思う間もなく直ぐに停車した。敵機は私たちが出てくるのを待ち構えているのか、上空で不気味に旋回する音が聞える。
日向は寛代に確認を取る。数秒、やり取りがあった後に日向は私のほうを向いた。
「司令、秘書艦より入電。司令と寛代の二人はここアーケードでの下車を……ただ最終判断は司令に一任とのことです」
いきなりで驚いた。だが、さすがは作戦参謀(祥高)だな。躊躇している暇はない。
「分かった」
私の言葉で直ぐに助手席の寛代が下車する。続けて私も降車した。この提案が何を意味しているか……私には直ぐに分かった。艦娘たちも同様だろう。
彼女たちは私の囮すなわち盾だ。
日向と夕立は黙ってこちらを見ていたが直ぐに敬礼をした。私と寛代も下車したその場で敬礼した。
敬礼を直ると日向は微笑みながら言った。
「司令、何かあれば先に靖国でお待ちしております」
「さあ、ステキなパーティしましょ!」
夕立も髪をたくし上げた。
だが私は釘を刺すように言った。
「いや、二人とも必ず生きて戻れ。これは命令だ!」
『ハッ』
二人の返事と共に軍用車は急発進した。上空には敵機の飛行音が響いていた。
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ2ん」とは
「美保鎮守府:第二部」の略称です。
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