ハイスクールD×D/EXTELLA
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旧校舎のディアボロス
シスターとはぐれ悪魔
前書き
すみません。stay nightネタ入ります。
ダメ文ですみません。
棟夜side
一誠が悪魔になって数日が経過したある日。一誠は顔面蒼白で、眉を吊り上げ無言でいるリアスの眼前に立っていた。
悪魔として下積みを終え、本格的に契約を取るようになったのだが、どうやら最初の契約は破談となり終えたそうだ。
「事前代未聞だよ」
木場が苦笑していたな。
聞けば、一誠は魔力が低すぎてジャンプ出来なくて自転車で向かったらしい・・・悪魔になっても前途多難だな一誠。
「イッセー」
低い声音がリアスの口から出る。
「はい!」
「依頼者と漫画のことを語って、それからどうしたのかしら? 契約は?」
一誠は震えながらも経緯を説明しだす。
「け、契約は破談です・・・。あ、朝まで依頼者の森沢さんと、とある漫画のバトルごっこをして過ごしていました!」
「バトルごっこ?」
「はい! ま、漫画のキャラを演じて、お互いの空想の戦いを繰り広げる行為です! じ、自分でも高校生として恥ずかしい・・・いえ、いち悪魔としても恥ずかしいと考えてなりません! 反省しています! すみませんでした!」
謝罪の言葉と共に頭を下げる。
「・・・契約後、例のチラシにアンケートを書いてもらうことになっているの。依頼者の方に『悪魔との契約はいかがでしたか?』って。チラシに書かれたアンケートはこの紙に表示されるわけだけど・・・『楽しかった。こんなに楽しかったのは初めてです。イッセー君とはまた会いたいです。次はいい契約をしたいと思います』・・・。これ、依頼者さんからのアンケートよ」
一誠は目を見開いていた。
「こんなアンケート、初めてだわ。ちょっと、私もどうしたら良いか分からなかったの。だから、少し反応に困ってしかめっ面になってしまっていたのでしょうね」
怒ってはいなかったのか。
しかし、契約が取れなかったのは事実なんだが。
「悪魔にとって大切なことは召喚してくれた人間との確実な契約よ。そして代価を貰う。そうやって悪魔は永い間存在してきたの・・・。今回のことは、私も初めてでどうしたら良いか分からないわ。悪魔としては失格なんでしょうけれど、依頼者は喜んでくれたわ・・・」
ふっと笑みを漏らす。
「でも面白いわ。それだけは確実ね。イッセー、あなたは前代未聞尽くめだけれど、とても面白い子ね。意外性ナンバー1の悪魔なのかもしれないわ。けれど、基本のことは守ってね。依頼者との契約を結び、願いを叶え、代価をもらう。いいわね?」
「はい! 頑張ります!!」
一誠は頷き、やる気に満ち溢れていた。
二日後。公園を散歩していると、一誠がベンチに座り両手で持った紙を見てため息を吐いていた。
「一誠」
「ああ、棟夜か」
近づき声をかけると、少しやつれた表情でいた。
「どうした? いつも以上に元気がないじゃんか。また破談でもしたのか」
「そうなんだ。実はな・・・」
何時もより低い声で話してくれた。
昨日の依頼者との契約が破談。しかも依頼者が筋骨隆々の大漢で、ゴスロリ衣装を着込んでいたと言う。魔法少女にしてほしいと言う内容であったが、不可能だった。
「・・それで、朝方まで一緒にDVDを鑑賞。で、今に至ると」
コクリと頷く。
そして、アンケートには『楽しかったにょ。また悪魔さんと一緒にDVDを見たいにょ』と賛辞を貰っていた。
何か哀れに思えてきたな。
「はわぅ!?」
その時、突然声が聞こえ同時にボスンと路面に何かが転がる音が聞こえた。
振り向くと、そこにシスターが手を大きく広げ、顔面から突っ伏している間抜けな転び方だ。
「だ、大丈夫ッスか?」
一誠はシスターへ駆け寄り、起き上がれるように手を差し出した。
「あうぅ。何で転んでしまうんでしょうか・・・ああ、すみません。ありがとうございますぅぅ」
若いな・・俺たちと同年代か?
一誠が手を引いて起き上がらせる。
-ふわッ-
風が吹き、シスターのヴェールが飛んでいく。
ヴェールの中で束ねていた金色の長髪がこぼれ、露になる。夕日に照らされて光っていた。
そしてグリーン色の双眸がこちらを見てくる。綺麗な金色の髪だな。
俺と一誠とシスターは無言でいた。
「あ、あの・・・どうしたんですか?」
訝しげな表情で首をかしげ聞いてくる。
「あっ。ゴメン。えっと・・・」
「ほいヴェール
「あ、ありがとうございます」
一誠が上手く話せないようなので俺はヴェールを手渡す。
「旅行か?」
「いえ、違うんです。実はこの町の教会に今日赴任することになりまして・・・お二人もこの町の方なのですね。これからよろしくお願いします」
丁寧にお辞儀をする彼女。
今時シスターが赴任なんてするもんだな。
「それで・・・あの、道に迷って困っているんです」
両手の人差し指を合わせ、恥ずかしそうに言う。
結局、俺と一誠はシスターを教会への道案内をすることにした。途中公園の前を横切る。
「うわぁぁぁぁん」
その時、子供の泣き声が聞こえてきた。見ると公園内で男の子が膝を擦りむいてケガをしていた。
「大丈夫、よしくん」
母親がいるから大丈夫だろうかと思っていたが、それを見たシスターが子供に歩み寄る。
「男の子ならこのぐらいのケガで泣いてはダメですよ」
頭を優しく撫で、両手をケガを負った膝へ当てる。
次の瞬間、シスターの手のひらから淡い緑色の光が発せられ、子供の膝を照らし出す。
何だあれ? ・・・まさか神器か?
見れば、子供のケガは消え去っていき、瞬く間に傷が塞がりケガの後が一切残っていなかった。
「はい、傷はなくなりましたよ。もう大丈夫」
シスターは子供の頭を撫でると、振り返る。
「すみません。つい」
舌をだし小さく笑う。
何が起きたか分からず仕舞いでいた母親は、頭を下げると、子供をつれてその場から去っていった。
「ありがとう! お姉ちゃん!」
子供が振り返って手を振って、感謝の言葉を伝える。
「ありがとう、お姉ちゃん。だって」
一誠の通訳に嬉しそうに微笑む。
「・・・その力・・・」
「はい。治癒の力です。神様からいただいた素敵なものなんですよ。・・・そう。素晴らしい」
微笑む彼女だが、どこか寂しそうだった。まあ、普通の一般人にとっては異質な力でもあるからな・・・。
そこで会話が途切れ、無言で教会のほうへ足を向ける。公園から数分移動した先に古ぼけた協会が存在していた。
「あ、ここです! 良かったぁ」
地図に描かれたメモと照らし合わせながらシスターが安堵の息を吐く。
ここで合ってたのか。なら、早々に退散するか・・・隣で一誠が身体を震えさせて表情を引きつらせてるからな。心なしか唇が青ざめているように見えた。
「じゃあ、俺たちはここで」
「待ってください!」
その場を去ろうとした俺たちをシスターが呼び止める。
「私をここまで連れてきたお礼を教会で・・・」
「お礼はいいよ」
「そうですか・・・私はアーシア・アルジェントと申します。アーシアと呼んでください」
「俺は神咲棟夜。トーヤでいい」
「俺は兵藤一誠。俺の事はイッセーでいいよ。よろしくアーシア」
「トーヤさん、イッセーさん。必ずまたお会いしましょう!」
深々と頭を下げるアーシア。
・・・純粋無垢な女の子だったけど、あの寂しそうな引っ掛かるな。
そう思いつつ、学校に向かう。
一誠side
「二度と教会に近づいちゃダメよ」
その日の夜。
俺と悠は部室で部長に強く念を押されていた。部長の表情はいつになく険しい。
結構・・・いや、かなり怒られています。
「教会は私たち悪魔にとって敵地。踏み込めばそれだけで神側と悪魔側の間で問題となるわ。今回はあちらもシスターを送ってあげたあなたの厚意を素直に受け止めてくれたみたいだけれど、天使たちはいつも監視しているわ。いつ、光の槍が飛んでくるか分からなかったのよ?」
・・・マジですか? そんな危ない状況だったのか・・・。
そう言えば、あの寒気は尋常じゃなかった。恐怖しかなかったもんな。
あれが危機感。悪魔としての本能が危険を察知したってことか。
「教会の関係者にも関わってはダメよ。特に悪魔祓いエクソシストは我々悪魔の仇敵。神の祝福を受けた彼らの力は私たちを滅ぼせるほどよ。神器セイクリッド・ギア所有者が悪魔祓いエクソシストなら尚更。それは死と隣り合わせるのと同義だわ。イッセー」
紅の髪を揺らしながら、青い双眸で直視してくる。
「は、はい」
「悪魔祓いを受けた悪魔は完全に消滅する。無に帰すの。・・・無。何もなく、何も感じず、何も出来ない。どれだけのことかあなたたちには分かる?」
・・・無。正直、分からない。
反応に困る俺を見て、部長は首を横に振った。
「ゴメンなさい。熱くなりすぎたわね。とにかく、今後は気をつけてちょうだい」
「はい」
「あなたもよトーヤ。人間としての死は悪魔への転生で免れるかもしれない。けれど、もう少し考えてちょうだい。あなたが悪魔との関係者と思われれば始末されるところだったのよ」
「・・・軽率すぎたよ。今度からは気をつける」
バツの悪い表情を浮かべ、頭をかく。部長に聞いたところ、悪魔と契約を結んだ人間は魂を売ったと思われて、悪魔祓いに始末される対象になるらしい。たとえ契約を結んでいなくても一緒にいるだけでもそうらしい。
そこで俺たちへのお説教が終わった。
「あらあら。お説教はすみましたか?」
「おわッ」
いつの間にか背後に朱乃さんが立っていた。ニコニコ顔で。
「朱乃、どうかしたの?」
部長の問いに朱乃さんは少しだけ顔を曇らせた。
「討伐の依頼が大公から届きました」
棟夜side
深夜。先ほど、朱乃から話を聞いた全員は町外れの廃屋近くに来ていた
「なあ、はぐれ悪魔ってのは何だ?」
一誠の質問に木場が答える。
「はぐれ悪魔は、元々悪魔の下僕だった者のことを言うんだ」
「俺たちみたいなもん?」
「たまに主を裏切り、又は殺して好き勝手に生きようとする連中がいるんだよ。それがはぐれ悪魔さ」
「そのはぐれ悪魔さんが、この先の廃屋で人間を誘き寄せた人間を食べているとの報告がありまして」
「た・・・食べッ」
一誠が表情を引きつらせる。グロ系は大丈夫かな一誠君は?
「それを討伐するのが、今夜のお仕事ですわ」
「主を持たず、悪魔の力を無制限に使うことがいかに醜悪な結果をもたらすことになるか」
制約がなければ悪魔は欲に動く・・・人間と似ているな。
「イッセー。いい機会だから、悪魔として戦いを経験しなさい」
「マ、マジッスか!? 俺戦えないですよ!」
「そうね。それはまだ無理ね」
あっさりと言い渡され、ガックリと肩を落とす。
「一誠・・・別に戦えと言ってるわけじゃないさ。戦いを見ろってことだ」
「トーヤの言う通り。見ることも大切な経験よ。今日は私たちの戦闘をよく見ておきなさい。ついでに、下僕の特性を説明してあげる」
「下僕の特性?」
怪訝な表情を浮かべる一誠に続ける。
「主となる悪魔は、下僕となる存在に特性を授けるの。前に私たち悪魔と堕天使、天使が大昔に三つ巴の大きな戦争をした話を覚えてる?」
「はい」
「三勢力は永久とも言える期間、争い合ったわ。結果、その勢力も酷く疲弊し、勝利する者もいないまま、戦争は数百年前に終結したの」
リアスの言葉に木場が続く。
「悪魔側も大きな打撃を受けてしまい、二十、三十もの軍団を率いていた爵位もちの大悪魔の方々も部下の大半を長い戦争で失ってしまったんだ。軍隊を保てないほどにね」
「純粋な悪魔はその時に多くの悪魔が亡くなったと聞きます。しかし、戦争が終わっても,堕天使、神との睨み合いは続いています。いくら、堕天使側も神側も部下の大半を失ったとはいえ、少しでも隙を見せれば危くなります」
朱乃が続き、リアスが再び語る。
「そこで悪魔は少数精鋭部隊の制度を作ることにしたの。それが悪魔の駒≪イーヴィル・ピース≫」
「イーヴィル・ピース?」
「爵位を持った悪魔は、この駒の特性を自分の下僕に与えているの。主となる悪魔が王≪キング≫。私たちの間で言うなら私のことね。そこから女王≪クイーン≫、騎士≪ナイト≫、戦車≪ルーク≫、僧侶≪ビショップ≫、兵士≪ポーン≫の五つ。軍隊をもてなくなった代わりに少数の下僕に強力な力を分け与えることにしたのよ」
「何でそんな」
「お話し中申し訳ないが、お客さんのご登場だ」
俺の一言に、皆の雰囲気が切り替わった。
「不味そうな匂いがわ。でもおいしそうな匂いもするわ・・・甘いのかしら? 苦いのかしら?」
不気味な声が当たりに響きわたる。
「はぐれ悪魔バイザー。あなたを消滅しにきたわ」
リアスが臆さず言うと、何かが飛んできて近くに落ちる。
ッ・・・女の死体だ。半分に裂かれ絶望に染まった表情を浮かべている。えげつない食い方だ。
そして、ゆっくりと姿が現れ・・・。
「おぉ! おっぱい!」
・・・・上半身裸の女性が宙に現れた瞬間、一誠が胸を見て歓喜の声をあげる。
さっきまでビビってのに、今じゃ鼻の下をだらしなく伸ばし胸を凝視している。エロが恐怖心を上回るって7どういうことよ。
「主の元を逃げ、その欲求を満たすために暴れまわる不貞の輩。その罪万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたを吹き飛ばしてあげる!」
「こざかしい小娘だこと。その紅い髪のように、あなたの身を鮮血で染めてあげましょうか?」
「雑魚ほど洒落たセリフを吐くものね」
「これがはぐれ悪魔・・・ただの見せたがりのお姉さんにしか見えない」
一誠がバカなことを言っていると、暗がりから巨大な下半身が出てきて全体が露になる。
「うぁッ!!」
「さっき言ったろ? 心も肉体も醜悪になるって」
大きさは五メートル程。巨大な腕に獣の下半身、尾は蛇で独立で動いている。
正真正銘の化け物だな、コイツは。
「あんないいおっぱいなのに、勿体ねぇ・・・あ? あれ魔方陣じゃね!?」
直後、バイザーの胸から魔力の一撃が放たれる。攻撃方法も下品だな。
皆が回避してる中、反応に遅れた一誠を部長が抱え込んで回避した。
-ドォォォォッ!-
そのまま壁を直撃し、溶かす。酸か?
「ウワッ! た、確かに化け物だ」
「油断しちゃダメよ。祐斗!」
「はい!」
隣にいた木場が、飛び出す。さっすが騎士。
「消えた!?」
「速すぎて見えないのよ。祐斗の役割は騎士ナイト。特性はスピード。そして最大の武器は剣」
化け物が周囲を見渡す中、懐に入り込んだ木場が目に止まらない速度で剣を振るい腕を斬り落とした。
「ギャァァァァァァァッ!」
傷口から血が噴出し、バイザーの悲鳴が木霊する。
そんな中、小猫が平然と近づく。
「危ない! 小猫ちゃん!」
「チビガァァァァッ!!」
バイザーの顔が醜悪に変貌し、胴が縦に裂け鋭い牙が生え子猫を飲み込む。
「大丈夫」
リアスが言った直後、徐々に口元が開いていき、瞬く間に大きく開いた・・・でも、制服が溶けかかって可愛らしい下着が見えかけていた。
「子猫は戦車ルークよ。その特性はシンプル。バカげた力と防御力。あの程度じゃビクともしないわ」
「・・・・・・吹っ飛べ」
小猫が殴りつけた瞬間、バイザーの身体が言葉通り吹っ飛び柱を叩き折り壁に叩きつけられた。
何事もなかったかのように戻ってくる小猫に近づき俺は制服の上をかぶせる。
「小猫・・・戦車だからといって身体は丈夫かもしれないが制服はそうじゃない。次は最悪裸かもしれないぞ?」
「分かりました・・・・・・次からは気をつけます」
「分かればよろしい」
「・・・・・・♪」
俺が小猫の頭を撫でると気持ちよさそうに目を細めた。
「朱乃」
「はい部長。あらあら、どうしようかしら? うふふ」
笑いながら、倒れたバイザーに近づいていく。その時、木場に斬りおとされた腕が、ピクリと動きリアスに襲い掛かる。
「部長!」
それに早く気がついた一誠が神器セイクリッド・ギアを顕現させ殴り飛ばした。
さっきまで呆けていたのに、よく動けたな。
「あ、ありがとう」
「あー、いえ。身体が勝手にって言うか・・・」
照れる一誠にお礼を言い、朱乃へ命を出す。
「朱乃、やってしまいなさい」
「部長に手をかけオイタするいけない子は、お仕置きですわね」
両手に雷を迸らせ、微笑を浮かべる。
「彼女は女王クイーン。他の駒全ての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」
睨みつけてくるバイザーを見て、不敵な笑みを浮かべる。
「あらあら、まだ元気そうね。ならこれはどうでしょうか?」
両手を天に向けた瞬間、光り輝き雷が落ちた。
「ギャアアアアアアアアアアッ!」
「魔力を使った攻撃が得意なの。雷や炎、氷などの自然現象を魔力で起こす力」
激しく感電し、煙を上げて痙攣するバイザーを見て、頬を紅く染め嘲笑を作り出していた。
・・・やれやれ、また始まった。
「あらあら、まだ元気そう。うふふ」
「何か朱乃さん凄く怖いんですけど!?」
「始まったわね・・・彼女はね、究極のSなのよ」
「どこまで耐えられるかしら! うふふふ」
楽しそうに攻撃を繰り出す朱乃のSには、リアスや木場と俺は苦笑を浮かべていた。子猫はいつも通り無表情で見ている。見慣れてしまったのかもしれない。
朱乃を慕っているやつらが見たら、幻滅でもするのかな?。
「朱乃。そのくらいにしておきなさい」
「もうおしまいなんて・・・ちょっと残念ですわね。うふふ」
リアスに言われ、漸く攻撃をやめ、振り返った表情は愉悦の表情を浮かべていた。
本当に物足りなさそうな感じだ。
戦意を失ったバイザーにリアスが、近づいた瞬間、目を見開き血反吐を飛ばしてきた。
跳び避けた時を狙って、最後の足掻きといわんばかりに飛び掛ってきた・・・俺に。
「シネーーーーー!!」
「避ける必要はねぇよ。子猫下がってろ」
小猫を下がらせ俺は無手で少し変わった構えを構えを取る。牙が当たる直前、俺はバケモノの背後で投影した長刀を振り切っていた。
「秘剣・・・燕返し」
直後、バケモノの体が斬り裂かれ大きな音を立てて倒れこんだ。
「スゲーー! 今の何だ!?」
「ギリギリだけど、一瞬の一振りで二つの斬撃を寸分狂いなく繰り出したんだ」
「うふふ。トーヤ君はお強いですわね」
「トーヤ先輩・・・・・・さすがです」
「眷属にほしい位だけど、残念だわ」
皆がそれぞれ感想を口に出してくれる。
斬り裂かれた遺体をリアスが魔力によって跡形もなく消し飛ばした。
「終わったわ。さあ、帰るわよ」
「「「はい、部長」」」
リアスの言葉で、何時もの陽気な雰囲気に戻った。
歩き出す中、一誠が質問を投げかける。
「あの、部長」
「なあに?」
「それで、俺は? 俺の駒って言うか、下僕としての役割は何なんですか?」
一誠が期待を目に宿すが、リアスはそれを砕いてくれた。まぁ、俺も予測はつくがな。
「兵士よ」
「兵士ってまさか・・・」
「そう、イッセー。あなたは兵士なの」
笑顔で伝え、歩き出す。
容赦ないな・・・。
「・・・・って一番下っ端のアレーーーーーー!?」
一誠の絶叫が響きわたる。
こうして一誠の下僕が兵士と判明し、はぐれ悪魔討伐は終了した。
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