サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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ワタル:「さぁ、
早くモンスターボールを渡せ」
ヒロシ:「、、、」
スッ(ヒロシのモンスターボール)
ヒロシはモンスターボールを取り出した。
すると、、、
カツラ:「待つんじゃ」
ヒロシ:「!」
ヒロシの手を、カツラが止めた。
ワタル:「、、、」
カツラ:「、、、のぉワタルさんよ、、」
カツラは前に出るとワタルに向かって
話しかけた。
ワタル:「、、、なんだ」
スッ(変装をとるカツラ)
ヒロシ:「!」
マリナ:「ちょっと、、」
カツラは船長の衣装を脱ぎ、
ナイトスコープを取り外した。
カンナ:「!」
シバ:「むっ」
姿を露わにしたカツラに、
ワタル達は少し驚きの表情を見せた。
ワタル:「あなたはもしや、、カツラさん」
カツラ:「こうしてちゃんと顔を合わせるのは
初めてじゃが、ワシの存在を頭に入れて
下さっとるのは光栄じゃな、、」
元四天王と元ジムリーダー、立場は違っても
お互いの存在はポケモン協議会を通して
現役時代から把握していた。
ワタル:「、、、驚きました。
サトシ君もそうでしたが、
まさか元グレンタウンのジムリーダーが
我々と相対している敵だったとは、、」
カツラ:「それはお互い様じゃろう。
まさかシルフカンパニーの上層部が
四天王の面々とは、、、。
15年の月日で四天王の名も地に堕ちたの。
もとい、既にその名はないが、、」
挑発混じりに挨拶を済ませたカツラは、
ワタルと話をした。
カツラ:「捕まる代わりに一つだけ
教えてくれぬか?」
ワタル:「、、、」
カツラ:「お主らの考えておる、
カントー新時代計画とは何かの?」
カツラの発言に、場の雰囲気は
緊迫の空気に飲み込まれた。
カツラ:「お主らが何かを企んでおる事は
ワシらも知っておる、、じゃが、
その計画が何を意味しておるのかまでは、
正直言って全くわからんのじゃ」
ワタル:「、、、」
カンナ:「、、いいでしょう。貴方がたが
これから新しい生活(囚役)を送るついでに、
教えてさしあげます」
ワタルの隣でカンナが口を開いた。
カンナ:「”カントー新時代計画”
”paradise of humanity”」
カツラ:「、、、」
フブキ巡査:「パラダイス オブ
ヒューマニティ?」
ヒロシ(人類の楽園、、、)
カンナは話を続けた。
カンナ:「15年前まで、私たち人類は
ポケモンという生き物と共に共存し、
一つの世界を築き上げてきた、、」
カツラ:「、、、」
カンナ:「その世界は誰もが
それぞれの夢を目指し、
誰もが平和に生きていた時代だった。
、、でも、それは”ポケモン”と”人”、
互いの存在がバランスを保っていたからこそ
生きてこれた世界。15年前の事件が
きっかけでそのバランスは崩壊し、
人間が中心の社会を築いた結果
今の世界が出来上がった」
マリナ:「、、、」
マリナは少し睨んだ様子で話を聞いた。
カツラ:「それはここに居る全員が
知っている事実じゃ、、もう一度問うぞ。
カントー新時代計画とは何じゃ?」
ワタル:「口で説明するより、
目で見た方早いだろう、、」
カツラ:「むっ」
ヒロシ:「!」
ワタルの一言で、
ヒロシ達は視線をワタルに向けた。
ワタル:「カンナっ、、時間は?」
カンナ:「、、、9時57分よ」
ワタル:「あと3分か、、」
ヒロシ:「それはどういう意味ですか?」
ワタル:「、、言った通りだ。
口で説明するより、見た方が早いさ」
海の真ん中で停船するサントアンヌ号。
パーティーが開かれているはずが、
ヒロシ達のいる船上は海風も吹かない
静かな夜だった。
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