ハイスクールD×D/EXTELLA
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原作前です。
棟夜side
-ドシンッ!-
「いったぁ!?」
突然走った痛みに顔を顰める! 何だ!? 目を開けてみれば空が見えた。そうやら仰向けに倒れているらしい。周囲には高い木々が多い茂っていた。森に落ちたのか?
立ち上がり服についた細かい葉や土を払い落とす。
「ったくあのクソジジィ。転生させるんならもっとマシな場所にしてくれよ。それに空が紫色って夕方・・・?」
空が紫色? 紫?
もう一度空を見上げてみれば、青い空ではなく紫一色に染まっていた。
「紫ってことは、ここが別世界か・・・いったいどんな世界、ん?」
ふと空から紙飛行機がヒラリヒラリと落ちてきた。なぜに紙飛行機? 手に取ると「開いてみてね☆」と書いてあった。
・・・怪しいが、一応開いてみるか。
紙飛行機を元に戻してみると、裏面に文がかかれていた。
「えー何々・・・『やぁ無事に転生できておめでとう。ここはハイスクールD×Dの世界じゃ。ドラゴンや悪魔と言ったファンタジー要素がたっぷりじゃ。そこで激しい青春を謳歌せぇ。そして得点はFATE/EXTELLAのサーヴァントの能力じゃ。ゲーム風に言えばおぬしのステータスは全てEXクラスじゃ・・・もはやチートよのうww 聖剣エクスカリバー、魔鎗ゲイ・ボルクはイメージすれば顕現することができるぞ。さらにさらに、七つの大罪の団員、バンの魔力、強奪・身体狩り・狩り祭典をオマケとしてつけといたわ。使い方はそのボンクラクソッタレの脳みそにぶち込んどいたぞい。それじゃ、第二の人生を楽しめ小僧。See Yuu again! Good bye! 最後に近くに仮面が落ち取るじゃろ? その仮面で素性を隠しなさい』・・・」
右手に視線を向け、エクスカリバーをイメージし手を握ると、風が右手に収束し始め、少しして鉄の重みが伝わってきた。
「・・・聖剣解放」
そう呟いた瞬間、剣を隠していた風王結界が消え去り、黄金に輝く聖剣エクスカリバーが姿を現した。
「Oh No――――――――ッ!! なんてこったーーーッ! 確かこの原作じゃエクスカリバーは壊れてたってことになってるんだーー! やべー! マジどうしよう~・・・これ絶対面倒くさい事に巻き困れんじゃないかぁ・・・」
聖剣を手放すと虚空に消えたが今はそれでころじゃない!
両手で顔を覆いしゃがみ込む。うわ~・・・なんでこうなるかな。いやね、別に戦いは嫌いではないのよ? これでも死ぬ前にはオヤジから空手や護身術をいっぱい習ったし、軍の訓練所で実地訓練みたいなのやらされたお蔭でメッチャクチャ強くなちゃって。ケンカだって小学校から高校まで一度も負けなしだったのよ? オマケにあのクソジジィが書いてあったとおりステータスが全部EXだったら最強クラス。ギルガメッシュでさえ宝具だけEXだったのに、どうなっちゃうのやら。
・・・でも、平凡な日常にちょっぴりスリルやファンタジー的なことが起きないか思ってたけどさ。
「はぁ~・・・」
やべー。転生早々に何にもやる気が起きなくなった。これで何しろってのよ・・・。
・・・まぁ、落ち込んでてもしかたねぇ。前向きにいくか! そうと決まればこの深い森から抜け出さんと。意気込み歩き出す。ちなみに落ちてたのは普通の仮面ではなく、鬼に近いお面、蘭陵王のお面だった。嫌がらせか? 一応被り森を抜けだすため歩き出す。
しかし、一向に森から抜け出せなかった。
「ここ、どこ・・・あの紫色の空ってことは冥界に間違いないんだけど、この深い森は一体どこまで続いているのよ~・・・」
腹も減ってきたし、マジしんどい。
そん時、僅かに爆発音が聞こえた。
爆発? あっちの方か。音の発生源に向かい歩いていくと、目の前に何かが落ちてきた。
「何だこれ・・・って死体ッ!?」
それは左半身が無くなっている男だった! 思わず後ずさっちまった! でも、背に黒い翼が生えてるってことは、堕天使・・・やばい!
急に寒気が走り、何気なく横に飛び出す。
-ドオォォォォォッ!-
うおぉぉぉ!? 何だ! 攻撃か!?
俺が横に飛び出すとさっきまでいた場所が、爆発によってクレーターになっていた。あぶね~、ほんの数秒でも躱すのが遅かったら、俺の体はバラバラに吹き飛んでたな。
生前の迫撃砲を避ける訓練が役に立つとは・・・何事も経験だな。
オマケに爆風で周囲の木々が吹き飛んでくれたおかげで見晴らしがよくなったな。さて、ここはどこだ『『グゥオォォォォーーーーッ!!』』って今度は赤と白のドラゴンですか。それにドラゴンの視線の先には、天使と悪魔に堕天使が手を組んで戦っていた。
これは、原作が始まる前の冥界だな。確かえ~っと・・・あ! そうだ。地獄の覇権を巡って戦ってた悪魔と堕天使に、二つを滅ぼさんとする天使が襲いかかってきて、長い年月争ってたところに、突然二体の龍が争いを初めた。その被害が三陣営に甚大な被害をもたらして、二体の龍を止めるべく三陣営は停戦協定を結んで、今に至るんだっけ? 途中から読むの忘れちまったからな~。
にしても、拮抗してた戦いが三陣営に不利になってきた。徐々に押され始めている。
ただ、赤と金と黒いオーラを纏った三人とごく少数だけが懸命に闘っている。
う~ん。助けたほうがいいのかな? ぶっちゃけ何か面倒くさい。
考えていると赤い龍が口内に炎を溜め始めた。それに気づいた女の子が防ごうと魔法陣を展開させたけど、白い龍の爪で魔法陣が一瞬で破壊され女の子も傷を負い落ちる。
落ちる女の子に狙いを定めた赤い龍が炎を吐こうとする! やばい!
そう思った時には、勝手に体が動いていた。あーもう! 仕方ねぇ。こうなりゃやってやんよ!!
手を翳し顕現させる!
「軍神剣! マルス!!」
赤、青、緑と三色に刀身が染まった剣が顕現する。刀身に魔力を収束させ踏み込むと同時に一気に解き放つ!
「軍神の剣!≪フォトン・レイ!≫」
龍の腹目がけて突きを放つ。炎を吐く直前で攻撃を受けた龍は吹き飛ぶも直ぐに体制を治して俺を睨んでくるが無視して、小さな女の子を受け止め地面に降り立つ。
腹部に爪で裂かれた大きな傷が目立っている。う~ん、一応お仲間さんに預けよう。
「セラフォルー!」
お。イケメンな男性が飛んできた。お供を連れて。
「傷の手当てを頼む」
そういい女の子を受け渡す。
「あ、ああ」
ん? 何故表情が引きつっているんだ?・・・ああ。お面つけてるからか。忘れてたな。
まぁ今はこのドラゴンの相手か。
『お前か。俺に傷をつけたのは?』
おぉ! 喋った! しかも凄い低い声。そして凄まじい殺気。殺す気満々ですね。
『フン。ドライグ、少しばかり感が鈍ったんじゃないか? スキをつかれて下等生物に攻撃されるとはな』
白い龍の言う通り、腹部に目立った傷が出来ている。
こっちの白いドラゴンも良い声してますね~。使い魔として欲しいけど、原作じゃ倒されてるから、倒しちゃおっと!
『黙れアルビオン。貴様にとやかく言われる筋合いはない。俺の鱗に傷をつけた褒美として一瞬d「グダグダ話してないで攻撃したらどうなんだい? 俺暇じゃねぇんだけど」・・・ッ! なら死ねぇ!」
』
再び赤いドラゴンが炎を溜め、吐き出す。炎を壁化と思わせる巨大な炎は俺を包み込んだ。
サーゼクスside
私たち悪魔は長い間、神に仕える天使と堕ちた堕天使と争い続けてきた。そして三陣営による大きな戦争中に最悪な事態が引き起こった。
二大天龍の赤龍帝ドライグと白皇龍アルビオンが突如争いを始めたのだ。あまりにの強大な力のぶつかり合いは、私たちに甚大な被害をもたらした。
そこで私たちは一時的に停戦協定を結び三陣営で二大龍を倒すことになったのだが、先の戦いの影響か、全く歯が立たない状況だ。
このままではまずい。何か手を打たなければ!
私が対策を考えていると、ドライグが炎を溜め始めた。それに気づいた悪魔の友人、セレフォルーが魔法陣を展開させたが、アルビオンの豪爪により一瞬で破壊され、同時に傷を負い落下していくセラフォルー目がけてドライグが炎を吐こうとしている! マズい!
「軍神の剣!≪フォトン・レイ!≫」
その直後だった。突然の第三者の声。高速でドライグの腹部に当たった謎の光。光りはそのまま落ちてくるセラフォルーの方に向かう直前で光りが消えさり人らしき姿が現れた。セラフォルーを空中で受け止め崖に降り立つ。
「セラフォルー!」
私は友人の安否確認のためと、助けてくれたとはいえ素性の知れない人物に警戒しながら近づく。途中で気が付いたのか振り返った瞬間、私はその場で止まってしまった。
服装は別に何ともないのだが問題は顔を隠している仮面だ。それはあまりにも異形な形をしたお面。それと手に持っている三色に彩られ剣。それが発するオーラーは間違いなく聖剣に近いものだ。だがこのような剣は見たことが無い。
「傷の手当てを頼む」
「あ、ああ」
セラフォルーを受け取る。声からして男だろう。しかもかなり若い。
男はそのままドライグとアルビオンを見る。殺気を向けられているのに恐れている感じが見当たらない。普通なら恐怖のあまり逃げ出すのだが。
ドライグが話している途中で彼はとんでもないことを言った。
「グダグダ話してないで攻撃したらどうなんだい? 暇じゃねぇんだけど」
なッ!? ドラゴンに恐れなく話し出した! 彼の言葉に殺気がさらに膨れ上がり炎が吐き出される!
『死ねぇッ!』
「避けろ! 死ぬぞ!」
私は声を張り上げたが、彼は避けることなく炎に飲み込まれてしまった! ドライグが放った炎は当たり一面焼き払い地面が溶け出している。あの炎を直撃した彼は骨すら残らないだろう。
『フハハハハ! 他愛もない! 下等生物がいきがるからこうなるのだ! さて残った貴s「どこ見てるんだこのバカドラゴン。勝手に死なすんじゃねぇよ」・・・なッ!』
驚愕の声を上げるドライグ。それは私も、いや。おそらくここにいる全員が驚いているはずだ。
ドライグの業火を受けたはずの彼が無傷で立っているのだから。あの業火で多くの仲間や天使と堕天使が焼き殺されたのを見たのだから。
『貴様ッ! どうやって俺の炎を防いだ!?』
「答える義理はない。さてと、今度はこっちから行くよ・・・って言っても面倒くさいから一撃で葬るわ」
剣を逆手に持ち、柄先を天に向けた。
「マルスと接続」
柄先から光りが出ると、そこに巨大な魔法陣が描かれた! なんて膨大な魔力だ!
『あれはマズい! 引くぞドライグ』
アルビオンがドライグに声をかけ逃げ出そうとしたが、彼の攻撃が早かった。逆手から持ち直し剣を掲げる。
「逃がすわけないだろう・・・涙の星、軍神の剣≪ティアードロップ・フォトンレイ!≫」
剣を振り下ろすと魔法陣から巨大な光りの柱が二大天龍を飲み込み、爆発を引き起こした。その威力は計り知れないほどだ。爆発が収まると巨大なクレーターが出来ていた。その中心部にすでに息絶えたドライグとアルビオンが横たわっていた。
「おー。初めて使ってみたけどすげぇー威力。ドラゴンが死んじまってる。さすが宝具」
宝具。聞きなれない言葉だが、助けてくれたお礼をしなくては。
彼に近づこうとした時、彼の足元に魔法陣が現れて光り出した! まさか転移か!? 急いで向かったが、惜しくも転移の方が先に発動してしまい彼の姿が消え去った。
棟夜side
ふぅ~、恐れ入った。まさか宝具がここまでの威力だったなんて。ゲームとじゃ比較にならないな。さすがだ。
『お~い。聞こえとるか棟夜よ』
ん? 突然頭に聞きなれた声がした。この声って確か・・・。
「俺を勝手に転生させたクソジジィか。一体何の用だ?」
『だから・・・はぁ。まぁよい。随分と楽しんどるようじゃが原作前に転移させてしまってすまなかったな。今からでも冥界から地上に転移できるがどうする?』
「するに決まってるでしょ? 後ここでの・・・」
『わかっとる。いろいろ手を回す・・・あと数秒で転移できるぞ』
早くねぇか? まぁ遅くなるよりかはマシか・・・これで落とし穴とかだったらマジで殺す。
って心配したけど普通に転移した。
・・・良かった。
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