転生とらぶる
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ガンダムW
1695話
え? マリーメイア? 何でこの艦にいるんだ?
それが、俺の正直な気持ちだった。
何故なら、そもそも俺がこの艦を調べるように要望されたのは、あくまでもこの艦が5隻の中で最もマリーメイアやデキムといった財団連合の重要人物がいる可能性が少なかったからだ。
どの艦が怪しいのかというのは、それこそ戦闘の時の艦の並び方から推測したのだろうが……なるほど、その点ではデキムの方が一枚上手だったか。
マリーメイアがいるというのを、財団連合……特にバートン財団の者の士気を高める為に示す必要があった。
だが、そうなれば当然自分達が狙われる可能性が高い訳で……その為に、5隻の艦の中でも重要ではないと思われる場所に自分達の艦を配置したのだろう。
自己保身に関しては、デキムもなかなかやるな。
それはいい。それはいいんだが……
「さて、一体これからどうしたものかな」
マリーメイアがいる以上、確保するのは絶対だろう。
だが、それを俺がやってもいいのか?
かといって、今の時点でトレーズ派の兵士を呼んでくるにも、この艦にマリーメイアがいるという証拠がない。
まさか、スライムを使ってマリーメイアの存在を確認したとは言えないだろう。
……結局俺が動くのが一番手っ取り早いか。
幸い、マリーメイアがいるのがどこなのかは、スライムでしっかりと確認済みだ。
ここで下手に時間を使ったりしたら、それこそマリーメイアやデキムが脱出艇で逃げ出す可能性もある。
まぁ、MDとMSのほぼ全てを破壊され、トレーズ派に軍艦の周囲を囲まれている以上、脱出艇で逃げてもすぐに見つかるだけだが。
折角なんだし、ここでマリーメイアを救出しておくか。
今の俺はムウだが、この件が後々トレーズに対する貸しになる可能性も十分にあるか。
となると、マリーメイアを助けたのが俺だと、そうトレーズに伝わるようにしておいた方がいいかもしれないな。
そんな事を考えていると……ふと、スライムがマリーメイア達のいる部屋の様子について第3者の声を聞き取る。
『いいか、トレーズ派の者達がここまで来るのはそう遠くない筈だ。この部屋には扉は1つしかない。つまり、その瞬間に攻撃すれば向こうは回避出来ない』
『分かっています、デキム様』
なるほど。兵士の姿を全く見かけないと思ったら、自分達の護衛として一ヶ所に集めていたのか。
戦力の集中というのは、そう悪い話ではない。
ましてや、扉という狭い場所に攻撃を集中して回避を不可能にするというのは、中々に上手い手だろう。
何だかんだと、デキムも結構やるな。
もっとも、それも全て他の者はどうなってもいいから、自分の命だけは何とかして守りたいと、そう思っての行動である以上、色々と残念なところが多いが。
まぁ、俺がやるべき事は変わらない。変わらないんだけど……厄介な場面が多くなってしまう。
デキムやマリーメイアの近くに兵士がいる以上、迂闊に銃撃とかは出来ないし、させられもしない。
下手をすれば、デキムはともかくマリーメイアに命中してしまう可能性は決して否定出来ない為だ。
そうなると、スライムでも使うか?
いや、もしスライムを使うと、事情に詳しい相手にとってはバルジの件を思い出させる可能性がある。
そうなると、無難なのは最初にマリーメイアとデキムを確保して、その後に兵士達を銃撃か何かで一掃する方法か。
多少面倒だが、それが一番確実で手っ取り早い。
そんな風に考えながら、スライムを収納して通路を歩く。
デキムが兵力を集中させたおかげで、通路で兵士と遭遇する事はない。
恐る恐るといった感じで出歩いている者もいるが、俺を……仮面を被っている俺を見ると、そのまま慌てて部屋に引っ込む。
……そんなに怪しいか? いや、怪しいか。
でも、ゼクスの例もあるんだし、そこまで怯える必要はないと思うんだがな。
俺の顔だって、ゼクスと同じ……とまではいかないが、それでも宇宙ではそれなりに知れ渡っているんだし。
まぁ、いらない騒動を引き起こされないのは、こっちとしても助かるけど。
そんな風に考えながら、通路を歩き……やがて目的の場所、デキムとマリーメイアがいる部屋の前に到着する。
見えない程に細くなったスライムを伸ばし、部屋の中の様子を探る。
『いいか? もう敵は扉のすぐそこまで来ておる。それぞれ、しっかりと準備をしろ』
聞こえてくるデキムの声。
もう俺が部屋の外にいるのは分かっているらしい。……恐らく監視カメラの類だろうが。
その類の物があるのは、前もって理解していた。だからこそ、こうしてスライムを目に見えない程度まで細くして使用しているのだから。
そんな風に考えながら、俺は次に自分がどうするべきかを考える。
デキムとマリーメイアの2人を最初に確保する以上、まずはどうやってでも部屋の中に入る必要がある。
いや、全員を殺すのであれば、それこそ混沌精霊としての力を十全に発揮して銃弾とかが雨霰と降り注いでも全く問題なく行動する事が出来るんだが……
兵士はともかく、デキムとマリーメイアは生かして捕らえる必要がある以上、そんな真似は出来ないしな。
となると……やっぱり向こうの意表を突くしかないか。
だとすれば、俺がやるべきなのは……ふむ、あれが使えるな。
空間倉庫の中からとある物を取り出し、手に取る。
そうして扉の前に移動すると……そっと、それでいながら中にいる連中には分かるように扉を開ける。
幸いと言うべきか、この扉は勝手に開く扉ではない。
いや、デキムの趣味を考えると、意図的に人が自分で開けるような設計になっているのかもしれないな。
ともあれ、そっと扉を開け……それと同時に、部屋の中で殺気が高まるのを感じる。
それでも銃を構える音の類を殆ど出さないのは、大分鍛えられている兵士だという証拠だろう。
考えてみれば、この船にはデキムとマリーメイアが乗っているのだ。
当然それを守る為に乗っている人員も、精鋭だろう。
地上で俺が戦ったバートン財団の兵士も、かなりの精鋭だった。
そう考えると、意外とデキムには兵士を鍛える素質があったのかもしれない。
いや、デキムが直々に兵士を鍛えるような真似をするとは思えないから、実際にはデキムの部下が……バートン財団の軍事部門の人間が、と言うべきか。
ともあれ、数cmだけ扉が開いたところで、そこに空間倉庫から取り出した物を投げる。
手を離してから1秒で起動するように設定されたそれを部屋の中に放り投げた瞬間、扉を閉める。
同時に銃声が響くが、手動で開く扉でもデキムとマリーメイアの避難していた部屋だけあって、防弾なのだろう。弾丸が扉を貫く事はなかった。
そして次の瞬間には部屋の中から悲鳴が聞こえてくる。
扉を閉めているから俺には全く問題がなかったが、俺が入ってくると感じていた兵士達にとってはまさに地獄の苦しみだろう。
改めて扉を開けると、部屋の中では兵士達が目を押さえて転がり回っている。
……まぁ、閃光弾……いわゆるスタングレネードとか呼ばれてる奴を間近で食らったんだから、当然だろう。
せめてもの救いは、普通のスタングレネードは閃光の他に強烈な音も鳴るのだが、これは純粋に光だけのスタングレネードだった事か。
ともあれ、いかに銃火器で武装していたとしても、スタングレネード1発で全員が戦闘不能になってしまうのは……向こうにとっては卑怯だと言いたいかもしれないが、これが戦争である以上は本物の手榴弾を放たれなかっただけ助かったと思って欲しい。
もっとも、軍艦ではあっても宇宙船の中で迂闊に銃火器を使うのは危険だ。
ましてや、それがより威力の強い手榴弾であれば、更に予想外だったのだろう。
勿論、俺もそれを狙っての行動ではあったのだから、想定内の出来事なのだが。
……さて、それはともかくこの兵士達をどうしたものか。
いっそ全員殺してしまえば後腐れはないんだが、マリーメイアにトラウマを植え付ける可能性もあるんだよな。
戦争というのが……殺し合いというのがどのようなものなのかを直接見せるのもいいかもしれないが、トレーズに恩に着せるという考えでいくとここでトラウマを植え付けるのは面白くない、か。
なら、気絶して貰った方がいいな。
暴れ回っている男達に近寄っては軽く手を振るって意識を奪っていく。
スライムを使えばあっさりと全員の意識を奪えるんだろうが、デキムとマリーメイアがこの部屋にいた事を考えれば、間違いなく監視カメラの類はどこかに仕掛けられている筈だ。
映像データに、その辺りの情報は残したくない。
そうして素早く動きながら次々に意識を奪うと……部屋の中には、三十人を超える兵士が床に寝転がる事になる。
うん? 三十人? この軍艦に乗っていた兵士だとすれば、数が少ないような気がするけど……ああ、でも元々バートン財団は人数が少ないのか。
他にも色々と兵士を回す必要があるし、MDを指揮する必要もあると考えれば……このくらいで普通なのか?
もしかして、俺が思ったよりもバートン財団の兵力は少なかったのかもしれないな。
元々原作のバートン財団は、ホワイトファングやトレーズ派、財団派……そういう兵士達を受け入れて、それでようやく軍隊として見られる数になった。
そう考えれば、X-18999コロニーでの戦闘でもそれなりに兵士を消耗したし、更に逃亡生活に入ってからは迂闊に兵士を集める事も出来なくなった。
だとすれば、この程度の兵士でも十分一線級だったと考えてもいいのか。
ともあれ、全員気絶させてしまった以上、もう気にする必要はないか。
そうして兵士を全て無力化した後で俺が向かったのは、当然のようにバートン財団の重要人物、デキムとマリーメイアだ。
「うおおおおおっ」
「目が……目がぁっ!」
デキムとマリーメイアの2人は、当然ながら揃って目を押さえて床を転げ回っている。
バートン財団を率いている者と、その象徴として育てられた者だとは思えない。
取り合えず、放っておけば何かをしでかしそうなデキムの方は、あっさりと意識を奪う。
そうして残ったのは、目を押さえて床を転げ回っているマリーメイアのみだ。
「ほら、行くぞ」
「だ、誰ですか!? 離しなさい、無礼者!」
急に引っ張られた為だろう。マリーメイアが叫ぶ。
「そうだな。俺はお前に……バートン財団にもトレーズの血筋にも全く敬意を払っていない。そういう意味では無礼になるんだろうな。だが……今のお前にどんな力がある? ただの子供が……それもろくに周囲の状況を確かめる事も出来ないような奴が」
「っ!? 何を言ってるのです。いいから、離しなさい!」
何とか俺の手から逃れようと暴れるマリーメイアだが、こんな子供の力で俺の手から逃げられる筈もない。
散々暴れ回り……そして数分も経てば、大人しくなる。
体力が限界なのか、それとも単純に自分の力では俺の手から逃れる事は出来ないと悟ったのか。
その理由がどうあれ、今のマリーメイアにとってどうしようもないのは事実だった。
「貴方……一体誰なのですか」
「目が見えるようになれば、すぐに分かるんだけどな」
このW世界においても、仮面を被っているような奴なんてそうそういない。
ましてや、俺の……いや、ムウの名前は間違いなくバートン財団にも知られている筈だ。
「嘲笑する虐殺者……それが俺だ」
「……」
その言葉にマリーメイアが黙り込んだのは、俺の言葉に何かを感じたからか。
普段であれば嘲笑する虐殺者と聞いても、そこまで怯えるような事はないだろう。
だが、俺はこの部屋にいた兵士全てをあっさりと無力化したのだ。
そうである以上、嘲笑する虐殺者という名前にもマリーメイアは冗談とは思えないだろう。
まぁ、それもこれも、マリーメイアがこの年齢にしてはそれなり以上に頭がよければ、の話だが。
「ともあれ、お前は俺に捕らえられた。けど、安心しろ。お前の身柄はトレーズ派に……お前の父親を信望している奴に渡すからな」
「……貴方はOZの兵士ではない、と?」
「そうなる」
「……エンデュミオンの鷹……」
ここまでの会話で俺の正体に当たりを付けられるのは、優秀な証だろう。
ともあれ、大人しくなったマリーメイアの手を引き、意識を失ったデキムを連れて俺は格納庫に向かう。
幸いにも、途中で兵士と遭遇する事はないまま、格納庫に到着する。
視線を向けると、格納庫の中では整備兵達が怯えてミロンガ改から距離を取っている。
そして整備兵に武器を向けているのは、俺と一緒に格納庫に入ってきたトレーズ派のMS。
そのまま2人を引き渡すべく、俺はトレーズ派のMSの下に向かうのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1155
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1333
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