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勇者指令ダグオンA's どっこい

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第二十二話 大地の災難



本日の南家の庭

珍しく楓軍団(楓、大地、スバル、シズマ、舞人)が顔をそろえて何をやっているかというと・・・

「家の修繕です」

大工の棟梁のコスプレを披露する楓。



第二十二話 大地の災難




本日楓軍団が集まったのは、はやてが力諸共破壊した家の修繕だったのだ。

最近では楓が建てなおしているのだ・・・その理由は・・・

「自分でやればタダなんで♪」

「お前、絶対時空管理局や勇者廃業しても生きていけるだろ」

単純明快な理由を述べる勉強以外は何でもできる楓にもっともなツッコミをするシズマ。

すると

「楓さんこっちはこれで良いかな?」

丁寧に材料に色を塗る舞人。だが気になる事が・・・

「あれ?屋根は誰がやるんだい?」

「ああそれですか?大地に頼みました!今スバルが接着剤を持って行ってくれてて」

そう言っていると何故か大地とスバルが手を繋いで庭に現れたのだった。

「どうしたの二人とも~まさか見せつけてくれてるの~♪」

「「・・・絶対に違うと思う」」

茶化す楓にシズマと舞人はしかめっ面の大地と困った顔のスバルの様子を見て違うと感じると二人は重い口を開いた。

「・・・実は・・・」

「・・・離れないんだ」

「「「離れない!?」」」

二人の言葉に仰天する楓達。試しにシズマと舞人が引っ張ってみるが全然離れない。

どうも仮止め用の接着剤を持って梯子を上ってきたスバルが落っこちそうになったところ大地が手を掴んで助けたその時・・・持っていた接着剤がその掴んだ手にかかってしまったのだった。

「けど接着剤でこうなる?」

「・・・まさか」

舞人の疑問に心当たりがある楓が部屋に行くと危険マークの書いてあるビンの中が空っぽになっていた。

「楓・・・それは」

「これ・・・私がラジコン大会用の機体に使おうと思ってたミツキさん特製の檄強力接着剤じゃん・・・」

優勝賞金目当てで参加しようと目論んでいた楓。お題はラジコンヘリの大会であった為いかに軽く丈夫にするためにミツキに細かい部品でも協力にくっ付けることができる特注の接着剤を頼んでいたらしい。

一度くっ付いたら離れないような作りであり楓をもってしても扱いには十分注意が必要だった。

「でも大丈夫!間違ってつけてしまった時の為に中和剤が・・・」

楓が中和剤を取り出そうとするがどこにも見当たらない・・・その理由は・・・

「あ・・・そうだ切らしちゃってたからミツキさんに頼んでたんだ」

と言ってミツキに連絡すると・・・

『ごめ~ん楓さん!今ちょうど切らしちゃってて』

「ええ!大地がピンチなんですけど!」

『この間結構使っちゃったから~今作ってる最中で~『姉貴~中和剤余ってるけど』ふん!!』

『こら!接着剤をかけるな!中和剤!!』

何か音とユウの悲鳴が聞こえたが聞かなかったことにした楓。

『とりあえず~一週間待ってね~』

といって通信を切ってしまうミツキだった。

その結果を聞いた大地は・・・

「い!一週間」

「うわぁ・・・大変なことになっちゃったねぇ」

動揺しまくる大地に対して特に気にした様子の無いスバル。

「大地・・・頑張って」

「て!貴様!風呂はどうするんだ!?風呂は!!」

「適当に頑張って・・・」

完全に投げやりになった楓だった。

そんなこんなでこの状態じゃ戦力にならないのでマイホームであるボロアパートに帰ることになった大地とスバル。

「やっぱ目立つよねこれ・・・」

「・・・ああ」

「・・・はぁ・・・一週間大地とお風呂一緒か・・・」

「ちょっと待て!何でそう言う発想になる!!」

「だって手つないだままじゃ一緒にお風呂入るしかないじゃん・・・大丈夫大丈夫♪背中くらい流してあげるから♪」

「そう言う問題じゃねえ!!」

「大地なんて弟みたいなものだし~綺麗に洗ってあげるよ~後ろから前から~」

この時大地はオスになってしまうのではと恐れるのだった・・・という訳で戦力外になってしまった為に帰ることになった大地とスバル・・・その途中だった。

スバルが道端で何かを見付けた。

それは・・・

「にゃ~」

それはそれは可愛らしいニャンコだった。

あまりの可愛らしさにスバルが近づこうとするが何故か前に進めない・・・その理由は・・・

「ちょっと大地!ニャンコだよ!」

何故か鉛のように重たくなっている大地。その理由は・・・

「あっそ・・・一つ明かす・・・ダメ・・・俺猫嫌い」

子供の頃に猫に引っかかれてから猫が嫌いになった大地。

「そっか・・・じゃティアはダメか」

「何でそう言う発想になるの!!」

「いやぁ~大地が人間らしくなるかな~と思って♪」

力の子孫の癖に超絶的に気難しい大地。

性格を少しでも丸くするために世話を焼きたいのかスバルは交友関係を広げようと奮闘している。

だが偏屈人間の大地を丸め込もうとするのは骨が折れるようだ。

再び帰路につく大地とスバルだがスバルがある事を思い出しある店によった・・・それは・・・

「何で!?こういうとこくるの!!」

何故かランジェリーショップに来た大地とスバル。

「いや~こういう所で一緒に買い物すれば大地の性格が少しは丸くなるかな~と思って~こういう所の方が喜ぶんじゃないかな~」

「逆効果じゃ!!」

南家伝統の女性恐怖症の大地・・・だがスバルに強引に連れて行かれると店員さんに・・・

「すみませ~ん♪何かとても刺激的な奴ありませんか!彼とても刺激的なのが好みで♪」

「でしたら~こちらはいかがですか?」

何故か知り合いの眼鏡の女狐にとっても似ている店員さんが出したのはとても表現できないようなデザインのものだった。

「なぬ!?」

「わぁ~可愛い~大丈夫だって後で見せてあげるから♪」

大地相手に恥じらいと言う概念が何のか飄々としているスバル。

「・・・貴様これ以上俺の苦しみをえぐるな・・・」

お会計を済ませた後何やかんやで再び帰路についた大地とスバル。

すると再びスバルが何かを見つけた・・・それは・・・

「あ!わんこ!!」

あまりの愛らしさに駆け寄ろうとするスバルだが・・・また何故か前に進めない・・・その理由は・・・

「大地?」

「・・・もう一つ明かす・・・ダメ・・・俺犬嫌い」

子どもの頃に尻を噛まれてから犬が嫌いになった大地。再び鉛のように重くなったのだ。

するとスバルは・・・

「ねぇ・・・大地って甘い物以外に好きな物あるの?嫌いな物ばっかじゃん」

あまりにも嫌いな物が多すぎる大地に驚くスバルだが・・・ここで大地の爆弾発言が・・・

「・・・俺はそもそも人間が嫌いだ!!」

「・・・そこまで偏屈だったんだ・・・」

理由を聞いてみると子供の頃に関わった人間が嫌な奴しかいなかったので嫌いになったらしい。

孤独な方が良いという大地の固くなった心は余程のことが無いと解けないらしい。

「・・・だから最初に会った時あんな偏屈だったんだ」

「・・・出来るだけ人と関わることは避けるようにしてるんで・・・」

「ふふ・・・」

「何笑ってるんだよ?」

「大地の本音が聞けたから一歩前進だね♪」

スバルの考えに着いていけない大地。

毛嫌いしている他者との交流・・・相手がスバルだとそこまで悪くはないと思う大地だった。

そんなこんなで我が家に帰った大地とスバル。

だが大地は思わなかった。一週間の地獄の日々に・・・

一週間後

建て直した家にようやく届いた中和剤で大地とスバルの手に塗っていた。

「それで?どうだったの一週間?」

楓の言動に凄まじくやつれている大地。

「まぁ~お風呂は一緒だったしね~」

「目隠ししてただろうが!!」

「いやぁ~何か途轍もなく背徳的な興奮を覚えそうになったな~」

「お前絶対わざと言ってるだろ!」

スバルに怒り心頭の大地・・・そしてとうとう・・・

「「取れた!」」

中和剤のおかげでようやく手が離れた大地とスバル。流石に一週間は辛かったらしくお互いにホッとしたようだ。

「いや~良かった良かった~」

ウンウンと頷く楓。だが残念そうである・・・何故なら家を建て直した後暇だったので特注のベビーカーを作っていたからだった。

そんなこんなでボロアパートに帰ってお疲れ様~のスイーツパーティを始める大地とスバル。

すると

「宅急便で~す」

突然荷物が届くとスバル宛ての小包だった。

「あ!ミツキさんに頼んでいた奴だ」

中を開け取り出したのは犬耳のカチューシャでそれを装着するスバル。

そして・・・

「ほら大地~犬だよ~」

「お前どういう了見じゃ!!」

「いや~人間状態からの方が慣れるかな~っと思ってミツキさんの特性チューンだよこれ~」

そうしてスバルの意志に合せて蠢く犬耳。

「それで慣れれば苦労しない!!」

「そっか・・・もっと真に迫った方が良いか」

そう言ってスバルが取り出したのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「アホかあああ!!お前俺をどういう趣味の人にしたいんじゃあああ!!!」

一線を越えることは無かったが・・・この後大地は犬嫌いだけでも克服するべく特訓するのだった。

大地の苦労はまだまだ続くのであった。



 
 

 
後書き


拙者浪人・南力之介!今回もまた時代劇のノリになりました!岡っ引きの飛鳥乃進、用心棒の北斗、どこかの国の若様で遊び人の西紋ノ上、からくり人形師の楓、蕎麦屋さんの光太郎。今日も愉快なお江戸の町で楽しくやります!

次回!勇者指令ダグオンA’s どっこい お江戸だよ全員集合

力之介
「ゲストの方の職業は何になる?」

飛鳥乃進
「いや・・・ゲスト出していいのか?」
 
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