恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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118部分:第十一話 孔明、世に出るのことその四
第十一話 孔明、世に出るのことその四
「どうやらな」
「それは大変なのだ」
それを聞いた張飛はすぐに動いた。そしてである。
そのまますぐに関羽をおぶった。そのまま歩きだす。
「鈴々がおぶるのだ。大丈夫なのだ」
「いいのか?」
「いいのだ。愛紗は鈴々のお姉さんなのだ」
こう言ってであった。
「だから気にすることはないのだ」
「済まないな」
「だからそんな言葉はいいのだ。では行くのだ」
「そうだよな。まずはこの森を出ような」
馬超がここで言った。
「このままここにいてもまた誰か怪我するだけだからな」
「そうだよね。じゃあ鈴々ちゃん」
馬岱は関羽をおぶる張飛に対して言った。
「行こう、この森を出よう」
「わかったのだ」
こう話して先に進む一行だった。そして森を出るとだ。向こうの山の頂きに家が見えた。静かな大きい屋敷である。
「民家だね」
「あそこならお薬があるかも」
キングと舞がその屋敷を見て言った。
「それなら今から行くか」
「あそこまでね」
「はい、それがいいと思います」
ナコルルも二人の言葉に対して賛成して述べた。
「このままですと関羽さんの足も治りませんし」
「よし、ではあの屋敷に行こう」
趙雲も言った。
「あそこにな」
「それでナコルルさん」
「はい」
ナコルルは今度は香澄の言葉に応えた。
「少し見てくれますか?」
「わかりました。ママハハ」
右肩に停まっているママハハに声をかけてであった。
そのうえでママハハを飛ばしてその屋敷を見た。その結果山賊やそういった類のアジトではないことはわかった。そこにいたのは。
「女の子がいるだけらしいです」
右肩に戻ってきたママハハの言葉を耳元で聞いてからの言葉だった。
「どうやら」
「女の子だけ!?」
「それだけなの」
「はい、そして奇麗な女の人もいるそうです」
こう馬超と舞に答えたのだった。
「行かれますか?」
「仙人なのでしょうか」
香澄はナコルルの話を聞いてまずはこう思った。
「そしてそのお弟子さんでしょうか」
「有り得るな。しかし仙人なら余計に好都合だ」
趙雲はその話を聞いて述べた。
「では行くとするか」
「はい、それじゃあ」
「今から」
ナコルルと香澄が頷く。こうして一同はその山の頂にある屋敷に向かった。
門の前に来て声をかける。
「誰かいないのだ?」
「すいません、おられますか?」
関羽をおぶっている張飛と香澄が言った。
「よかったら御願いするのだ」
「怪我人がいます」
「はい?」
それに応えて出て来たのは一人の少女だった。淡いピンクのワンピースの上着に青いミニスカートはどちらもひらひらとしている。紫のケープにも似た羽織っている服の淵にも白いフリルがある。ストッキングも白だ。首筋の鈴が可愛らしい。頭には緑のリボンがある紫のベレー帽がある。
金髪をショートにしており幼い顔立ちをしている。しかしその顔は楚々としておりまだ幼いながらも賢そうな印象を与える。気弱そうであるがその青い目の光も実にいいものである。
小柄でまだほんの少女である。その少女が一行の前に出て来たのだ。
「はわわ、皆さん随分多いですね」
「何だかんだで増えたのだ」
張飛がこう話したのだった。
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