ドリトル先生と悩める画家
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第二幕その一
第二幕 美術館で出会った人
先生が王子と一緒に美術館を巡った日の夜です、トミーは先生に晩御飯の時にこんなことを言いました。
「あの美術館も凄いですよね」
「規模も大きくてね」
「色々な芸術品がありますね」
「だから見応えがあるんだ」
先生は晩御飯を食べつつトミーに答えました、揚げとエリンギやしめじ等をとろりと炒めたものにほうれん草のお味噌汁と若芽と胡瓜の酢のものが食卓にあります。
「あそこもね」
「図書館、博物館、鉄道博物館もあって」
「動物園、水族館、植物園、劇場とね」
「八条学園は本当に設備が充実していますね」
「敷地が桁外れに広いしね」
そうしたものが全てあってそのうえでキャンバスもあるのですから。
「だからね」
「美術館もですね」
「広くてね」
「色々な芸術品がありますね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「ああしてね」
「それで今日は王子、動物の皆とですか」
「行っていたんだ」
「浮世絵を観て」
「他のものも観ていたよ」
浮世絵以外の芸術作品もというのです。
「そちらもね」
「ルネサンス時代の芸術作品も」
「それもね」
「確かボッティチェリもありましたね」
「ボッティチェリの作品は結構紛失してるけれど」
先生はこのことはとても残念なお顔で言いました、晩御飯は美味しいですがこのことは残念に思うのでした。
「奇跡的に紛失を免れて世に隠れていた作品がね」
「発見されてですね」
「あの美術館にあるんだ」
「何点も」
「そう、ボッティチェリ自身が燃やそうとした作品を心ある人が密かに守っていたんだ」
そのルネサンスの時代にでる。
「それが手に入ってあそこに保管されていて」
「他にもですね」
「ローマが無茶苦茶になった時も」
当時の戦乱の中で、です。ローマも戦争に巻き込まれたことがあったのです。
「何とか芸術作品を守った人がいて」
「そうした作品もですね」
「あそこにはあるんだよ」
「それもかなり」
「あの美術館にはそうした作品が多いんだ」
「何とか守られた作品が」
「ボッティチェリにしてもね」
トミーにこのことをお話するのでした。
「他にもあるよ」
「そう思うと凄いですね」
「そうだよね」
「それで今日はそちらを巡られたんですね」
「とても楽しかったよ」
先生は学者さんとして言いました。
「また行って芸術学を楽しみたいね」
「うん、いいことだよ」
「そのこと自体はね」
チープサイドの家族が言ってきました、動物の皆はこの時も先生と同じお部屋で一緒にいます。本当にいつも一緒に仲良く暮らしています。
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