恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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109部分:第十話 張飛、また馬超と会うのことその八
第十話 張飛、また馬超と会うのことその八
「それだったら」
「そうなのだ。用心の為に鈴々達が家で張っているのだ」
「ああ、用心棒とかいそうだしな」
張飛と馬超もそうするというのだ。
「だからここは任せるのだ」
「誰が来てもな」
「本当にいいの?」
男の子は二人の言葉を聞いて申し訳なさそうな顔になった。
「そんなことまで」
「いいよ。困った人を助けるのは当然のことだよ」
こう言うのである。
「だからね」
「よし、それならなのだ」
「任せな、悪党退治はな」
こう話してだった。一行は男の子の家に入った。そこはごく普通の民家だった。中には黒髪の楚々とした美女がいて出迎えてきた。
「そうですか、御聞きしたのですか」
「そうなのだ」
「大変だな」
「あの連中借金のカタに姉ちゃんを貰うって言ってるんだよ」
男の子はその民家の中でも話した。
「お金を払ったのに」
「最初からそれが狙いだったんじゃないかな」
馬岱はここまで話を聞いて見抜いた。
「それでお金を貸したとか?」
「だとしたら余計に許せないね」
許緒もその顔をむくれさせていた。
「それだったら」
「どうせすぐに来るのだ」
張飛はこのことをここでも言った。
「その時にギッタンギッタンにしてやるのだ」
「そうだな。そろそろ来るんじゃないのか?」
馬超も言う。
「それじゃあな」
「うん、構えておくかな」
許緒も言った。丁度その時だった。
「やいやいやい!」
「大人しく出て来い!」
聞き慣れたその声だった。
「今度こそまとめて払ってもらうか!」
「いいな!」
「本当にもう来たね」
馬岱がそれを聞いて述べた。
「それじゃあ行こう」
「用心棒は鈴々がやっつけるのだ」
後の三人はというのだ。
「それじゃあ行くのだ」
「おい、用心棒はあたしが相手をするぞ」
「鈴々がやっつけるのだ!」
そんな話をしながら家を出る。するとそこに。
「さあ先生!」
「是非やっておくんなせい!」
「ああ、ほな行かせてもらうで」
紫の長い髪を後ろで束ねている紫の目の強い顔の女だった。不敵な笑みを浮かべ薄い紫の眉の下の緑の目が凛々しい。口は小さく引き締まっている。
胸は白いさらしだけであり下は黒い袴だ。青い上着を袖を通さず羽織っている。そしてその手にあるのは。
「青龍偃月刀なのだ!?」
「ああ、これな」
張飛の言葉に応えて言ってきたのだった。
「結構気に入ってるんや。何か噂で聞く黒髪の山賊退治の女武芸者の話を聞いて撃ちも持ってみたんや」
「そうだったのだ」
「うちの名前は張遼」
自分の名前を名乗ってきた。
「字は文遠や」
「それがあんたの名前か」
「仕事はこうして日銭を稼ぐ剣客をしてるんや」
今度は馬超への言葉だった。
「それで今はこの連中の用心棒をしてるんやけれどな」
「じゃあ先生」
「やって下さい」
「そういうことや。あんた等には恨みはないけれどな」
「相手をするっていうのね」
「そういうこっちゃな」
馬岱に対してもそのまま言葉を返す。
「ほなやろか」
「それなら!」
最初に動いたのは許緒だった。
すぐにその鉄球を振り下ろしてきた。そのまま張遼の頭を砕かんとする。
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