STAR LIGHT
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第一章
STAR LIGHT
その時私は妹と一緒にお家にいたけれど正直落ち着かなかった、それどうしてかというと。
「まだよね」
「あと五分よ」
妹は壁の時計を見て私に答えた。
「十二時までね」
「十二時になったらよね」
私も壁の時計で時間をチェックしてから言った。
「出るのよね」
「そう、合わせ鏡にね」
その用意はしている、私達のすぐ傍に小さな鏡を経たせてそのうえで会わせ鏡にしている。
「悪魔が出るのよ」
「そうよね」
「だからね」
「あと少しでよね」
「悪魔が出るわ」
その鏡にだ。
「それでね」
「悪魔が鏡と鏡の間を行き来する」
「そうするのよ」
「そうよね、あと五分ね」
「五分経ったら」
夜の十二時になればだ。
「鏡出るわよ」
「そうよね」
「それならね」
まさにだ。
「待ちましょう、けれどね」
「こうして待つのってね」
見れば妹も不機嫌な感じだ、待ち遠しいのだ。
「長いわね」
「時間が経つのか」
「あと五分が」
そのたった五分がだ。
「長いわね」
「本当にね」
二人でこんな話をしながらだ、その五分を待った。そそてその五分が経って十二時になるとだ。
悪魔が出るかと思えば。
窓が急に白く輝いてだ、部屋の扉が開いてだった。
タキシードを着て二本足で歩いている人間位の大きさの兎が出て来た、そして部屋の中を見回してこんなことを言った。
「ここじゃないか」
「!?」
私も妹もその兎に思わず聞き返した。
「何、あんた」
「悪魔じゃないの?」
「そう見えるかい?」
兎は日本語で返してきた。
「わしが」
「兎よね」
「そうよね」
私達もすぐに言い返した。
「どう見ても」
「そうよね」
「兎の外見の悪魔かも知れないけれど」
「どっちかっていうとね」
「悪魔じゃないからら」
兎の方も言ってきた。
「それは言うぞ」
「じゃあ何なのよ」
「兎さんが私達に何の用?」
「合わせ鏡してたのに悪魔じゃないって」
「兎さんが出て来るなんて」
「何でよ」
「しかもお部屋の扉開けて」
「人を探してるんだよ」
兎さんは今度はこう私達に言ってきた。
「実はな」
「ひょっとして」
妹は兎さんのその返事を聞いた言った、見れは左目に片眼鏡をしていて頭にはシルクハットがある。
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