詩集｢棘｣

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。ページ下へ移動

< 前ページ次ページ > 目次

桜の下の木洩れ日に

メールなんて来やしない
いつも一人項垂れて
叫ぶ心を押し込める

言の葉の森を彷徨う…
伝えられない想いは嵐のように
胸の中で荒れ狂う…

桜の下の木洩れ日に
君は幽かに翳る蜃気楼
遥か遠く手の届かない君…
心の中…笑ってる…

愛しさは傷となって
君を欲して流離い
太陽さえも霞ませる…

若草の薫る春風…
思い出す君との時は寂しすぎて
流れる雲に嫉妬した…

桜の下の木洩れ日に
一人過ぎ行く今を嘆いてる
還らぬ風色褪せた希望
この世界は…残酷で…

全てが叶わぬ夢ならば
物言わぬ骸と同じ…
この想いは…猛毒となり…

桜の下の木洩れ日は
不意に映す…夢見た未来を…
それはただの…刹那なる幻影…

桜の下の木洩れ日に
君は幽かに翳る蜃気楼
遥か遠く手の届かない君…
心の中…笑ってる…

< 前ページ次ページ > 目次

ページ上へ戻る

感想を書く

この話の感想を書きましょう！

全て感想を見る：感想一覧