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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百八話 プールサイドからその四

「コミュ障害にもなったらしいから」
「相当に傷付いたのね」
「うん、間違いなくね」
 僕はテレサさんにも話した。
「今は大学で楽しくやってるらしいけれど」
「八条大学で?」
「そこの法学部にいるらしいよ」
「あそこの法学部は」
 八条大学法学部と聞いてだ、テレサさんはすぐに言った。
「相当レベル高いわよね」
「八条大学は殆どの学部が偏差値は五三から五八位だよ」
 大体これ位だ。
「けれど法学部と医学部は違うから」
「七十位あるわよね」
「この二つは違うんだ」
 もうレベル自体がだ。
「その法学部に入るだけ努力したんだ」
「そこから」
「凄く馬鹿にされて言われてね、あと毎日ランニングもはじめたそうで」
「太ってること言われて」
「今は相当スリムらしいよ、けれどね」
 先輩は僕にこのことも苦い顔で話してくれた。
「言われたこと、そして言った相手は全員覚えてるらしいから」
「全員なの」
「そう、今も凄い恨んでとにかく太らない様にしているらしいよ」
「摂食障害?」
「そこまではいかないらしいけれど」 
 それでもらしい。
「とにかく毎日走って運動してね、しかも」
「まだあるの」
「ほら、よくあるよね」
 僕は先輩から聞いた話を自分でも眉を顰めさせて言った。
「嫌ってる相手をバイ菌扱いする奴」
「子供でね」
「そういうこともされたらしいから、口が臭いとも言われたそうで」
「じゃあ」
「異常に潔癖症で歯も一日三回磨いて」
「極端ね」
「毎日お風呂にも入るどころじゃなくて」
 そうしたレベルじゃないらしい、話では。
「何かあると手を洗って」
「潔癖症で」
「大変らしいよ、何かあるとその高校時代のこと言って当時言った相手は見ただけで睨んで」
「偏執狂になってるの」
「みたいだよ、話をしてくれた先輩はAさんのことはいい人だって言ってるけれど」
 本当に実はいい人らしい、親切で穏やかでとも言っていた。
「そうした面が出来たそうだから」
「大変なことになってるのね」
「トラウマが出来たんだ」
 Aさんのその心にだ。
「高校時代のことでね」
「それでなのね」
「義和もそのお話を聞いて」
「うん、告白はね」
 それはだ、とてもだ。
「出来ないよ」
「そうなのね」
「ちょっと以上に」
「自分もそんな目に遭ったら」
 先輩がAさんに言われたことらしい。 
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