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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0017話『礼号組、出撃!』

 
前書き
更新します。 

 



大淀と本日の任務を確認しているとある日に突如として足柄が執務室に舞い込んできた。
すわ何事かと思っていたら足柄は執務室の机を叩きながら少し興奮気味に、

「提督ッ! 今月の水上反撃部隊の任務、まだ終わらせていなかったわよね!?」
「あ、ああ。まだそういえばやっていなかったような…大淀、確認をいいか?」
「はい、わかりました」

それで大淀が任務表を確認していると、確認が済んだのか、

「はい。まだ今月の『「水上反撃部隊」、突入せよ!』は完了されていませんね。提督のハンコが押されていませんから」
「やっぱし! ね、提督? よかったら私達礼号組で出撃してきていいかしら!?」
「構わないけど………大丈夫か? 少し興奮気味だけど」
「もう全っ然大丈夫よ! だってこの世界に来てからまだ本格的に戦闘をしていないからどんなものなのか試せていないのよ。
定例通りなら来月には深海棲艦が活発になって攻めてくるでしょう? だから腕慣らしにこの世界の深海棲艦を屠ってくるわ!」
「そうか、わかった。確かにこの世界ともとの世界との基準も確認しないといけないとは思っていたからちょうどいいかもな。よし。足柄、見事勝利をしてきなさい」
「わかったわ! というわけで大淀を借りていくわね!」
「あっ! ちょっと足柄さん! 先にもう一人の私に引継ぎをさせてください!」

大淀の手を引っ張りながら足柄は「午後には出撃してくるわ!」と言って執務室を出ていった。
でも出ていく前に「後一人随伴艦は照月なー」と言っておいた。
するとすぐに「分かったわ!」という返事が聞こえてきたのでよかった。
しかしそんな光景を見て、

「…やっぱり足柄は飢えているなぁ」
《そうですね、提督》

と、私は思った。
榛名も出て来て同じように同意してくれたのでよかった。
そしてまぁ、そんなところも足柄の魅力なんだから仕方がないとも思っていた。










「…さて、提督の許可ももらったわ。朝霜、清霜、大淀、そして霞ちゃん! 礼号組、出撃よ!
今日は照月ちゃんも一緒に着いてきてくれるから安心していいわ!」

足柄が元気に集まった礼号組と照月を見て宣言していた。
そんな足柄を霞は呆れた顔をしながら、

「また私達をそっちのけにして勝手に決めちゃって…」

と、愚痴を零す。
そこに清霜が、

「まぁまぁ霞ちゃん、いいじゃない? 足柄さんの無茶ぶりはいつもの事でしょう?」
「そうだぜ! それにあたい達も久しぶりに暴れられるから楽しみだぜ!」

清霜に続くように朝霜が悪ガキのように「ニシシッ!」と笑みを浮かべる。
そんな中、一人置いてけぼりにされている照月はというと、

「わ、私でいいのかな…? ね、長10cm砲ちゃん…?」

長10cm砲ちゃんに問いかけるが喋れないのでただ腕をピコピコさせているだけだった。
でもやる気はあるようで何度も飛び跳ねていた。

「という訳で鋭気を養うためにお昼の食事はカツ定食よ!」
「あ、頭痛い…出撃前だからってゲン担ぎにしては重いでしょうに!」

霞が足柄を残念そうな目で見る。
しかしそこで大淀が話しかけてくる。

「まぁまぁ霞さん。いいではないですか。…それに出撃表で旗艦はやっぱりというべきか霞さんでしたよ?」
「はぁ!? 私なの!?」
「はい。礼号組で出撃するなら駆逐艦を旗艦にするならここはやはり霞さんではないとと思いまして」
「そ、そう…まぁそれなら頑張るわ」

霞は少し照れながらもそれを承諾した。
それから六人は昼食でカツ定食を注文して鋭気を養ってから港に出て出撃準備を終えた。

「それじゃ司令官? 出撃してくるわ。随時指示をお願いね?」
『わかった。勝利を期待しているよ』

提督と無線機で会話をしながらも霞は少し気分が高揚していた。

「(なんだかんだ文句言ったけど…この世界では本格的な戦闘…楽しみね)…それじゃ出撃!」

そして霞を旗艦に一同は沖ノ島沖へと出撃していった。
海上を滑走しながらも、

「さて、それじゃ大淀。索敵をお願い!」
「わかりました、霞さん!」

それで大淀が零式水上観測機を射出する。
それでしばらく時間が経過して、

「霞さん! 敵水雷戦隊を発見!」
「わかったわ! 単縦陣で海域へと突入して、各自砲撃戦の用意を!」
「「「了解!」」」

それで霞を先頭に単縦陣を組んで敵水雷戦隊と接触する。
それで敵編成を見て、

「(この編成はもとの世界と変わりないか…)それじゃ行くわよ!」
「「「おー!」」」

霞の掛け声とともにまず足が速い足柄が砲撃をする。
それは見事に敵駆逐艦へと直撃し、沈める。

「やるね、足柄の姉ちゃん! あたいも負けてらんないぜ!」
「そうだね、朝霜姉さん!」

続いて朝霜と清霜が砲撃を撃つ。

「い、いきます!」
「当てるわよ!」
「いきます!」

残りの三人も砲撃を撃ち、敵編成は旗艦が小破で残りは見事に沈めていた。

「すみません、撃ち漏らしました!」

照月がすまなそうにそう叫ぶ。

「いいわ! 雷撃戦で沈めるわよ! 全艦、魚雷の用意を!」

そして「てぇッ!」という合図をして一斉に魚雷を放ち、敵旗艦も沈めて無傷で勝利を収める。

「初戦から快調ね!」
「油断は禁物よ! 次はおそらく夜戦エリアだから!」

それで夜戦へと突入していく一同。
みんなは各々で敵砲撃を避けながらも砲撃を与えていくが、そこで照月が直撃を食らってしまい中破してしまう。

「ごめんなさい! 中破してしまいました!」
「わかったわ。戦闘終了後、司令官に指示を仰いでみるわ」

それで照月以外はなんとか朝霜も清霜もカスダメで済んで提督へと連絡を入れる。

「司令官。照月が被弾して中破したわ。どうする…?」
『照月の被弾具合はどうだ…?』

提督が少し慎重気な声を出して聞いてくる。
霞はこの世界で教わった講習を思い出していた。
この世界では辺りどころが悪ければ無傷でも轟沈の可能性があると。
最終的にものを言うのはやはり練度が十分なら継続可能なところだが、

「わ、私は大丈夫です。大破していなければいけます!」

照月のその言葉を聞いて霞は安心する。
照月はこれでも練度は90を越えているから十分に見極めは出来ているのだ。

「照月は大丈夫そうよ。司令官、指示を!」
『わかった。慎重に敵深部へと突入してそれを撃破してくれ』
「了解。いくわよ、みんな!」
「「「了解」」」

そして敵主力部隊と接触して霞以外が中破にされてしまうという状況だけど、

「まだよ! まだこの足柄はやれるんだから!」
「おうよ! あたいもまだいけるぜ!」
「うん! 清霜頑張る!」
「霞さん、私達の事は気にせずにいってください! 敵も後はタ級とル級二体だけですから!」
「照月も頑張ります!」
「わかったわ! 夜戦に突入するわ!」

そんな事で結果、霞以外は中破しながらも最後は飢えた狼の異名を持つ足柄がタ級を仕留めて戦闘が終了する。
そして提督へと報告する。

「司令官、敵主力部隊の無力化を確認」
『よくやった。任務達成だ。帰りの航路は十分注意して帰ってくるんだぞ』
「わかったわ。あなたもクズなりにいい指揮だったわよ」
『ありがとう』

提督から褒められて霞も提督を褒めているのか貶しているのか分からないが褒め返しながらも少し笑みを浮かべる。
それで帰還途中で足柄が霞に後ろから覆いかぶさりながらも、

「霞ちゃん、提督に褒められて嬉しそうだったじゃない…?」
「はぁ!? どこがよ。私は別に…」
「嘘はダメだよ霞ちゃん。笑っているの清霜見たんだから!」
「そうだぜ!」
「はい。霞さん、嬉しそうでしたね」
「照月もそう思います…」

みんなに見られていたのを霞は実感して顔を赤くさせながらも、

「ああ~もう!? いい加減にしなさいったら!!」

全員に顔が赤くなっているのを気付かれないために大声で叱咤の声を上げたのだった。

 
 

 
後書き
今回は先日にあった本当の出来事を字面に書き出しました。
本番前の練習ですね。

そして一人だけ無傷の霞ちゃん。
霞ちゃん改二を讃えよ!!

それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。 
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