マイ「艦これ」(みほちん)
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第50話<男子禁制>
前書き
艦娘との、やり取りの後で美保鎮守府の視察も最後の入渠設備となった。なぜか高まる緊張。
「比叡はこれからも頑張ります」
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マイ「艦これ」「みほちん」
:50話<男子禁制>(改)
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参謀たちに続いて最後尾から歩き出そうとした私の裾を誰かが掴む。
「おっと」
足を止めて振り返ると、やっぱり比叡だ。ホントにお前は、やることがストレートだな。
「何だ?」
「司令っ、比叡はこれからも頑張りますからっ!」
目をキラキラさせて言う。
「ああ、頑張れ」
「はい!」
そこで胸を張って立ち上がる彼女。さっきまでとは大違いだ。
「では比叡、失礼します!」
軽く敬礼するが早いか 「よし!」……と声を出すと桟橋のほうへ駆け出して行った。
気付くと祥高さんを始め参謀たちも立ち止まって私たちのやり取りを見ていた。
呉から口を開いた。
「やっぱり金剛型の脚は地上でも速いンですな」
続けて神戸。
「これから埠頭で訓練でもするのでしょうか?」
「……もう夕方なのに?」
珍しく舞鶴も呟いている。
ついでに私。
「あの娘もムラがあるけど『やる気』を出して頑張ってくれるのは良いことです」
まぁウチには2隻目となる戦艦だからな。貴重な戦力だ。
大淀さんも比叡の後ろ姿を見つめながら深いため息をついていた。彼女と比叡は対照的だな。
「では私も戻ります」
彼女は私たちに軽く敬礼をすると本館の建物の方へ歩いて戻って行く。
その背中を見送りながら思う。大淀さんは独特の落ち着いた雰囲気がある艦娘だ。それだけに扱い易いのか、そうでないのか? いま一つ分かり難い面もある。
「司令殿は、いろんな艦娘とお知り合いのようですな」
呉が聞いてくる。
「まあ、知り合いと言うか……いつの間にか艦娘を指揮する経験だけは長くなっていたようです」
正直、自覚は無かった。
「あの比叡も赤城さん同様、司令とかなり深い関係が?」
神戸が興味津々、聞いてくる。その言い方は誤解を招きそうだな。
鋭い目つきに変わった舞鶴を尻目に私は応える。
「深いというか、あの子たちは私の『引っ込み思案』な戦法で生き残ったところがありますから感謝しているようです……あくまで結果的なものですが」
「なるほど噂の戦法ですな」
呉と神戸は感心している。
その後ろから祥高さんが私たちに声をかけた。
「時間が少なくなりましたので、あと一箇所、入渠設備をご案内して最後にしましょうか」
やや早足になった祥高さんは煙突の建物のエントランスホールに皆を案内した。
「艦娘の入渠設備は本来、男性厳禁の施設です。でも今日は清掃の日に当たっているため特別に、お見せすることが出来ます」
気のせいか祥高さんの説明に参謀たちは色めきたっているようだ。ソワソワしている。
「艦娘を指揮した方なら、ご存知かと思います。戦闘でダメージを受けた艦娘の艤装は工廠で修理出来ます」
説明しながら祥高さんは赤文字の「男子禁制」プレートの入口をスッとくぐり抜けた……何だろう、この罪悪感。
説明が室内に響く。
「しかし艦娘の身体的なダメージは自身の自然治癒力に頼るしかありません。そのための入渠設備です」
ちょっとドキドキしてきた。
「入渠ですが『入浴』と表現する艦娘たちもいます」
後ろの呉が小声で言う。
「なンか普通の戦闘とは、また違った緊張感があるなぁ」
この言葉には皆、賛同だろう。神戸は、ずっと黙っている。舞鶴も……あ、彼の口が重いのは性格か。
全員ゾロゾロと脱衣所を通る。多分、生涯に一度あるかどうかの体験だろう。あの舞鶴も何となく浮き足立ってきた。
一同は、さらに前進。いよいよ「大風呂」だ!
「繰り返しますが見た目は浴場です。でもダメージ回復の重要な施設です」
改めて念を押さなくても分かっている。妙に静かになる参謀連中と私。
ついに大奥のごとき大浴場の前。でも中からは「きゃっ! きゃ!」という黄色い歓声が響いてくる。
「あれ?」
思わず私。
……まさか掃除じゃなくて誰か入浴しているとか?
急に押し黙る参謀たちと私だった。
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
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