転生とらぶる
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ガンダムW
1664話
「へぇ……ここがピースミリオンの格納庫か。随分とまぁ、立派だな」
月の裏側にある、暗礁宙域からピースミリオンを発見……もしくは発掘すること、数日。
正直、最初は特にやるべき事はないだろうと判断していたのだが、それは甘い……とても甘い考えだった。
いや、勿論この隙を狙ってOZやバートン財団が攻撃を仕掛けてくるかもしれないとは思っていたが、俺と綾子が忙しかったのは、それとは別ベクトルでの忙しさだ。
そもそもの話、ピースミリオンはスペースデブリによって傷つかないようにと簡単な建造物で覆われている。
つまり、その建造物の側にはスペースデブリが大量に浮かんでいる訳だ。
だとすれば、ピースミリオンが出撃するとなれば、当然のようにそのスペースデブリが邪魔になる。
そんな訳で、俺と綾子はピースミリオンのチェックと最低限移動出来るようになるまでの2日間、必死にピースミリオン周囲のスペースデブリをどうにかするべく、MSで働いていた。
それで移動させる事が出来たのは、それこそMSサイズで脅威になるだろうスペースデブリだけ。
人間の指先程度のスペースデブリとかは、放ったらかしになってしまったが……それは仕方がないだろう。
それこそ、スライムとかを使って一気にどうにかしなければ、完全なスペースデブリの排除は不可能だ。
……何度、スライムを使おうと思った事か。
ぶっちゃけ、スライムを使えばスペースデブリは完全に消滅出来るし、スライムの質量を増やす事も出来る。
まさに一石二鳥なのだが……当然、そんな真似をすれば非常に目立つ。
夜、それこそ皆が眠っている時間にこっそりやろうかと思ったが、ピースミリオンの作業には殆ど徹夜で行われていては、どうしようもない。
いや、考えてみれば当然なんだが、いつ敵が襲ってくるかも分からない暗礁宙域に長い時間いたいとは、普通なら思わないだろう。
一応建物があるとはいえ、いつ隕石とかがぶつかってくるか分からないのだから。
今まで大丈夫だったんだから、俺達が作業をしている時も大丈夫……などと思う事が出来る者がいれば、そいつの頭の中にはお花畑が咲き誇っているのは間違いない。
ともあれ、そんな理由で一刻も早くこの場から脱出するべく、徹夜で作業が進められて……結果として、スライムを使うような余裕はなかった。
無理をすればどうにか出来たかもしれないが、ここは無理をすべき場所じゃないだろうし。
で、結局人力――MSでも人力と言うのかは微妙だが――でスペースデブリを処理し、ピースミリオンの大雑把な……ひとまず移動出来る程度の整備も終わり、現在はこうしてD-120コロニーに向かっている訳だ。
そんな訳で、現在の俺はピースミリオンの格納庫に機体を置き、疲れを癒やしていた。
実際には体力的な疲れという訳ではなく、精神的な疲れなんだけどな。
にしても、ピースミリオンを覆っていたあの建造物は少し勿体なかった。
このピースミリオンを覆うだけの簡単な建造物ではあったが、それでもかなりの質量があったのは間違いない。
また、仮にもスペースデブリがピースミリオンの装甲に当たらないようにしていたのだから、ガンダニュウム合金とはいかなくても、それなりに頑強な金属だったのは間違いなかった。
出来ればここで回収して空間倉庫の中にでも入れておきたかったんだが……当然これだけの人前でそんな真似が出来る訳もない。
もしいきなりそんな金属の塊が消えたら、それこそ怪しまれるのは確実なのだから。
いや、実際にはもし空間倉庫に収納しても、綾子以外は空間倉庫なんて存在を想像出来る筈もないし……実は特に気にする必要もなかったのか?
まぁ、結局あの暗礁宙域に放り出してきたんだし……どうしても欲しいのなら、そのうち取りに戻ればいいんだろうけど。
そこまでして欲しいのかと言われれば……それもまた、微妙だ。
それこそガンダニュウム合金とかだったら、文句なく欲しいんだが。
「アクセル、少し中を見て回らない?」
トーラスを格納庫に収納し、コックピットから降りた綾子がそう言いながらこっちに近付いてくる。
「ああ、それは構わないけど……この艦はまだまだしっかりと本領を発揮してないんだろ? なら、迂闊に動く訳にもいかないんじゃないか?」
「大丈夫でしょ。勿論他の人の邪魔をする訳にはいかないけど、見て回るくらいなら。ほら、早く早く」
「……いいのか?」
早速トールギスとトーラスの補給と整備をしようとしている相手……ハワードの部下だったか、ドクトルSの部下だったかは忘れたけど、ともあれそんな整備員に尋ねる。
「いいんじゃないですか? ただ、運航に必要な最低限の機能しか起動していないので、そんなに面白い場所はないと思いますけど」
「……だ、そうだけど。それでも行くのか?」
「当然でしょ」
何が面白いのか、綾子は俺の言葉に満面の笑みを浮かべながら、答える。
まぁ、ピースミリオンはこれから俺達の本拠地になるんだし……そう考えれば、しっかりと中を見て回っておいた方がいいのは事実か。
「分かった。なら、少し見て回るか。……一応聞いておくけど、危険な場所とかはないんだよな?」
「えっと、そうですね。空気がないとか、そういう場所はありません。ただ、まだ色々と調査をしている状態なので、その為の道具とかが色々と散らばっている可能性はあります」
「ああ、そっちは問題ない」
今心配していたのは、あくまでも真空状態になっていないかどうか、というだけだ。
真空状態になっていても、俺は全く問題ないが綾子の場合は半サーヴァントであっても、受肉している状態なので、呼吸は必須となるのだから。
「そうですか。では、お気を付けて」
整備員に見送られ、俺は綾子と共に格納庫を出る。
「で、まずはどこに行くんだ?」
「どこにって言われてもね。そもそも、ピースミリオンの中にどんな場所があるのかも分からないんだから、その辺りは直接歩いて見て回るしかないでしょ」
「そう言ってもな。特に何があるって分かる訳じゃないんだから、その辺りはしっかりと前もって決めておいた方がいいんじゃないか?」
「……道案内とかそういうのがあれば、しっかりと考えられるかもしれないけどね。それに、たまにはこういう風に何も考えないで移動するのもいいでしょ。ほら、まずはこっち」
綾子に引っ張られて、ピースミリオンの通路を歩く。
最低限移動出来るようにしかなっていないピースミリオンだけに、通路はかなり暗い。
真っ暗という訳ではないが、必要最低限の明かりしか存在しないと言ってもいいだろう。
それだけに、どことなく暗い雰囲気が漂っている。
幸い俺は混沌精霊の能力として夜目が利くので全く問題なく歩く事が出来るし、綾子も半サーヴァントだけあってこの程度なら特に問題はない。
そんな風に歩いていると、やがて通路の先から何か声が聞こえてきた。
「おいっ、この配線はこっちじゃなくてそっちのS字の方に繋ぐんだよ!」
「はぁ? お前、もう少し勉強しろよ。そっちのS字に繋げば電力が余計にロスして向こうの方に悪影響が出るだろ」
「そんな訳ないだろ。ほら、こっちでもしっかりと数字が出ているんだから」
「馬鹿、それはここの数字だろ」
聞こえてくるその声は、討論というか意見の言い合いというか……そんな感じではある。
だが、お互いに自分の意見を口にしているうちに、段々と興奮してきている様子が分かってしまう。
「アクセル、どうする?」
「どうするって言われてもな……ここで妙な騒ぎを起こされてピースミリオンがダメージを受けたりして存分に性能を発揮出来ないとかなったら、ちょっと洒落にならないだろ。少し様子を見てきた方がいいと思わないか?」
「賛成」
こうして、俺と綾子は通路を歩いて先に進む。
するとその先では、2人の整備員と思われる人物が通路の壁を剥がしてそこの配線を前に、ああだこうだと言い合っていた。
「ほら、そこまでだ」
『ああっ!?』
俺の言葉にヒートアップした2人は険悪そうな声を上げて俺に視線を向けてくるが……そこにいるのが俺だと、シャドウミラーを引きいており、自分達の上司になるだろう人物だと知ると、やがて頭に上った血も落ち着いたのか、ゆっくりとこっちに視線を向けてくる。
「すいません、その……ちょっと興奮してしまいました」
「意見が合わなくて、つい」
詳しく話を聞いてみれば、それぞれハワードとドクトルSの部下だった男だという事が判明した。
ハワードもドクトルSも、両方とも凄腕の技術者だというのは間違いない。
だが、OZにいた時は行動を共にしていたのだろうが、別々に行動するようになってから随分と時間が経つ。
その間に、お互いのやり方が以前と比べると変わって……いや、進化してきたと言うべきか?
ともあれ、そんな具合にハワード流、ドクトルS流といった風になってしまっており、それが今回の騒動の原因だったらしい。
いやまぁ、それも分からないではないけどな。
いずれどっちかに統一するか、もっと新しいやり方を作る必要があるんだろう。
「話は分かった。どっちのやり方が有効なのかは、これから一緒に仕事をしていけば分かるだろう。とにかく、喧嘩腰になったりしないでやってくれ。ここでお互いが喧嘩をしても、それは全く意味がないからな」
そう告げると、2人の技術者も納得したのかそれ以上は口にしない。
取りあえずこれでOK、と。
「へぇ……アクセルも意外とやるわね」
「……これで褒められても、微妙に嬉しくないんだけどな。それより、行くぞ。この先に何があるのか分からないけど、少しは暇潰しを出来ればいいんだが」
「ありゃ、照れ隠し?」
「好きに言ってろ」
こうして、俺と綾子は2人の技術者の前から移動していったのだが……
「何だかこう、お互いに下らない事で言い争っているのが馬鹿らしくなってきたな」
「ああ。俺達の敵は……あそこにいる」
「そうだな。あんないい女を侍らせて。俺達にとっては敵としか言いようがないな」
「知ってるか? アクセルってあの綾子以外にもD-120コロニーにもう1人恋人がいるんだぜ? それも、綾子に負けないくらい美人の」
「……嘘だろ? そんなのって……そんなのって、ありかよ! 二股掛けてるのに、なんであの綾子ってのは……」
「お互いに納得ずくの関係なんだろうよ。アクセルがトールギスを持ってハワードの所にやってきた時も、3人で1部屋だったし」
「くっそぉ……傭兵ってのは、そんなに儲かるのかよ。あの名無しも、もしかしたら……何がトロワだ……」
「うん? 何の話だ?」
「え? いや、何でもない。とにかく、今のアクセルは許せん! 後で絶対に倒してやる!」
「それは同感だ。同感だけど……ガンダム3機を相手に互角に戦えて、そのうちの1機を鹵獲するような奴だぞ? しかも生身の戦いでもガンダムのパイロットを全く寄せ付けないらしいし……そんな相手に、そう簡単に勝てると思うか?」
「ぐぐっ、じゃ、じゃあなんだよ。俺達はずっとアクセルを羨んでいろってのか!?」
そんな声が背後から聞こえてくるが、スルーする。
「ふふっ、随分と言われてるみたね。嬉しい?」
俺はスルーしたものの、どうやら俺の隣の綾子はスルーしてくれなかったらしい。
半サーヴァントだけあって、綾子の五感もかなり鋭い。
少なくても、背後からのこんな声は全く問題なく聞こえていたのだろう。
「そう言われてもな。……まぁ、掛かってくるのなら受けて立つというところか?」
「ふふっ、まさに大魔王ね。それともデュオ曰く、破壊神かしら?」
「その2つなら、まだ大魔王の方がいいな」
破壊神と言えば、どうしても俺の中ではダークブレインが思い浮かぶ。
もしくは、シュウに関わりのあるヴォルクルスか?
どちらもあまりいい印象はないだけに、まだ破壊神よりは大魔王の方がいい。
「そう? 王と神なら、神の方が強そうに思えるけど」
綾子の口からこんな台詞が出てくるのは、やっぱりゲームとかにそれなりに詳しいからだろう。
「その辺は人によるんだろうな。……それより、向こう側が結構明るくなってるし、そっちに行ってみないか?」
「はいはい、取りあえず話には誤魔化されてあげる」
そう告げ、綾子は俺と腕を組む。
間違いなく平均以上な胸が、腕に押し潰される感触。
綾子の胸が平均以上の大きさだというのは、それこそ俺が直接何度も触って、味わって確認しているので間違いない。
レモンやマリュー、千鶴程ではなくても……間違いなくEやFの壁を突破しているのは間違いない。
そんな事を考えながら、俺は綾子と共にピースミリオンの中の散策を続けるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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