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ロリータ=コンプレックス

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第五章

「自分で作ったな」
「それはまた凄いですね」
「ああ、しかし君は」
 店長はここで寛騎に言った。
「またお昼はそれか」
「はい」
 カップラーメンを食べつつの返事だ。
「夜は一応作ってます」
「しかしな」
「カップ麺はですか」
「手軽だがな」
 それでもというのだ。
「やはり多いとよくない」
「わかってるつもりですが」
「手軽だからか」
「安いですし」
「それはわかるが」
「こうしたものばかりはよくないからですね」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「やっぱりな」
「ちゃんとしたものをですね」
「食べられる様にな」
「結婚ですか」
「前も言ったが考えてみてくれ」
「はい、それじゃあ」
「ああ、ような」
 寛騎にはこう言うのだった、彼もそのことは考えていたがそれでもだった。状況は暫くそのままだったが。
 ある日曜にだ、寛騎がこの日は店のサンドイッチを買って店の休憩室で食べているとだ。友希がその部屋に入って来てだった。
「あっ、サンドイッチですか」
「今日は」
「サンドイッチって美味しいですよね」
「うん、だからね」
「お昼はそれですか」
「そうなんだ」
「私もよく作ります」
 友希は寛騎の向かい側に座ってこう言った。
「サンドイッチは」
「自分でなんだ」
「はい」
「凄いね」
 寛騎は友希のその言葉を聞いて言った。
「それはまた」
「そうですか?」
「自分でお弁当作るなんて」
「いえ、その方が栄養バランスもいいですし」
 友希は寛騎にさらに話した。
「安くつきますから」
「安くなんだ」
「ですから」
「しっかりしてるね」
「お母さんによく言われてまして」
「栄養バランスを考えて」
「節約も忘れるなって」
 この二つのことをというのだ。
「ですから」
「気をつけてるんだ」
「はい」
 その通りだというのだ。
「他にもお握りとか作ります」
「あっ、そっちもなんだ」
「サンドイッチ以外にも」
「お弁当はいつも?」
「学校に行く時も自分で作ってます」
「しっかりしてるね」
 寛騎は友希の言葉を聞いて彼女は凄いと思った、これはいい娘だと。そして話してみると家事のことにも世の中のことにも詳しく。
 人柄もよかった、明るいだけでなく親切でよく気が利く。一緒にいて楽しい娘だった。それで彼女が店にいて時間があると話をする様になった。 
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