博打地蔵
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第七章
「僕はモンスター倒したりするよ」
「そうしてお金とか稼ぐの」
「そちらは確実だからね」
「そういうことなのね」
「うん、しないんだ」
絶対にというのだ。
「無駄だから」
「ううん、そういう事情があったのね」
「そうなんだ」
「そのことはわかったわ、ただね」
彩加は兄を鶏肉のコーナーに連れて行きつつこんなことも言った、スーパーには二人以外にも結構以上な数の客達がいて店員達も元気に働いている。
「そのお話何処のお話?」
「お地蔵さんの?」
「そう、何処のお話なの?」
「大阪らしいよ」
二人が今現在住んでいるこの街のというのだ。
「何でもね」
「ああ、そうなの」
「そうらしいよ」
「大阪にそうしたお話があったの」
「大阪の何時何処のお話かはわからないけれど」
そこまではというのだ。
「けれど大阪みたいだよ」
「そうだったのね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「何処のお地蔵さんなのかは」
大坂のというのだ。
「僕もわからないよ」
「お地蔵さんってその辺りに幾らでもあるしね」
「そうだよね」
「そう言われるとね」
それこそというのだ。
「わからないね」
「そうね」
「まあそういうお話を聞いてね」
そしてとだ、彼はまた言ったのだった。
「僕はギャンブルをしないんだ」
「そうなのね」
「うん、絶対にね」
「よくわかったわ、まあギャンブルなんてね」
それこそとだ、彩加も言うのだった。
「意味ないからね」
「お金の無駄だね」
「本当にね、ただね」
「ただ?」
「ギャンブルは確実じゃないのね」
「どれだけ科学的に検証してもね」
それでもというのだ。
「確実じゃないから」
「お兄ちゃんはしないのね」
「そのことも大きいよ」
「お地蔵さんのお話と」
「それもあるから」
「ギャンブルはしない」
「パチプロなんかになっても」
「儲からないのね」
「確実じゃないから」
またこう言った耕太だった。
「あれもよくないよ」
「ギャンブラーって実は儲からないの」
「そうだよ、ギャンブルで家は建たないよ」
「胴元にならないと?」
「そういう人普通にヤクザ屋さんだったりするから」
つまり表の人達ではないというのだ。
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