転生とらぶる
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ガンダムW
1649話
連合軍の本拠地、D-120コロニーから出撃して2日程。
思ったよりも近い場所に、バートン財団が有するトーラスの生産施設は存在していた。
いやまぁ、小惑星に生産施設を作る以上、どうしたってその小惑星を隠す必要が出てくる。
そして木を隠すには森の中という言葉通り、小惑星を隠すには小惑星帯がベストだ。
だが、当然のように小惑星帯というのはそうどこにでもある訳がなく……そんな訳で、バートン財団が目をつけたのが、D-120コロニーからそう離れていない位置にある小惑星帯だった訳だ。
もっとも、宇宙船で2日となると、実際にはかなりの距離が離れている。
D-120コロニーからそう離れていないというのは、あくまでも宇宙的な観点から見ての距離にすぎない。
「にしても……まさか本当に来るとは思わなかったな」
宇宙船に用意されたシャドウミラー用の部屋の中で、視線の先に入った2人の人物を見てしみじみと呟く。
その人物……つまり、老師OとプロフェッサーGだ。
一応こっちと一緒に行動するかどうか聞くようには言っておいたのだが、本当に来るとは思わなかった。
てっきり、コロニーに残るかと思ってたんだが。
「ふんっ、護衛がいない中で連合軍の中にいるのは、自殺行為じゃろ」
プロフェッサーGが、吐き捨てるように呟く。
「一応凛がいるけどな」
「あのような女に何が出来る」
「……うん?」
冗談でも何でもなく、本気でプロフェッサーGがそう言ってるのに気が付き、疑問に思う。
そのまま視線をデュオに向けると、視線の意味に気が付いたのだろう。デュオはしまったといった表情を浮かべていた。
「ヒルデに会えないからって、色ボケでもしてたのか?」
「違うって。そんな訳ないだろ。ただ、凛の強さが俺の中では普通になってたから、改めて説明するまでもなかったんだよ。……お前もそうだろ?」
「否定はしない」
デュオの言葉に、五飛も若干不機嫌そうにしながらも否定はしない。
あー……なるほど。別に生身の戦いで凛に全く勝てないからといって、それを恥に思って秘密にしていたって訳でもなさそうだな。
実際問題、凛の強さというのは綾子の強さと同じくらい、その身体に染みついている2人だ。
だからこそ、敢えて人に説明するような必要もなかったのだろう。
「なんじゃ? あの娘に何かあるのか?」
「……どうする? 俺から言うか?」
プロフェッサーGと老師Oが疑問に満ちた視線を向けてくるのに気が付き、デュオと五飛にそう尋ねる。
だが、そんな俺に対してデュオは首を横に振る。
「いや、俺が言うよ。……実は、凛は生身で戦った場合物凄く強いんだよ。それこそ、俺と五飛が2人掛かりで戦いを挑んでも、歯牙にも掛けないくらいに」
「……冗談も程々にせい。あの娘がそこまで強いなど」
最初冗談か何かだと思ったのか、プロフェッサーGが笑い飛ばすように告げるが……だが、それに対してデュオも五飛も至って真面目な表情で首を横に振る。
「いや、マジで。ぶっちゃけ、何であんなに強いのかって分からない程に強い」
「あの娘は、事務員だと聞いていたが?」
確認を求めて問い掛けてくるプロフェッサーGに、俺もまた頷きを返す。
「それもまた間違っていない。実際、凛はシャドウミラーの書類仕事を任せてるしな」
「それなのに、強いのか?」
次に口にしたのは、老師O。
「ああ。実際、デュオが言った通り五飛と2人で戦いを挑んでも全く勝ち目はないしな。……そうだな、実績という意味だと、ロームフェラ財団がオペレーション・デイブレイクでノベンタ達を捕らえるか暗殺するかを狙ってニューエドワーズ基地に特殊部隊を用意してたんだが、その特殊部隊を1人で簡単に鎮圧するだけの実力は持っている」
まぁ、ガンダムのパイロット達も同じような事はやってるので、この説明だとあまり凛の強さは伝わらないかもしれないが。
「ま、相手がMSを出してこない限り、生身で凛に勝つのは難しいと思うぞ」
実際問題、魔術を大っぴらに使ってもいいのであれば、それこそD-120にいる連合軍全員――生身に限るが――と戦っても勝てる可能性はある。
体力的な問題で時間は掛かるかもしれないが。
それと、宝石の消耗率も相当なものになるだろうし。
「そんな訳で、正直なところ凛がいる時点で護衛云々って意味では安全だったんだけどな」
「あー……そうなのか?」
呆れて言葉も出ないといった様子のプロフェッサーG。
普通に聞かされれば、それこそ冗談か何かだと考えてもおかしくはないのだから、当然だろう。
「残念ながら」
そしてデュオの言葉で撃沈する。
「……大人しく基地に残っておった方が良かったかの」
「いやいや、そうでもない。デスサイズとシェンロンガンダムの改修については、やはり実際に機体を動かしているところ見る必要があるからな」
「ふむ、そう言われればそうじゃな。……もっとも、戦闘の映像データを用意して貰えば、その辺りはどうとでもなるが」
そんなやり取りをしている2人の科学者だったが、結局こうして出発してしまった以上はD-120コロニーに戻る訳にもいかない。
結局は半ば無理矢理自分を納得させ、トーラスの製造工場に向かう事になった。
そうして暫く話をしていると……やがて通信システムが着信を知らせる。
『アクセル代表、そろそろ小惑星帯が見えてきました。出撃の準備をお願いします』
そう言ったのは、この戦艦の艦長を務めている男だった。
階級は大佐だったか、准将だったか……
ともあれ、その男の言葉に頷く。
「分かった。こっちもすぐに準備をする。そっちも、こっちの戦いが終わったらすぐにでも小惑星帯に入ってこられるようにしておいてくれ」
『了解しました。……頑張って下さい』
その言葉を最後に、通信が切れる。
連合軍としては、トーラスの生産設備というのは是非とも欲しい代物だろう。
だからこそ、こうして俺達に期待している訳だ。
……MSや生身での模擬戦を何度もやって、その結果俺達に対する風当たりの強さが弱まったというのもあるが。
「さて、じゃあ俺達は出撃だ」
その言葉に、綾子、五飛、デュオがそれぞれ立ち上がるのだった。
宇宙空間の中を、トールギスが飛ぶ。
小惑星帯の中に突入したので、より注意が必要だが……ぶっちゃけ、俺にとっては普通に宇宙空間を飛ぶのと大差はない。
綾子も、半サーヴァントの身体能力のおかげで極めて高い動体視力を持っているし、五飛やデュオもこのくらいの事は平気でこなせるだけの能力を持つ。
そんな具合に、連合軍のMSパイロットでは不可能な速度を出しながら、俺達は小惑星帯の中を飛ぶ。
『で、具体的にそれはどこにあるんだよ? こうして見る限り、どこにも敵の姿はないけど』
デュオからの通信に、小さく肩を竦める。
「そう遠くはないな。このまま飛んでいけば……そうだな、もう10分も掛からずにっと、到着前にお出迎えだ」
進行方向が光った瞬間、スーパーバーニアを操作して機体を移動させる。
一瞬前までトールギスの姿があった場所を、ビームが貫いていく。
この距離で正確に狙ってくるか。だとすれば有人機じゃなくてMDだな。
だとすれば、やっぱり俺達が接収しようとしているトーラスの生産施設は、MD化を前提にしているのか。
もっとも、トーラスはMDであっても普通に有人機として使う事も出来る。
ビルゴは設計からしてMD用なので、その辺りは無理だが……MD技術の遅延がこっちとしては助かった形だな。
それに元々バートン財団は人数が少ない。
原作ではOZやホワイトファングの残党を味方に引き入れる事で戦力を揃えたが、この世界だとまだOZは組織そのものが健在だし、ホワイトファングは影も形もないからな。
……いや、もしかしたらカーンズ辺りはホワイトファングを作ろうとして動いている可能性はあるが。
ゼクスの消息が不明なのが、ちょっと不安だな。
「っと」
まさかゼクスが原作みたいにホワイトファングの指導者になってたりしないよな?
原作だとサンクキングダムを守る事が出来なかったという後悔から隠遁生活に入り、そこにカーンズが接触してきた形だった。
だが、この世界ではそもそもリリーナがまだサンクキングダムを復興させたりはしていない。
そもそもの話、ドーリアンもまだ生きてるしな。
意識不明のままらしいが。
「ま、ともあれ……お前達は邪魔だから、取りあえず処理させて貰うぞ。……続け!」
他の3人に通信を送り、スーパーバーニアを全開にする。
本来ならドーバーガンを使って纏めてトーラスを撃破したいところなんだが……残念な事に、このまま攻撃した場合、トーラスを撃破しても生産施設の方に攻撃が命中する可能性がある。
接収しようとしている生産施設を破壊するような真似をした場合、間違いなく報酬も減額されるし、シャドウミラーの評価も下がってしまうだろう。
これからの事を考えると、絶対にそんな真似は出来なかった。
今の俺達の評価が高いだけに、評価が落とされるとかなりのマイナスとなる。
急速に近付いてくる、敵MS。
やはりと言うべきか、用意されているMSは全てがトーラスだった。
トーラスのMDシステムは完璧とは言えないので、恐らくどこかに指示を出す有人機がいるだろう。
まぁ、その有人機云々よりも前に、トーラスを倒してしまえばそれで終わりなのだが。
牽制の意味も込め、左手のマシンキャノンをトーラスに向けて放つ。
ドーバーガンと比べると威力は低いので、トーラスの生産施設に被害を与える事はないだろう。
だが、施設に被害は与えなくても、攻撃としては十分だ。
ビルゴと違ってバリアを持っている訳ではないトーラスは、当然のように自分達に向かって放たれたマシンキャノンを回避する。
ビームと違って、距離によって威力が減衰する事がないというのは、実弾兵器の利点だよな。……まぁ、その代わり一度撃ってしまうと何かにぶつかるまでは止まらないので、宇宙のゴミ……いわゆるスペースデブリになるんだが。
だが、ここは小惑星帯だ。ここから弾丸が何事もなく抜けていくというのは、まず考えなくてもいいだろう。
トーラスが回避しているのを見て、予想通りの行動に俺は笑みを浮かべる。
回避運動している中に突っ込み、そのままビームサーベルを引き抜く。
幾らトーラスがMDであっても、こうして小惑星帯の中では回避出来るスペースは限られている。
これが人間が操縦しているのであれば、急速に近付いてくるトールギスに多少混乱して近くにスペースデブリがあっても、小さな物にはぶつかったりもするんだろう。
それがこちらにとって回避しにくい事にもなるのだが……
だが、MDはそれが出来ない。出来ないが故に……
「より倒しやすくなる!」
トーラスの横を通り抜けざまに、ビームサーベルを一閃。
胴体から真っ二つにされ、次の瞬間には宇宙空間に爆発の花が咲く。
スーパーバーニアを使い、そのまま続けてビームサーベルを振るう。
1機、2機、3機、4機。
連続して撃破されていくトーラス。
ただ、やはりここにいるのはMDだけのようで、有人機はいないらしい。
トーラスカノンのビームを回避しながら脳裏にステータスを表示させるが、撃墜数は全く増えていない。
まぁ、その辺りは予想済みだった。
元々バートン財団の主力はMDなのだから。
だが、それでも実際にこうして見てみると張り合いがない。
元々MDシステム自体がまだ完成されてからそれ程経っていないという事もあって、AIの能力はそこまで高くない。
量産型W……とまではいかなくても、メギロートくらいに優秀であればもう少し戦いに張り合いも出てくるんだろうが。
ともあれ、こっちが一方的に有利な状況で戦っていると、綾子が操る純白のトーラス、五飛とデュオのシェンロンガンダムとデスサイズが到着してMDに襲いかかっていく。
次々に撃破されていくMD。
それを見て、自分達に勝ち目はないと思ったのか……1機のトーラスがこの場から離脱しようとしているのを発見する。
あれが指揮官機か。
そう思い、スーパーバーニアでトーラスとの距離を縮めようとした瞬間、ドラゴンファングが伸びてそのトーラスを掴み、潰していく。
五飛か。
まぁ、俺が攻撃するよりも早く攻撃をしただけなんだから、別に何の問題もないんだが。
ともあれ、指揮官機が撃破されたことにより、MDの指示を解除出来る者はいなくなった。
後はここにいる敵を片付ければいいだけであり……それは俺を含むシャドウミラーが相手であれば、特に問題ないだろう。
そして事実、10分も経たずにその戦闘は終了するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
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