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fate/EX=zero

作者:zeron
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幻想少女の月捜索
  それは幻のように

 
前書き
はい、もう一人の主人公 糸島優衣ちゃんのストーリーが始まります
これからは佐々野さんのストーリーは天才少女の月旅行
優衣ちゃんのストーリーは幻想少女の月捜索の部に分けます

一応どっちも同じ頻度で更新でき…………ると言いきれませんが心掛けます
今回は現実世界でのお話
ぶっちゃけ話が進まないままぐだぐだ進むので斜め読み程度でお願いします
相変わらずプロローグがへたくそと猛省 

 
今思うと昔の私は……糸島 優衣は生意気だった

私のコードキャストdisguise_shapeは透明化したり別の何かを見せる 姿を変えたモノは外側の書き換えられ精密機械でも容易に騙すことができる
このコードキャストを上手く使えば電子世界に限れば私に侵入できないところはない

情報化社会においてその能力は最強だと信じていた


そして私は傲慢にも魔術が消えた世界で魔術の塔と呼ばれた西欧財閥の研究機関に侵入した

















「あーあ、魔術師の塔だなんて現代に合わない大仰な名前の施設だからどれだけ高度なセキュリティで守られているかと思っていたけど大したことないなぁ」

西欧財閥の施設が使用している電子空間に侵入してるが私はテロリストではない
崩壊した魔術貴族の中で西欧財閥に吸収された幻術や迷路作成といった人を迷わせる魔術をかつて探究した日本の名家 糸島家の現当主という扱いになっているが立場としては西欧財閥で働くウィザードだ

ただ私が所属している西欧財閥の組織からこの施設に居る天才の研究成果を奪ってこいと言われている
その天才の名は佐々野理乃

彼女の開発した様々なコードキャストのおかげで日常生活やテロリスト対策に新たな進展があると言う

私と年齢が近いこともあり興味を持ち、どのような名家のウィザードなのか調べてみたが彼女の情報は少しもわからなかった
というかなかった

記録の上では教会に置かれていた捨て子
そこから今の天才の立場までの情報は何もない

ただ佐々野という名前は私が生まれる前にテロリストとして活躍していたウィザードと同じ苗字だ


そのウィザードの名は佐々野定理、だが実在していたかどうか誰も知らない
不可解な重大事件が起こるとその現場に佐々野定理という名前が置かれていたらしい
本人の姿を見た者はおらず一部では複数のウィザードが名前を使い回し西欧財閥の脅威となる人物を演出したのではないかという話もある






「やれやれ、対して強くもない防衛プログラムしか居ないし扉のパスワードは簡単に突破できるし私の侵入に気が付いてないのかウィザードも一向に出向いてこないじゃない」

そろそろ最深部に届くはずだが研究員としてここに勤めているウィザードの姿もないのは不自然だ
全員が現実の方にいるのだろうか?

「~♪―――~♪」

更に奥に進むと機嫌良さそうに鼻歌を歌う白衣を着た少女を見つけた

「あれが噂の天才かなぁー?間抜けそうだし余裕ね」

さてどうやって

「…………?」

少女は振り返り透明化している私の方を見つめた……気がする
そして次の瞬間私は意識を失った














「んー、私は一体……?部屋はさっき入ったところのままか」

目を覚ました私は体に鎖を巻きつけられ拘束されていた
慌てて霊子ダイブを中止して現実に逃げようとしたがまるで私の意識は戻らない




私の体を拘束する鎖を目でたどっていくと天井に繋がれていると思っていたがそれは1人の少女まで繋がっていた
あれが噂の天才、佐々野理乃か

先ほど見たときと同じく機嫌良さそうにしていた
よく見るとこの部屋には私と佐々野理乃以外にもう1人いるようだった

佐々野理乃の目の前に置かれたベッドに寝ころばされている女は薬で眠らせられ佐々野理乃に体を弄られているようだ
霊子や魔術回路を弄られるなんてウィザードにとっては自分の才能 存在意義を弄られるようなものだ
そんなおぞましい行為をしていても彼女の機嫌が変わる様子はない




むしろ……彼女は微笑んでいる
とても可愛らしく

だがその瞳はこの部屋の何も見ていない
どこまでも深くどこまでも暗く濁っている少女の瞳に私は何故かとても惹かれたが今はそれどころではない

「私に何をした!!」

何度も何度も現実へ戻ろうとしているが私の意識はいつまでたってもここから抜け出せない

「……目が覚めたのね。あなたの体に巻きつけてる鎖は愚者の鎖、電子空間に入っている魂を拘束しているの」

愚者の鎖?
聞いたこともない道具だが魂を縛り付ける効果は物理的抵抗力を持たないウィザードにとって最高の拘束だ

電子空間に入るためには魂の物質化が必要な以上この鎖からは逃げられない


「私をどうする気?」
完全に迂闊だった
まさかこんなところで私が捕まるなんて……

私も実験体にされてしまうのか?
嫌だ……怖い怖い怖い怖い


「うーん、そうねぇ。あなた起源が結構表に出てるみたいだし面白い実験台になると思うの。」

「ッ……!」

「だからこれ飲んでくれるかな?」

満開の笑顔で私に見せてきたのは謎の白い塊
何かの薬物か!?

無理矢理薬を飲まされた私はそのまま意識が薄れていくのを感じた
ここで私は終わるのか?


「……あっは!あはははははははは!」

佐々野が本性を現したのか狂ったように笑い出した
まるで悪魔のようだ
そして…………

「ごめんなさい、冗談とかいうのを試してみようとしたんだけど失敗したみたいね。あなたが飲んだのはただの角砂糖だよ?」

「…………え?」

「怖かったよね?ごめん、ついついマリアの真似をしたくなってね。そういえばあなたは誰?」

鎖を解いて私の頭を撫でてくる少女を相手に私は反応できなかった
冗談?角砂糖?


「あ、マリアが帰ってきたみたい。マリアー!!」
ふわりと髪を揺らして部屋の入口へ走って行く少女

「ただいま理乃ちゃん。そこの子はどうしたの?」









回想はここら辺で終わらしたいところだが現在に行くにはもう少し時間が必要だ


捕まって数日の内に可愛らしい天才 佐々野理乃が所属する魔術の塔と呼ばれる研究施設に私は配属された
最先端の施設なので普通はこんな簡単に所属することは不可能だが招待があれば別だ
誰がこんな招待受けるかと思ったがやられてばかりでは私の気が収まらない


ちなみに招待者は佐々野理乃………ではなくマリアと名乗る女の方の名前が記載されていた

だが研究施設に到着すると佐々野理乃が出迎えてくれたのが当時は天才は暇だな程度にしか思わなかったが今思うと凄い嬉しい
最もその裏でマリアと名乗る女の陰謀が渦巻いているのは間違いないので油断はできなかったが


驚くことに魔術の塔に所属している研究員は佐々野理乃とマリアと名乗る女を除いて世界中に散り散りになっていた


佐々野理乃……ここからは理乃先輩と記載しよう

理乃先輩曰く魔術の塔に住んでいる研究員は3人だけらしい
そこに私を含んでいるのか別にもう1人居るかはわからなかったが……


順調とは言えないが魔術の塔で理乃先輩とマリアと名乗る女の3人で長らく生活を共にしていたがある日異変が起きた
マリアと名乗る女が無理難題な仕事を持ってきて理乃先輩が居なくなったのだ



私は必死になって捜索したが先輩を見つけることはできなかった


最後の目撃証言は西欧財閥に吸収された魔術貴族 エルメロイの当主 ケイネス・エルメロイ・アーチボルトと決闘したということだけ
実際に行ってみたがその後の行方は知らないと言われた


どうやら世界各地の西欧財閥が運営するコードキャストに関する施設を転々と渡り歩いているようだ
どんな様子だったか聞いてたらどこの人もこう言う

「テレビで見た姿と一緒だったよ、ただ無気力だった。」

無気力……自分の才である魔術回路のほとんどが使い物にならなくなってしまったからだろうか
足跡だけならいくらでも残っているが決してその姿を見ることは敵わず数年が経過した。

そして私は最後の手段に出ることにした


万能の聖杯 ムーンセルを使い先輩を見つけて魔術回路を治療する
聖杯を求める……聖杯戦争に参加するということは西欧財閥の中核ハーウェイ家の次期当主と敵対関係になるということだがそんなものは聖杯を手にすればどうでもいい

問題は自分の力
ほとんどが聖杯戦争に命が掛かっていることを信じずにやってくる甘いウィザードだろうけれど少なからず本当の意味で戦争を知っているウィザードも参加する
ハーウェイ家のみでなく世界中のテロリスト達が……

そもそも優勝するためにはあのハーウェイ家次期当主であるレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイを倒さないといけない

実戦で使えるコードキャストは特殊な毒針を放つ Stab_harm 姿を透明にしたり別のモノのようにみさせる disguise_shape
一応糸島家が現代まで細々と受け継いでいった決着術式(ファイナリティ)もあるが戦闘では使えない


「やっぱりやめとこうかな……」

魔術の塔の一室でそう呟くと外に人の気配を感じた

「何をしてるんですか?」

「あら、どうしてばれたのかしら?」

部屋に入って来たのは修道服の上に無理矢理白衣を着た銀髪の女性
理乃先輩が消えて原因の一端であるマリアと名乗る女
かなり調べたところ ジラント・ウロボロス と名乗っていた時期があったらしいので恐らくそれが名前のようだ
私が知っている中で最も危険な女、理乃先輩や他の出会ったことのない魔術の塔所属のウィザード達は全員この女を異常なまでに信じ込んでいる
その勢力は西欧財閥の中のみでなくテロリストの中にも信奉者がいるらしい
特に最近は指名手配されている破戒僧とよく接触しているという情報を入手した



教会に対してもかなりの権力があるらしく聖人候補とされている

「まさかあんな子供騙しみたいな方法で私に気付かれないとでも思ってたんですか?」

「あらあら、辛辣ねぇ優衣ちゃん」

「優衣って呼ばないでください」

こんなのが聖人だとは笑わせる西欧財閥を中から腐らせ自分に力が集まるように小細工して一体何を企んでいるのか……
理乃先輩と同じように私も信奉者にしようとしているようだが真っ平御免だ

「私は優衣ちゃんのことも理乃ちゃんと同じように愛してるのに寂しいこと言わないで」
「反吐が出ますね、早く本性を露わにしたらどうです?」
「いつだって本心で話しているわ」

睨みつけても怯まず不気味な笑みでこちらを見つめてくる女
眩暈がしてくる

「顔色が悪いわね……見てあげる」
「来るな!触るな!」


部屋から逃げ出してしまう
理乃先輩が居なくなってから最悪の日々だ

出会いこそ酷いものだったが彼女は聡明で私の憧れの人物になった
何より彼女は私のコードキャストdisguise_shapeに騙されなかった

どれだけ別人の姿になっていてもあっさりそれが私だと見破る
ウィザードとしては完敗だが私にはそれが心地良かった

disguise_shapeはただ見た目を変えるだけの能力だが私は自分の姿を変えることで人格を変える才能……のようなものがある
それは多くの姿になればなるほど本来の自分が薄れてしまう
でも理乃先輩が私を見てくれるとそれがリセットされるのだ

だからなんとしてでも理乃先輩を取り戻さなくてはならない
 
 

 
後書き
次から予選始まります

グランドオーダーとCCCがコラボすると聞いて石を溜めていますねー
BBちゃんが欲しい!

では次回予告
マリアさん優衣ちゃんお願いします

優衣 「……この人とやる気はありません」
マリア「あらあら」


あの……次回予告を……
 
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