おぢばにおかえり
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第三十九話 おぢばがえりその九
「いつもね、こうした時は」
「夜遅くまで頑張ってるのね」
「そうなのね」
「そうなの、やっぱりね」
赤点とか取ると厄介ですし。天理高校では四十点以下が赤点になります。
「大学進学もあるし」
「もうすぐね、そっちのテストも」
「二学期ね」
「だからね」
私はこう答えました。
「勉強しないと」
「天理大学ね」
「大学生になるのね、ちっちも」
「ええ、ただ何か」
皆の今の言葉にです、私はふと思ったので尋ねました。
「皆何かあるの?」
「あるのっていうか」
「いや、ちっちの外見見てたらね」
「大学生って感じしないから」
「どうしても」
「そのことね、小さいからっていうのね」
結局高校の三年間も背は伸びませんでした。一五〇のままです。お陰で阿波野君にもいつも小柄小柄と言われています。
「背のことは仕方ないわよ」
「しかも童顔だしね、ちっちって」
「声も可愛いから」
「高校生っていってもね」
「無理がある感じだから」
「そのことはどうしようもないわ」
私自身でもです。
「だって背は伸びないから、もうね」
「成長期終わったから?」
「だからっていうの?」
「まだ努力はしてるけれど」
牛乳も頑張って飲んでいます、子供の時からそうしています。ただ子供の時は背は平均より高い位でした。
「一五〇からはね」
「ひょっとして一五〇ないんじゃ?」
「一四九位かもね、ちっちって」
「どう見ても小柄よね」
「中学生とか小学生並よね」
「だからもっと大きくなりたいの」
私的にはかなり切実です。
「胸だってね」
「もっと大人のスタイルになりたいのね」
「要するにそうよね」
「そう、せめて背は一五五ね」
これ位は欲しいです。
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