オズのアン王女
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第八幕その十
「私もなのよ」
「王女様、国家元首であって」
「そう、働き手の一人なのよ」
「そうなるんですね」
「そうなのよ」
「だから村全体で動いて」
畑仕事にもカリフ王訪問の準備にもです。
「そうしているのよ」
「そうですか」
「そうなの、じゃあ動いていくわよ」
「わかりました、一緒に頑張りましょう」
「私達もいますから」
「頼りにーーしてーー下さい」
大尉とチクタクもお掃除をしてあちこちに飾りものを付けています、この二人もしっかりと働いてくれています。
「寝る必要も休む必要もありません」
「そうしたーー身体ーーなので」
「ですから是非」
「何ーーなりーーと」
「ええ、貴方達にも勿論ね」
アンは二人にも笑顔で応えました。
「頼りにさせてもらうわ」
「はい、それでは」
「共ーーに」
「頑張りましょう、けれどね」
首を傾げさせてこんなことも言ったアンでした。
「これがこれからこの国で起こることかしら」
「違うかもっていうんだ」
トトも自分が出来ることをしつつアンに応えました。
「アン王女は」
「そうであればいいけれど」
「違うかも知れないんだね」
「だって何が起こるかはまだ言われていないから」
だからだというのです。
「ノーム王の訪問かどうかは」
「そこまではだね」
「わからないでしょ」
「結局何が起こるかわからないとね」
「安心出来ないでしょ」
「そうだね」
トトもアンの言葉に頷きます。
「僕はこれかなって思ってるけれど」
「その可能性もあるけれど」
「違う可能性もある」
「そうでしょ」
「そのことは事実だね」
「それじゃあちょっと」
また言うアンでした、荷物を運びながら。
「安心出来ないわ」
「そういうことだね」
「どうもね、まあ何が起こってもね」
「色々対策も考えてきたし」
「備えは出来ているわ」
「そうだね」
「この国だけのことなのは確かだし」
このことは安心しているアンでした。
「まだましだよ」
「若しもね」
ドロシーがここで言うことはといいますと。
「オズの国全体に関わる様な」
「そうしたことならね」
「もっと大変よね」
「そうしたこともあったでしょ」
「ええ、これまで何度かね」
そしてドロシーはその騒動の度に冒険に出て騒動の解決に尽力してきました。このことからもドロシーはオズの国の皆から愛されているのです。
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