機動戦士インフィニット・ストラトスF91
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シー・アーク
「アーサー!アーサー!こんなことをしている時間はないだろ?目を開けてくれよ!」
アーサーは、ガンタンクの近くに着弾したクロスボーンの武器の爆発に巻き込まれ、30mは飛ばされていた。
「もう、眠らせてやれ...」
そう、話しかけてきたのはドワイト。
だって...だって...
「だってよ...アーサーなんだぜ....」
「シーブック...」
「シーブック今は、港に行って脱出ボートを探そう。」
「シーブック!クヨクヨするなんて、貴方らしくないですわ!」
セシリー...
でも、ここから港まで7キロはあるのに...どうすればいいんだ。
そうだ、ガンタンク!
ガンタンクに駆け寄り、状態を見る。
履帯も切れてないし、幸い爆発の影響も受けてないみたいだ。これなら、港まで行ける。
リィズ!セシリー!ドワイト!ジョージ!ドロシーも!皆ガンタンクの上に乗って!早く!
「シーブック...操縦できるのか?」
「大丈夫だドワイト。学校のパワードスーツと.....同じだ!」
港に着く。そこは、もうすっからかんで、誰も居なかった。
「脱出艇はもう無いのか?」
ガンタンクを港で走らせながら、ドワイトに話しかけた。
「あぁ、見たところ全部出て行ったみたいだ。地下港に潜水艇ならあるかもしれない...そこから地下港に入れるはずだ。」
「分かった。」
ガンタンクを地下港への入り口に入れる。かなり、余裕に入ることができた。
「あった、シーブック!あったぞ!」
目の前には、10名用の脱出用潜水艇。
助かった...
「スペースボートの操縦は俺がやる。」
「ドワイト?」
「親父に習ったからな。」
「...え?」
セシリーが、突然地下港の入り口の方に歩いていくと、それに合わせたかのように、クロスボーンのISが入ってきた。
{セシリア・フェアチャイルド!...いや、セシリア・オルコット様!}
ISのパイロットは、セシリーを呼び始めた。
セシリア・オルコット?それってセシリーの名前なのか?
ISは、セシリーをマニュピレーターで持ち上げ、逃げようとする。
{そこのIS!セシリーに何の用だ!}
{私は、ここにおられるセシリア・オルコット様の妹、アンジェリカ・オルコットですわ。これ以上近づくのならば、そのパワードスーツもどきを爆発させますわ!}
そう言って、ISのパイロット、アンジェリカはレーザーライフルをこちらに向けてきた。コクピット内にアラームが鳴り響く...。どうするんだよ...撃つか?でも、こんな骨董品は打てないだろう。
{セシリー、ごめん!}
ガンタンクを後退させ、攻撃の意思がないことを示す。
{よし、それでいいですわ。では、ごきげんよう。}
そう言って、ISは飛び去って行った。セシリーを連れて。
セシリー......「シーブック、今はセシリーの事は忘れろ!」
「ドロシー、無理だよ...]
「バカ!そんなクヨクヨしてたらまたセシリーに笑われちゃうよ!」
「くっ....分かった。」
俺たちは、港に残っていた潜水艇でフロンティア4番島を脱出した。
その後、水面に出ると。軍の大きな潜水IS母艦がいた。
母艦は、港に停泊していた海軍の練習艦だそうだ。
「あなたたちが、フロンティア4の生き残りなのね?」
「生き残り?それって一体どういうことですか、レアリー艦長?」
「代行です。それに君は、副指令のご子息ね?」
「えぇ。」
「それで、生き残りっていうのは、貴方たちが私たちに会う前に浮上しなかったからなのよ」
「まさか...」
「そう、クロスボーンバンガードは脱出艇を全部フロンティア4に帰還させたの。つまりは、住民たちを捕虜にした。コスモバビロニアの国民に仕立て上げるつもりね。」
「そんな...」
ドワイトと艦長が話していても、俺は心ここにあらずだった。セシリー...
「そこのご兄弟は...?」
「あ、僕の学友のシーブック・アノーと、妹さんのリィズ・アノーです。」
「シーブック君と、リィズさんね...アノー?...もしかして、モニカ・アノー博士のご子息ですか?」
モニカ・アノー、それは俺の母親の名前だ。でも、おふくろはバイオコンピューターの研究をするために家を出て行ったきりだ。
「おふくろは...リィズが小さい頃に出て行ったきりで...」
「...すみません。では、皆さん方にも、このIS母艦、シーアークの手伝いをしていただきたいと思います。」
「分かりました。行こう、皆。...シーブックも」
「ああ」
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