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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1641話

 2種類のウイングゼロの設計データと、サンドロックの設計データ、それに色々と有用な各種データや、資材保管庫からガンダニュウム合金を含む様々な資材を奪う事に成功した翌日……俺の姿は、再びウィナー家にあった。
 別に今回は俺が自分からやって来た訳ではない。
 昨日のヒルデの歓迎会で騒いでいた面子がまだ寝坊しているので、今日の午後くらいになったら出発しよう……と考えていたところで、ウィナー家から人が来たのだ。
 それも、黒服……SPとかをやってそうな、ゴツい身体つきの人間が。
 もっとも、何も証拠の類が残っていない以上、幾ら状況証拠が黒であっても、ウィナー家が俺を拘束する事は出来ない。
 結果として、少し話があるという流れで俺は呼ばれたのだが……

「で、そろそろ俺を呼んだ理由を聞かせて貰いたいんだが?」

 部屋に入ってから、10分程。ザイードは全く何も言葉に出さず、ただじっと俺に視線を向けているだけだ。
 ……もっとも、その視線に憎悪の類がないのを考えると、昨日の件で色々と思うところはあれど、実際に俺をどうにかしようとは思っていないらしいが。

「そうですな。このまま黙っていても仕方がないですし、本題に入りましょう。実は昨夜、我が家に何者かが侵入しました」

 その口調は最初に俺と会った時の丁寧なものに戻っている。
 それに少し驚きながら、俺は意図的に驚いた表情を作って言葉を返す。

「へぇ。ウィナー家ともなれば、警備とかは相当に厳重だと思うんだけどな」
「ええ。ですが、残念ながら忍び込んだ相手は相当の腕利きだったらしく、こちらの警備は全く意味を成しませんでした。おや、そう言えばアクセル代表も凄腕の傭兵でしたな」

 臭わせるとかそういうのではなく、これはあからさまな挑発。
 MSの開発データが入ったコンピュータや、H教授を引き渡せと要請し、それが断られたその日のうちにコンピュータとかがある施設に誰かが侵入したのだ。
 状況証拠だけで考えれば、俺以上に怪しい存在もいないだろう。
 だが、それはあくまでも状況証拠だ。そして何より……

「なるほど、俺と同等の腕を持つのなら、侵入した相手ってのも随分と腕利きなんだな。もし可能なら、俺達を臨時にでも警備に雇ってくれればよかったのにな。……ああ、けど昨日は新しくシャドウミラーに入った奴の歓迎会をやってて、店で宴会をしてたからな。そう考えると、残念ながら俺達が警備しようとしても出来なかったか」

 そう、影のゲートによって転移魔法が使える俺にとって、アリバイ工作は非常に容易い行為だった。
 実際、ウィナー家の施設に俺が侵入したのと殆ど時間が変わらない時、俺の姿は店の中にあったのだから。
 その辺りは、店や街中にある監視カメラが証明してくれる。
 施設が襲撃された直後……には俺の姿は店の中にあったのだから。
 この辺りは監視カメラの類だけではなく、店の人間も証言してくれるだろう。
 色々と……そう、本当に色々と騒がしかったからな。
 最終的には、店の中にいる他の客も巻き込んでの大宴会となったのだから。
 ……それが原因で、このコロニーから出発する時間が大幅に繰り上がり、こうしてウィナー家に呼ばれる事になってしまったのだが。
 俺をここに呼び出したザイードも、当然俺を含めてシャドウミラーの面々にアリバイがあるというのは分かっているのだろう。
 その辺りを暗に告げると、言葉に詰まる……かと思いきや、表情一つ変えないままに、話題を移す。

「そう言えば、シャドウミラーはMS輸送機は独自に保有していても、宇宙船は連合宇宙軍から借りているとお聞きします。だとすれば、それを動かしているのも、連合宇宙軍の軍人だとか?」

 なるほど、そう来たか。
 いや、だが考えてみればそれ程不思議な事じゃないのか?
 そもそもの話、俺達にアリバイがあって動けなかった以上、俺達の味方でありながら完全にアリバイを把握出来ていない者達を怪しむのはおかしな話じゃない。
 勿論、連合軍の軍人が全くコロニーの中に出掛けなかった訳ではない以上、市街地でのアリバイはある程度確認されるだろう。
 だが、具体的にどれだけの人数がいたのか分からない以上、ザイードが疑いを持つのはおかしな話ではなかった。

「残念ながら、連合軍の軍人とはそんなに親しい訳じゃなくてな。シャドウミラーの連絡役として派遣されている2人なら、俺達と一緒に歓迎会に参加していたが」

 そう告げると、ザイードはそれ以上何も言えなくなる。
 当然だろう。元々昨日の侵入の件は、何も証拠の類は残していない。
 それこそ、昨日俺がやってきた時の話から、状況証拠で怪しまれているにすぎないのだから。
 ガンダニュウム合金を始めとして、盗まれた資材を探す名目で臨検でもしてくれれば、寧ろこっちが圧倒的に有利な立場になれる。
 俺達が乗ってきた船を隅々まで探しても、ウィナー家から盗み出された資材は一切見つからないのだから。
 だが、ザイードはそれを口に出す様子はない。
 中々に慎重だな。……まぁ、俺のアリバイがしっかりとあるのを見て、分かる場所に堂々と盗んだ代物を置いておくとは考えてないのかもしれないが。
 それとも、連合軍の船に臨検をしようとしても、それは許可されないとでも思ったか?

「なるほど。あくまでもシャドウミラーと連合軍は別組織だ、と?」
「そうだな。前にも言ったと思うが、シャドウミラーはあくまでも傭兵だ。そして今は連合軍に……具体的にはノベンタに雇われて、直轄の即応部隊として動いている。本来地球にいた俺達が、今こうして宇宙にいるのもそれが理由だし」
「それは大変そうですな。しかし、その最中にも戦力を増すべく行動に出るのは、正直どうかと思いますが?」

 戦力の増強。これが何について言ってるのかというのは、明白だ。
 それこそコンピュータからガンダムのデータやら研究内容やらを盗み出した事もそうだし、ガンダニュウム合金を含めた資材の件もだろう。
 だが、当然それを盗み出したのは俺ではない以上、そちらについて口を滑らせる事はない。

「H教授の能力があれば、シャドウミラーとしての戦力も大きくなると思ったんだがな」

 そう言いはするものの、実際にはH教授を味方に引き入れても、他の科学者達に比べるとそんなに利益はないような気がする。
 そもそもの話、H教授の専門分野はコックピットシステムだ。
 ゼロシステムとして考えればそれなりに有効かもしれないが……ぶっちゃけ、そのゼロシステムは非常に使いにくい代物だ。
 ドロシー辺りを連れてくれば最初から自由自在にゼロシステムを使いこなす事も出来るのかもしれないが、ドロシーがシャドウミラーに協力するかと言われれば、否と言わざるを得ないし。
 デュオや五飛は、原作を見る限りではゼロシステムを使いこなすにも暫くの時間が必要となる。
 俺はそもそもゼロシステムを使う必要がないし……ああ、綾子なら結構いけるか?
 半サーヴァント能力があれば、ゼロシステムにもそう簡単には負けないだろう。
 ともあれ、H教授の専門分野で一番有用なのがゼロシステムで……それ以外となると、何だ? 原作でカトルがサンドロックで自爆しようとした時、コックピットから脱出させた、あのシステムか?
 それ以外の、一般的な研究という意味では、勿論使えるのだろうが。
 ともあれ、H教授についての話が出るとザイードは表情を少しだけ歪める。
 まさか、この程度で俺に自白させようとしていたとは思わないが、向こうに打てる手が殆どない以上、どうしようもないのだろう。
 ……ただ、こうなってしまうとカトルを味方に引き入れるのはちょっと難しいかもしれないな。
 指揮官に向いているし、事務仕事とかも普通に出来、人当たりもいい。
 そう考えれば、カトルってのは結構万能な存在なんだが。
 それこそ、サリィ以上に。
 もっとも、狂気を秘めている一面があるのは、原作でウイングゼロを使い暴走したのを見れば明らかだが。
 ただ、この歴史ではバルジ消失に伴い、OZの宇宙での活動がかなり縮小している。
 原作のように、ザイードを……ウィナー家を貶めて資源衛星の管理権を奪うような真似は出来ないだろうから、ああいう暴走は起きないと思う。
 また、暴走するにしてもガンダニュウム合金を含めた資源はその全てをこっちで奪ってあるので、ウイングゼロを作ろうとしても原作より時間が掛かる筈だ。

「さて、紅茶は美味かったが……こう見えて、俺も忙しい身だ。そろそろ連合軍の基地に戻る必要があるから、この辺で失礼させて貰いたいんだが……構わないかな?」

 証拠がないのに、これ以上引き留めるような真似をするな。
 そんな緯線を向けられたザイードは、数秒の沈黙の後にやがて頷きを返す。

「うむ、分かった。だが……最後に1つだけ聞きたい。君は……いや、君達シャドウミラーは、この世界に何をもたらすのかね?」

 この世界という言葉に、少しだけ驚く。
 だが、ザイードは別に俺が他の世界からこの世界にやってきた事を理解している訳ではなく、あくまでも比喩としてそう告げたのだろう。
 それに気が付くと落ち着き、最後に残っていた紅茶のカップに手を伸ばしながら口を開く。

「何を、か。……それは俺達に聞くにしても、随分と抽象的な質問だな。俺達は別に世界の命運をどうこう出来るような存在じゃないぞ? 結局のところ、ただの傭兵だ」
「君達が傭兵だというのは異論はない。だが、ガンダムという高性能MSを2機も所有し、同時にそのガンダムを複数敵に回してもやり合えるだけの……今ではシャドウミラーの象徴、そしてこの地球圏で最強のMSと呼ばれるトールギスを操る傭兵団だ。戦力的に考えれば、私の考えは決して間違ってはいないと思うが?」

 綾子の操るトーラスが戦力の中に入っていなかったのはどうかと思うが、ザイードの疑問は正しい。
 だからこそ、ノベンタも俺達を取り込むべく、色々とこちらに有利な条件で契約を結んでいるのだから。
 ……まぁ、その分思い切り働かされてるのを考えると、五分の関係と言ってもいいだろうが。

「そうだな……今のところは、この世界の平穏かな?」

 これは決して嘘ではない。
 ホワイトスターとの連絡が付かない以上、いつまでこのW世界に滞在する事になるのかは分からないが、それでも下手をすれば10年、もしくはそれ以上の長い間滞在する可能性もある。
 ……まぁ、凛が宝石剣を使ってホワイトスターに帰る事が出来るという可能性もあるが……その辺り、どれだけ成功の見込みがあるのかは、俺にも分からない。
 宝石はそれなりに渡しているんだし、出来ればそうなると一番楽なんだが。
 ともあれ、荒事が得意な俺だが別に好きで戦争の中を生きている訳ではない。
 出来れば普通に……平穏に暮らしたいという思いもないではないのだ。
 そう、出来れば俺と凛と綾子の3人で爛れた生活を……いや、それはそれで不味いか。
 とにかく、OZが……ロームフェラ財団が治める世界で暮らすというのは絶対にごめんだし、戦国時代さながらに多種多様な勢力が乱立している状況も面白くはない。
 理想的なのは、やっぱりノベンタのような穏健派がトップを務めている組織が世界を治めてくれる事だ。

「その言葉……信じてもいいのかね?」
「信じられないならそれでもいいさ。別にウィナー家が俺を信じられないからって、利害がぶつからない限りはこっちもどうこうしようというつもりはないし」

 そう告げると、それ以上は何も言わなかったのでそのまま最後の紅茶を飲んでから、席を立つ。
 向こうも特にこっちを止めるような様子もなかった為、そのまま部屋を出てウィナー家の屋敷も出たのだが……

「さて、どうやって帰ればいいんだろうな」

 いざとなれば影のゲートでの転移という手段もあるが、間違いなく見張りが付いているだろう現状でそんな真似をするのは馬鹿らしい。
 だとすれば、歩いて帰るか? それもまた時間が掛かりすぎる。
 車か何かを借りて……

「失礼します。ザイード様から宇宙港までお送りするように言われたのですが……」

 そんな風に考えていると、近付いてきた男がそう告げる。
 ……まぁ、考えてみればザイードの手の者が半ば強引に俺をここまで連れてきたんだから、帰る時に送るくらいに事はするか。
 だとすれば、向こうにとっても特に他意はないんだろう。
 もし何か企んでいたとしても、それで墓穴を掘るのは向こうだし……何より、自分で車とかを探さなくてもいいのは助かる。

「分かった。なら、頼む。本来ならもうこのコロニーを出発していた時間だし、出来れば急いでくれれば助かる」

 暗にお前達に呼ばれたせいでスケジュールが狂ったと告げれば、それを理解したのだろう。男は申し訳なさそうに深々と一礼し、口を開く。

「ザイード様から、今回の件に関しては後日改めて謝罪をしたいとの話を受けております」

 ……謝罪、ね。
 まぁ、ガンダニュウム合金はあればあるだけいい。
 資源の豊富なウィナー家のコロニーに貸しを作っておいて悪い事はないだろう。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1327 
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