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オズのアン王女

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第五幕その十

「別にね」
「そうなの」
「ただ、顔を見て気付いたんだ」
「私も?」
「僕顔の相がわかるけれど」
「じゃあ私の相も見て」
「うん、君はね」 
 アンはといいますと。
「これから大きなことが起こるね」
「大きなこと?」
「うん、そして最後にはね」
 どうなるかといいますと。
「いい結果に終わるね」
「そうなの」
「そう出ているよ」
 お顔にというのです。
「僕が見た限りだとね」
「いいことね」
「大きなことが起こってね」
 そしてというのです。
「そうなるよ」
「じゃあ」
 アンは梟の自分への話から思いました、今自分達がウーガブーの国へアンにとっては戻っているのかをです。
「やっぱり」
「そうかも知れないですね」
 大尉がアンに応えました。
「やはり」
「これからウーガブーの国で起こることね」
「それが大きなことで」
「それが最後はいいことになる」
「そうかも知れないですね」
「そうね」
 アンは大尉の言葉に考えるお顔になって言いました。
「話が合わさってるから」
「その可能性はありますね」
「僕は君達の事情は知らないけれど」
 それでもとです、梟はまた言ってきました。
「アン王女のお顔には出てるよ」
「そういうことね」
「頑張ってね」
 梟はアンにエールも送りました。
「そうしてね」
「うん、それじゃあね」
「是非ね、じゃあ僕は」
 梟はここまで言ってそして今度はこう言いました。
「少し寝るよ」
「夜までなのね」
「梟だからね」
 梟は夜行性です、それでなのです。本来は昼に寝て夜に起きるものです。だからもう寝るというのです。
「ちょっと目が覚めて君達を見掛けたけれど」
「会ったのも縁かしら」
「そうかも知れないね」
「この森は何度か通ってるけれど」
「僕に会ったのははじめてだね」
「そうだったわ」
 見れば梟の羽毛は黄色いです、ウィンキーの梟だけあって。
「貴方にはじめて会ったわ」
「僕もアン王女の名前は知ってたけれど」
「それでもなのね」
「はじめて会ったよ」
「この森にいても」
「何度も通る場所でも会えない時もあるね」
「そうね」
「時と場合によるよ」
 誰かと誰かが出会えるにはです。
「そういうものだよ」
「全く以てそうね」
「じゃあ会えたから」
「これからね」
「宜しくね」 
 二人で笑顔でお話するのでした、そしてです。
 梟は何処かに消えました、梟の姿が見えなくなってでした。皆は再び出発しますがアンはその中で思うのでした。
「何かあるのは間違いないね」
「そうーーですね」
 チクタクがアンに応えます。 
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