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転生とらぶる

作者:青竹
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1627話

 尋問の結果は、当然のように連合軍を驚愕させた。
 バートン財団というのも、連合軍ではそれ程有名ではなかったのだろう。
 それはバートン財団が自分達の素性を上手く隠していたからか、それとも連合軍がバートン財団を全く重視していなかったからか。
 残念なのは、凛が暗示を使った男の口からマリーメイア・クシュリナーダの名前が出なかった事か。
 まぁ、バートン財団にとってマリーメイアの存在は非常に重要な代物だ。
 それを地球に派遣する相手に教える必要はないといったところか。
 実際あの男は捕まったのだから、危機管理という意味では間違いなく正しい。
 ともあれ、凛と男の話を聞いていたサリィやこの基地のお偉いさんは、すぐさま上にこの情報を報告した。
 それでも連絡を取る人物が限られていたのは、やっぱり連合軍の中にもバートン財団のスパイがいると思っていたからだろう。
 連合軍に所属している者であれば、OZやバートン財団に通じている者がいると考えても何の不思議もないし、寧ろ納得出来る事である。
 だからこそ、連合軍の中でもお偉いさんに連絡が取られ……更には俺達の伝手も使って、確実に情報漏洩をしない相手……連合軍のトップ3に連絡を取る事になった。
 セプテムは現在地球ではなく宇宙にいるのだが、バートン財団の本拠地が最新のコロニー、X-18999コロニーだという事もあって、そっちにも連絡がいった。
 この場合、セプテムが宇宙にいるというのは結果として良かったのだろう。
 宇宙はバルジの件もあって、連合軍が圧倒的に優勢だ。
 恐らく近い内にX-18999コロニーに査察が入るのは確実だろう。
 連合軍がコロニーに対する宥和政策を取るようになっても、それはあくまでも友好的な姿勢を崩さない相手についての話だ。
 ここまで明確に敵対姿勢を取った以上、X-18999コロニーは敵対組織の本拠地と見なされるだろう。
 まぁ、コロニーの中にはバートン財団とは関係のない奴もいるのかもしれないが……その辺りは運が悪かったと思って貰う必要がある。
 勿論、セプテムも現在の連合軍の状況は理解している以上、好き好んでコロニーの中で戦いを行い、被害を大きくするとは思えないが。
 ともあれ、現在宇宙ではX-18999コロニーに対する査察の……そして戦いの準備が行われている筈だ。
 それはいい。それはいいんだが……

「で、そのコロニーに対する攻撃をするのに、俺達も宇宙に行けと?」

 映像モニタの向こう側にいるノベンタに対し、そう言葉を返す。
 我ながら少し呆れたような声になったのは、ある意味当然の出来事なんだろう。

『うむ、そうなる。アクセル達シャドウミラーには、色々と迷惑を掛けるが、出来ればこの依頼を引き受けて貰いたい』
「そう言ってもな。そもそもの話、まだ今回の依頼のOZの水中用MS部隊の撃破ってのも、中途半端にしか達成してないぞ?」

 第3勢力……バートン財団の攻撃の為に陽動として、もしくは俺達がその場にいなければ予定通りに基地を殲滅していたのかもしれないが、結果はともあれ俺達との戦いでOZの水中用MS部隊は大きな被害を受けたが、別に全滅させたという訳ではない。
 それどころか、水中用MS部隊を率いている人物――アレックス――を捕り逃がしてしまってすらいる。
 ここで下手に俺達が手を引いて宇宙に移動すれば、それこそこれ幸いとばかりにOZは活動を活発化させるだろう。
 今地球上で連合軍とOZが、連合軍側優勢なままで膠着状態にあるのは、あくまでも俺達が……シャドウミラーがいるからというのも大きい。
 その中には、明確にはシャドウミラーの仕業と分からないような事もある。
 具体的に言えば、俺がOZの基地に忍び込んでMSとかを奪ってくる、とか。
 実際そのおかげで、連合軍がOZの基地を攻めた時にはろくな抵抗もないままに占領したって話も聞くし。
 それとロームフェラ財団に対する攻撃……とか? うん、多分。屋敷とかを潰すのは攻撃で間違いないだろうし。
 ともあれ、OZの基地云々については、今のところシャドウミラーの仕業と知られてはいない。いないが……それがなくなれば、当然OZはきちんと反撃が可能になって強くなる。

『全て承知の上だ』

 OZの基地云々はともかく、それ以外の件を含めてもシャドウミラーに宇宙へ行って欲しいと、そう告げるノベンタ。
 何でそこまで俺達に宇宙へ行って欲しいんだ?

「何故だ? 宇宙は現在バルジがなくなったおかげで、OZの勢力は低い。そっちの押さえとして幾らか用意して、X-18999コロニーに向かえば、どうとでもなるだろ?」

 そんな俺の言葉に、ノベンタは頷く……と思っていたのだが、首を横に振る。

『いや、残念だがそう簡単な話ではない。確かに現在の宇宙は、連合軍が圧倒的に有利だ。だが、連合軍もそれだけの余裕がある訳ではない。それこそ、バルジが消えた現象が、いつコロニーに起きるかというのは、強い不安を抱く原因になっている』

 あー……そうなるのか。
 俺や凛、綾子の3人は、バルジが消えたのが空間倉庫に収納したからだと分かっている。
 だが、それはあくまでも俺の能力を知ってるからこそ理解出来る事であり、何も知らなければ……特にその状況で宇宙にいる者であれば、いつバルジと同じように自分達が住んでいるコロニーが消えるかもしれないと不安を抱いてもおかしくはないのか。
 ちょっとしくじったな。
 別に俺はW世界の全員に対してそんな思いをさせるつもりはなかった。
 OZとの一件が片付くか……いや、ホワイトスターと連絡がついたら、俺の能力でバルジを奪ったという風に公表した方がいいか。

「そう言われると、納得するしかないが……理由はそれだけなのか?」
『いや。OZの無人兵器……MDといったか。それの解析に時間が掛かっている。こちらもまた、バルジにある大本のコントロールシステムがなくなり、簡易的なシステム変更しか出来ないのが原因だ』
「……なるほど」

 こっちもバルジが原因か。
 MDシステムの大本は、原作だとビルゴを作っていた月基地にもあったが、この世界だと月基地はまだ連合軍が所有してる。
 そうなると、やっぱりMDのシステムを解析するのに連合軍の技術者では時間が掛かってるんだろう。
 ガンダムを作った科学者達には及ばないが、それでもやっぱりツバロフは有能な人物だったという事か。

「つまり、OZがMDを使って攻めて来た時、連合軍ではMDで迎撃出来ないのか?」
『出来るか出来ないかで言えば、出来る。だが、それが万全の状態ではないのも確かだ』
「現在の宇宙は連合軍が有利であっても、絶対的な有利ではないと?」
『うむ。勿論戦力の消耗を全く考えなくてもいいのであれば、こちらが勝つだろう。だが、バートン財団という第3勢力の存在が明らかになった以上、それも出来ん』
「まあ、そうだろうな」

 皮肉にも、バートン財団という敵が現れたからこそ連合軍はOZに対して強気に出る事が出来なくなってしまった訳だ。
 勿論情勢としては連合軍が圧倒的に有利なままというのは変わらないが。

『それに、そこの基地にはアクセル達が鍛えたエアリーズ隊を出す予定になっている。宇宙では、どうしても連合軍はMSの性能差で不利なのだ』
「リーオーしかないしな」
『トーラスの有人機もある程度手に入れたが、そちらはまだ熟練度不足なのだ』
「で、結果としてX-18999コロニーの対処が俺達に回って来た、と」

 そう告げると、ノベンタは頷く。
 向こうにとって、バートン財団というのはOZ程に大きな勢力ではないが、それでも放っておける程の余裕があるって訳でもない。
 そうなれば、やっぱりシャドウミラーに話が回ってくるのも仕方がない、か。
 にしても、バートン財団の名前といい、本拠地といい……完全に劇場版のフラグを折りまくっているな。
 第3勢力の正体として疑っていたが、まさか本当にバートン財団が出てくるとは思わなかった。

『どうだろう、頼めるか? 勿論そちらに無理を言う以上、報酬は弾もう』

 ……さて、どうしたものか。

「そうだな、その件を引き受けるのは別にいい。報酬については凛と相談して貰う予定だが、基本的にはガンダニュウム合金を希望する」
『分かった。どのくらいの量なのかは、担当の者と交渉してくれ。……言っておくが、今度は負けないと張り切ってたぞ?』

 少しだけ愉快そうに笑いながら告げるノベンタ。
 まぁ、凛と交渉してかなり毟り取られてるからな。
 次こそは……と、そう思っても仕方がない。

「まぁ、頑張ってくれ。それで、俺達はこれからどうすればいい?」
『ニューエドワーズ基地に打ち上げ施設があるから、こちらにやって来てくれ。そちらの基地には話を通しておく』

 そう告げ、通信が切れる。
 ……さて、つい先日まで海戦をやってたかと思えば、今度は宇宙か。
 シャドウミラーの面々は、どう思うだろうな。
 そんな疑問を抱いていたのだが……

「まぁ、元々私は連合軍とのパイプ役ですので、宇宙に行くのには全く問題ありません」

 と、サリィ。

「え? 宇宙? まぁ、久しぶりに里帰りするのもいいかもな。コロニーの様子も気になるし」

 と、デュオ。

「宇宙、か。……ふむ、老師に今の俺の力を見て貰うのはいいかもしれんな」

 と、五飛。

「宇宙? 宇宙かぁ。あたしは初めて行くけど、どうなんだろうな」

 と、綾子。

「ふーん、宇宙か。でも、出来れば決めるよりも前に私に相談くらいはして欲しかったわね。書類とかそっちも色々と忙しいんだから」

 と、凛。
 ……このように、まさかと言うべきか、宇宙に行くのは概ね賛成の者が多かった。
 だが、考えてみればこれは当然だろう。
 まず、五飛とデュオは元々がコロニー生まれで宇宙に行くというのは、半ば里帰りに近い。
 サリィも、軍人としてシャドウミラーが行くのであれば特に問題ない。
 凛と綾子は、そもそも宇宙に行くのが初めてなのだから、寧ろ楽しみにしていると言ってもいい。
 こうして考えた場合、反対する者がいないのだ。
 これで、普通の連合軍の軍人とかがいれば、話は多少違ったかもしれないが。

「あー、悪い。ただ、ノベンタから話を聞いた限りだと、宇宙の方もそんなに余裕がある訳じゃないらしいんだよな。だから、結果としてこっちで引き受ける事になってしまったんだが……悪いな、出来れば凛に説明してから話を受けるべきだった」
「……べ、別にいいわよ。アクセルがいいと思って引き受けたんでしょ? なら、構わないわ」

 こうして素直に謝罪されると弱いのは、凛らしいよな。
 照れくさい性格というか……
 何度となく肌を重ねても、それでもやっぱりこういうのには弱いらしい。

「それで、凛にはいつものように連合軍の交渉を頼む。今回の報酬は、以前以上のガンダニュウム合金だ。その分量を交渉するんだが……ノベンタの話によると、交渉の担当の奴が今度は凛に負けないように気張ってるって話だったぞ」
「あら、そう? うふふ。それは少し面白そうね」

 数秒前の照れくささを一気に消した凛は、嬉しそうな……本当に心の底から嬉しそうな笑みを浮かべる。
 話を聞いていたデュオが、頭を手で覆っているのは……いわゆる、やっちまったなという気分なんだろう。
 日頃から凛にいぢめられているだけあって、デュオはその手の気配には敏感だ。
 それが喜ぶべき事なのかどうかは分からないが。
 ともあれ、とばっちりが自分に来ないようにと、デュオは……そして五飛までもが、そっと凛から視線を逸らしている。
 まぁ、その気持ちは分からないでもない。
 この手の仕事をしている時の凛は、色々と凄いし。
 ……連合軍から派遣されているサリィは、少し複雑な表情だが。

「とにかく、数日中……それこそ、早ければ明日にでもこの基地を発つだろうから、それまでに挨拶回りとかは済ませておいてくれ」

 その言葉に、全員が頷く。
 この基地のメンバーはシャドウミラーに対して好意的な者が多かった。
 おかげで、ルクセンブルク基地の時よりも、個人としての付き合いは多い。
 特にデュオなんかは、シャドウミラーに入ったばかりだが、その人懐っこさで多くの軍人と関わりを持ってたしな。
 凛や綾子は……男からは美人を嫌いな男はいないと言わんばかりに好意的な視線を向けられ、女からは憧れの視線を向けられる事が多かった。
 当然そんな好意的な視線だけではなく、中には性的な視線、自分の恋人や夫が目を奪われた事による嫉妬の視線といったものもあったが。
 サリィも、凛や綾子程ではないにしろ、同じような感じだ。
 無愛想な五飛や、シャドウミラーの代表として畏怖の視線を受けている俺もまた、ある程度の付き合いがある者が多かった。
 ……この基地、それだけ気のいい奴が揃ってたってことなんだろう。
 水中用MS部隊を撃破して、安全を確保しておきたかったな。
 まぁ、俺達が鍛えたエアリーズ隊が来るんだから、取りあえずこの基地がすぐに陥落するなんて事はないだろうが。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1120
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1326 
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