提督はBarにいる・外伝
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提督はBarにいる×ガンバスター編・その3
「でも、たこ焼き器って勿体無いですよねぇ。だってタコヤキしか作れないなんて……」
おっと、そいつぁ偏見ってもんだぞプリンツ。
「甘いなぁ……あの形を活かして色々な料理が作れるんだぞ?」
折角の機会だし、そういうレシピをご披露しよう。
《皮がパリッと!一口焼き焼売》
・鶏モモ挽き肉:200g
・おろし生姜:15g
・絹ごし豆腐:1/6丁
・干し貝柱:5~6個
・干し椎茸:2枚
・焼売の皮:30枚
・醤油:大さじ1
中華の定番・焼売って奴は家で作ろうとすると成形が難しくて中々作ろうという気が起きない。しかし、蓋付きのホットプレートタイプという限定条件はあるが、たこ焼き器を使うと案外手軽に作れてしまう。
まずはタネの支度から。干し椎茸と干し貝柱はぬるま湯等に浸けて戻してやる。戻し汁は使わないので、中華スープに再利用する等、各自で対処してくれ。
鶏挽き肉におろし生姜、絹ごし豆腐、戻した干し椎茸と貝柱を刻んで加え、醤油も加えてよく練ってタネを作る。
焼売の皮を広げ、その中心にタネを一口大に丸めて置く。軽く形を焼売っぽくしたら、タネの中央にミックスベジタブルを1粒載せる。そこまできっちりと成形する必要はないぞ、たこ焼き器の穴が形を整えてくれるからな。
たこ焼き器の穴に加熱前の焼売を入れていき、穴の隙間に水を小量入れていく。セットが出来たら加熱を始め、蓋をして10分蒸し焼きにする。
10分経ったら蓋を取り、2~3分焼く。こうする事で皮がパリッと焼き上がるぞ。これで完成だ。食べる時にはお好みのタレや辛子を付けながら。
「おぉ……!皮がパリパリしていて美味しいぞアトミラール!」
グラーフは驚いた様に目を丸くして、たこ焼き器からヒョイヒョイと焼売を摘まみ上げて口に運んでいる。他の3人もこれには驚いたようで、リアクションは様々だが食事を楽しんでいるようだ。
「ふぅ……レオに聞いていた以上の腕前ね。とっても美味しい料理だわ」
「お褒めに預かり光栄だね」
少し腹を落ち着けたいと、料理を出すのをストップして会話を楽しむ。ビールばかり飲んでいたビスマルクも、会話を楽しむ為なのか、それとも目先を変えたかったのかワインに杯を切り替えている。
「そうネー、darlingの料理はいつでもspecialでdeliciousなのデース!」
フンス、と鼻息荒く自慢している金剛。いや、別にお前が自慢する事じゃあねぇと思うんだが。
「そう言えば、貴女とマスターはケッコンじゃない本当の結婚をしていると聞いたが?」
「イエース!私とdarlingは相思相愛なのデース!」
「アトミラールさんとの愛情なら私達も負けませんよ!」
他の鎮守府の嫁艦同士、何かしら通ずる物があるのだろうプリンツとグラーフ、そして金剛の会話が弾んでいるようだ。
「そういえばマスターと貴女の夜の営みはどんな感じなのだ?」
「アー……それはデスねぇ」
金剛がこちらにチラリと視線を送ってくる。話しても大丈夫だろうか?という意思確認だ。コクリと頷いてやると、
「darlingはとってもtoughデスね。嫁艦が30人居ますから、毎日相手が大変なはずデスが、ちゃんと仕事もこなしてるのヨ?」
「さ、30人ですか!?」
「毎晩1人ずつ相手しても1ヶ月かかる計算か……」
話を聞いていた二人が唖然としている。30人の嫁艦とは言っても霧島は他の男に嫁いだ訳だから俺は手出ししていないので、正確には俺が相手しているのは29人だ。……この人数だと1人位は誤差だと言われてしまいそうだが、正確な数という奴は案外大事である。
「それに、昼間は仕事、夜はBarをやってるから休憩の合間とかに嫁艦の相手してるネ」
……おい、何もそこまで赤裸々に語らなくても良いだろうに。2人は( ; ゜Д゜)←こんな顔でこっちを見ている。思わず視線を逸らしてしまった。蔵井の奴も苦笑混じりに
『相変わらずですね』
とでも言いたげな視線をこちらに送ってくる。うるせぇ、ほっとけ。
「じゃ、じゃあそっちの夫婦生活はどんな感じなノ?」
「えっと、私達はねぇ……」
少し含みを持たせた笑みを浮かべたビスマルクが金剛の耳元に口を近付ける。
「……で、……………な…したり」
「what!?」
ボンッと音がしたんじゃないかという位、金剛の顔が一気に赤くなった。恐らくは蔵井達の『夜の生活』の『プレイ内容』を聞かされているのだろう。顔を真っ赤にしてアワアワしている。
説明してある通り、蔵井の性癖は結構特殊な部類に入る。俺も同様にドSだと呼ばれたりはするが、それは訓練の時等が殆どで、流石に夜戦(意味深)の時にまでわざわざ嫁さんの身体を傷付けたりしたいとは思わん。……まぁ、求められれば吝かではねぇが。しかし蔵井の場合はそれを嫁達も求めてるってんだから、ウチとはまた違う意味でハードな夜なんだろう。お返しとばかりに
『テメェも大概じゃねぇか』
と視線を送っておく。当然ながらそっぽ向かれたよ。すげぇ気まずい空気が流れている店内で、空気を変えようと口を開いたのは蔵井の奴だった。
「そうだ、ワインに合うたこ焼……というのは作れるでしょうか?」
「あぁ、あるよ。イタリアン風なたこ焼になるけどな」
ウチの常連と化したイタリア組の連中が、タコヤキが食べたいとゴネた時に作ったレシピがあるのだ。
「じゃあそれを」
「あいよ、仕込みに時間かかるから、ちょっと待ってな」
《ワインにも合う!イタリアンバジルたこ焼き》
・薄力粉:200g
・片栗粉:大さじ2
・水:250cc
・卵:1個
・塩、胡椒:少々
・ドライバジル:大さじ1
・スライスベーコン:4枚
・ピザ用チーズ:適量
・プチトマト:10個
・オリーブオイル:適量
・ケチャップ、マヨネーズ:適量
まぁこれもたこ焼とは名ばかりでタコ入ってねぇんだけどな、まずは具材の支度からいくぞ。プチトマトはヘタを取って半分にカットし、ピザ用チーズも入れやすいように細かくしておく。ベーコンは生地に混ぜるので細かく刻んでおこう。先にフライパンで炒めて、カリカリベーコンにしても美味いぞ。
ボウルに薄力粉、片栗粉、卵、塩、胡椒、ドライバジルを入れて混ぜ、水を加えて伸ばしていく。片栗粉がポイントで、普通のたこ焼きよりもしっかりとした焼き上がりになる。生地が粗方混ざったら、ベーコンを加えて合わせておく。
さぁ焼くぞ。たこ焼き器にオリーブオイルを塗り、温まったら生地を穴の9分目まで流し込む。手早くトマトとチーズを入れたら、ひっくり返しながら丸く焼いていく。
「おぉ……なんだかピザのような香りだな」
まぁ、入ってる物を考えればほぼピザだもんな。トマトにバジル、チーズにベーコン。完全にボール状のピザだ。焼き上がったらマヨネーズとケチャップをかけて、お好みで粉チーズを振って完成。
「ハイよ、『イタリアンバジルたこ焼き』だ。……タコは入ってねぇがな」
「ボール状のピザなんて、とってもユニークだわ!」
「それにおいひぃですよビスマルクねえひゃま!」
さて、じゃあもうひとつボール状にしてビックリされる料理を作ろうかな。
「ンー?darling今度は何作るデスか?」
「今度は『チヂミ丸』だ。韓国のお好み焼き……チヂミをたこ焼き器で丸くするのさ」
こいつがまた酒に合うんだよ。長くなったから、作り方は次回だがな。
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