Three Roses
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第三十三話 落ちる薔薇その七
「二人が戻るまで」
「マイラ様がですね」
「何とか生きられる」
「そうされて欲しいのですね」
「そうも思われていますか」
「はい、どうもです」
マリーは不安を覚えた、言うまでもなく姉のことでだ。
「病の進行が速い様な」
「言われてみれば」
キャスリング卿もマリーの言葉にはっとして述べた。
「論戦があってからまだ日が浅いですが」
「それでもですね」
「はい、あの時からどうもです」
「急にですね」
「マイラ様は出なくなられました」
「それも日を追うごとに」
「それを見ますと」
どうにもというのだ。
「あの方のご病気は」
「非常にですね」
「進むのが早い」
「そうですね」
「これまでの三代の王の方々と比べましても」
ロドネイ公も言った、不安な顔になり己の顎に左手を当てたうえで。
「病の進みがです」
「やはりですね」
「早いです、同じ病ならば」
三人の王達とだ。
「そうであると」
「危ういですね」
「典医の話ですが」
ロドネイ公は宮中にいるこの者の話も出した。
「マリー様のお父上、弟君、叔父上であられた」
「三代の王の方々はですね」
「同じ病だったとか」
「そしてですね」
「マイラ様もまた」
彼女もというのだ。
「その様ですから」
「では」
デューダー卿も言う、普段の明るさはなく暗い顔で。
「エヴァンズ家の血の中にある病で」
「お姉様もですね」
「その病に伏せておられ」
「進みがですね」
「早いのでしょう」
そうではないかというのだ。
「あの方も」
「それでは」
「はい、文を書かれたことは」
マリーがセーラとマリアにだ、すぐにそうしたことはというのだ。
「よかったと思います」
「やはりそうですか」
「迅速だったと」
「お姉様のことも思うと」
「よかったと思います」
「間に合えば」
「少なくとも遅いとです」
マイラの病の進行の早さを考えるとだ。
「よかったです」
「行動は時として早く」
「それが幸いしたかと」
「私はどうもです」
マリーは自分の気質をよく理解している、そしてその気質を踏まえたうえで言った。
「決断に時間がかかります」
「そう言われますか」
「考えている時間が」
熟考するのだ、何に対しても。特に政治のことは。
「その為決断は遅いですが」
「しかし行動は」
「早いでしょうか」
「一度決められると」
「そうですか」
「そして今回はそれが特にです」
「幸いしているのですね」
デューダー卿に顔を向けて彼に問うた。
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