Blue Rose
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第四十三話 あえてその場所にその十三
「だからね」
「その連中は報いを受けるだけですか」
「そうよ」
そうなるというのだ。
「だから気にせずにね」
「俺達は優花を守る」
「このことだけを考えるのよ」
「難しいことは考えずに」
「難しいことを考えてもよ」
優子は微笑んで言った。
「思考というカロリー消費を行うだけよ」
「それだけですか」
「それもまたいいけれど」
「今は、ですね」
「動くべきでもあるから」
それ故にというのだ。
「動くのよ」
「だからあえて難しいことは考えないで」
「そこまではね」
「動くことですね」
「そう、そちらのカロリー消費も行っていくわよ」
「わかりました」
「あと貴女はね」
妹にもだ、優子は声をかけた。
「囮というか」
「そうした立場で」
「そう、佐世保まで行ってもらうから」
「わかったわ」
「囮だけれど安心してね」
「傍には姉さんと龍馬がいるから」
「岡島君と副所長さんも来てくれるから」
彼等もというのだ。
「皆いるから」
「安心していいのね」
「そうよ、囮でもね」
「何かあっても」
「おかしなことはされないわ」
例え何があってもというのだ。
「だから安心してね」
「わかったわ、それじゃあ」
「何かあってもね」
こう言ってだ、そしてだった。
優花達は衝夫達に自分達から向かうことにした、それは彼等にとっての戦いだった。優花が優花として生きる為の。
この昼は五人で昼食を摂った、その昼食は。
「やっぱり長崎だとね」
「これよね」
優子は微笑んで岡島に応えた。
「ちゃんぽんね」
「長崎ちゃんぽんだね」
「長崎ちゃんぽんを食べないと」
それこそというのだ。
「はじまらないわ」
「君長崎に来たら絶対に食べてるね」
「ええ、そうよ」
その通りだとだ、優子は岡島に答えつつ長崎ちゃんぽん独特の豚骨スープと多くの具の中の太い麺を食べた。味も長崎ちゃんぽんのそれだった。
「これを食べないとね」
「まさにはじまらないだね」
「そうよ、長崎なのよ」
「だからっていうんだね」
「これとカステラね」
こちらもというのだ。
「この二つを食べないと」
「長崎に来た気がしない」
「そして動けないわ」
「そこまでなんだ」
「そう言う君も神戸に来たら明石焼き食べるでしょ」
「まあね、ただ神戸牛のステーキはね」
こちらの名物についてはだ、岡島は彼自身もちゃんぽんを食べつつ言った。
「高いからね」
「そちらは神戸人でもよ」
「滅多に食べられないよね」
「そうよ、残念ながらね」
「輸入肉を買って」
所謂安い肉をだ。
「それで焼いて食べる」
「そうよ、ステーキはね」
「それが普通だね」
「ステーキは好きよ」
優子としてもだ。
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