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『育児Diary』

作者:零那
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『2009.3.7/名前』



出産迄、遂に後10週。
体重1902g、頭の幅81.8mm、大腿骨54.9mm。

私のHb数値は9.7。
注射を打った。
張り止めも処方された。
早産に成らないよう、必ず飲み続ける様に言われた。

張り止めは、副作用が酷い割に効果が無いように思えて辛い。
でも、頑張って飲み続けるしかない。

エコー撮影中、君のあくびが見られて嬉しかった。
可愛かった。
早く逢いたいと思った。

やっぱり男の子の可能性が高いと言われた。
いつもタイミングが悪いみたい。
ジッとして眠ってても体勢や向きが悪かったり。
動き廻っていて見えなかったり。
先生も、100%の確信が持てずに困ってます。

性別判断が済めば、早く名前決めて早く呼んであげたいのになぁ...。

私個人では男女関係なく『歩』と付けたいのが本音だった。
女の子なら『アユミ』男の子なら『アユム』。
娘の時も本当は『歩』にしたかった。

君のお父さんの考える名前候補は、願いも意味も一切無いキラキラネームだったので、即却下。

アユを尊敬してるから『歩』なワケじゃない。
コレは、私が小学生の時になりたかった名前。

私は自分の名前が大嫌い。
今も大嫌い。
名付けの適当加減。
愛の欠片も無い名前。
名前を変えたい。

私のお父さんは名前が2つ在った。
だから、大人になると名前を変えれると本気で思ってた。

その時に考えた名前が『歩』だった。
『どんなに絶望的状況だとしても歩んでくしかない。たとえ長い長い屈辱的人生でも...』
そんな屈辱的で絶望的でも『歩』なら踏ん張れる気がした。

だから『どんな時でも負けずに、歩み続けられる精神力を持った子になって欲しい』という意味で、君に『歩』と付けたかった。

でも、コレは完全に私のエゴだからやめとこうと思い直した。

我が子の名前に、願いや想いを込めるのは当然のことだろう。
正常な親なら。
でも、私の想いは重過ぎると自覚した。
こんな負担な想い我が子に背負わせるわけにはいかない。
名前が鎖になって苦しめてしまうのは辛いから...。


 
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