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Blue Rose

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第四十三話 あえてその場所にその九

「いいわね」
「そちらもね、焼き魚や洋食の時もあるけれど」
「そちらの時もなのね」
「美味しいの」
「それはいいわね」
「いつもこの朝御飯を食べて」
 優花は納豆を箸で掻き混ぜながら言った、納豆の中にはタレと葱それにからしも入れてそのうえで混ぜている。
「それから歯を磨いて晴れていたらお散歩をしていたの」
「最初に入っていた時は」
「そうしていたの」
「そうだったのね」
「それからお勉強をして絵を描いたり本を読んだりしていたの」
「そちらの学校でも成績いいそうね」
「やっぱり勉強はね」
 学業もというのだ。
「忘れたらいけないから」
「そこは真面目ね」
「大学行きたいし」
 言うまでもなく八条大学である。
「だからね」
「勉強もしておくのね」
「そうしてるの」
「それはいいことね、それじゃあ今も」
「勉強はしてるわ」
 そちらも忘れていないというのだ。
「そのつもりよ」
「それは何よりね、やっぱり学生だから]
「勉強はした方がいいわね」
「進学するつもりならね」
「そうよね」
「ただ優花は」
 優子も納豆を掻き混ぜていた、彼女もタレとからしに葱を入れている。
「言われなくてもね」
「してたっていうのね」
「子供の頃からね」
「そうしたことは忘れたくないから」
「学生の本分は勉強ってことね」
「姉さんを見ていて思ったから」
「私は運動をしてるとね」
 それをしていると、というのだ。
「自然とそっちも頑張れるから」
「運動でストレスを解消して」
「そうしたタイプだからよ」
「勉強もしてたのね」
「お医者さんになりたかったし」
 この目標もあったというのだ。
「お父さんとお母さんが死んだ時諦めかけたけれど」
「けれど諦めなかったわね」
「お金はあったからね」
 医学部に入って学業を続けられる程の、というのだ。
「こう言ったら何だけれど二人共交通事故で死んだから」
「保険金物凄く入ってたわね」
「二人共色々入ってもいたから」
 保険、それにだ。
「だからね」
「お金があって」
「奨学金もあったし」
「お金の心配はなかったから」
「お医者さんになれたのよ」
 こうした幸運があってのことだったのだ。
「有り難いことにね」
「お金があったから」
「そう、何とかね」
「お金がなかったら」
「もう終わりだったわ」
 医者になれなかったというのだ。 
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