オズのアン王女
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第三幕その十
「苦手ーーです」
「そうね、けれどね」
「それでもーーですか」
「この道はね」
「どうしてもーーですね」
「通らないといけないから」
そうした道だからというのです。
「我慢してね」
「わかりーーました」
「若し動けなくなるのなら」
その場合はというのです。
「私がネジ巻くから」
「すいまーーせん」
「こうしたことは当然のことよ」
「当然ーーですか」
「そうよ、だってお友達だし」
それにというのです。
「一緒に旅をしてるのなら」
「それならーーですか」
「当然よ」
にこりと笑って言うのでした。
「だから安心してね」
「当然のことーーとですね」
「思っておいてね、それと」
さらにお話するアンでした。
「この山道を越えたらね」
「その時はーーですか」
「多分いい時間になるから」
だからというのです。
「晩御飯を食べて」
「休憩ーーですね」
「そうなると思うわ」
「そしてーーですね」
さらに言うアンでした。
「明日の朝ーーですね」
「またね」
「朝御飯をーー食べて」
「出発よ」
そうなるというのです、そしてです。
二人で山を進んでいきます、チクタクは確かに山道を苦労して進んでいきますがその中においてでした。
足元が何度もふらふらしましたがその都度立ち止まってバランスを取って進みます。そのチクタクを見てです。
アンは彼の横からです、こう言うのでした。
「慎重に進んで」
「そうーーすれば」
「こけないし」
「こけそうにーーなれば」
「立ち止まってね」
そしてというのです。
「バランスを取ればね」
「いいーーですね」
「慎重によ」
ふらふらしないように、ふらふらしてもというのです。
「そうしていきましょう」
「わかりーーました」
「そうね、こうした山道は」
アンにとってはといいますと。
「私は普通だけれどね」
「ウーガブーのーー国では」
「山に囲まれてる国だから」
だからというのです。
「普通よ」
「そうなのーーですね」
「けれどそこも人それぞれね」
納得して言うアンでした。
「私も貴方も」
「そうなりますーーね」
「そうね、じゃあ」
「私はーー足元をーー気をつけて」
「そうして進んでいきましょう」
この山道をです、そうしたお話をしながらです。二人で山道を進んでそしてでした。山道を出るといい時間なので。
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