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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百一話 長崎へその十

「そう言ってくれるのは」
「そして私は奈良に行ってです」
「子供達を救ってくれたんですね」
「そうなるでしょうか」
「いいことですね、というか学校の先生って」
 本当に思うことだ、心から。
「そんな暴力振るっても中々問題にならないんですね」
「その教師は公立の教師でした」
「つまり公務員ですね」
「公務員でもです」
「そんな暴力振るってもクビにならないんですね」
「だからこそ学校の先生の世界はおかしくなる一方なのです」
「おかしな人が残るから」
 つまり自浄が全くないからだ。
「おかしくなるんですね」
「そうなのです」
「自浄って大事ですね」
「チェックも必要です」
「外からの」
「教師の世界はそうしたものが中々ないので」
 まさにそれが為だ、何しろつい最近まで先生といえば先生様と言われてその仕事をしているだけで尊敬されたのだ。その人格が見られずに。
「そうなっていくのです」
「嫌な話ですね」
「しかも閉ざされた世界ですから」
 学校という世界のだ。
「余計に悪いです」
「腐る要素に満ちてるんですね」
「残念ですが」
「嫌なですね」
 僕は海鮮丼を食べてだ、最後の牛丼弁当を食べつつ言った。
「それはまた」
「はい、八条学園も困った先生はいるでしょうが」
「公立の先生の世界よりましですか」
「問題があれば対応されますので」
 その先生に対してだ。
「ずっとましです」
「そうですね」
「むしろいい先生が多いと思います」
 公立の学校よりも遥かにというのだ。
「義和様もその中で学業に励んで頂ければ」
「はい、わかってます」
 僕は畑中さんの言葉に笑顔で応えた。
「僕もそうさせてもらいます」
「それでは」
「大学に進学したいですしね」
「八条大学ですね」
「経済学部を考えています」
 この学部をだ。
「これでも赤点とか取ってないですから」
「それは何よりですね」
「偏差値もです」
 受験の時に必要なこれもだ。
「経済学部に入られるだけですから」
「では」
「はい、このまま勉強していきます」
「その様にお励み下さい」
「そういえば親父は」
 僕はここで親父のことを思い出した。
「あの大学の医学部でしたね」
「はい、そうです」
「あそこを卒業して医師免許も取って」
「今に至ります」
 そうだという のだ。
「あの方は」
「そうでしたね」
「医学部におられた頃から遊んでおられましたが」
「それでもですか」
「いざという時になられると」
 まさにその時はだったというのだ。 
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