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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1605話

 レディ・アンは自分が話している男が連続して倒れたことに違和感を持ちながら、それでもコントロールルームにいる俺をどうにかする為にだろう。次の行動に出た。
 この部屋で2人が倒れたという事は、もしかしたらこの部屋にこそ、何らかの原因……それこそガスの類でもあると思ったのか、別の部屋へと通信を送り、この部屋を調べるように伝えていた。
 それを聞きながら、今度は手出しをせず……2人の男が倒れた場所を調べに行くように命令し、次に再びコントロールルームへとガスを流し込むように命令した瞬間、再びその話を聞いていた男は……いや、今度は複数人がいたので男達と呼ぶべきか、その男達は意識を失って倒れる。
 レディ・アンにとって、その光景はどうあっても信じられないものだっただろう。
 だが、それでも目の前で起こっている以上、それを拒否出来る筈がない。
 半ば混乱した状態でヒステリックに喚くレディ・アンの声が聞こえてくる中、俺は他の場所の様子を探る。

『おい、何だかこのバルジが呪われてるとか言ってる奴がいるけど、どうなってるんだ!?』
『何でも、何もしてないのに意識を失う奴が続出してるらしい』
『……それって、もしかしてテロリストの仕業じゃないのか?』
『まさか。幾ら何でもそんな……』
『だって、でなきゃなんでこんな事になるんだよ。普通じゃねえぞ』
『それはまぁ……あ、じゃあコントロールルームに立て籠もっているテロリストがガスを使ったとかは? 自分諸共バルジを爆破して自殺しようと考えてる奴なんだろ? なら、それくらいやってもおかしく……ないよな?』
『……』

 冗談っぽく言った片方の男だったが、次の瞬間には話していたもう片方の男が黙り込む。
 なるほど。そういう手段を使うのはありか。
 スライムは、既にバルジ全体へと張り巡らされている。
 それこそ、その気になれば中にいるOZの兵士全員を即座に殺しても問題がない程に。
 なら、それを有効利用しない手はない、か。
 通信のスイッチを入れると、向こうに何か言わせるよりも前に口を開く。

「現在バルジの中に特殊なガスを噴霧した。このガスを吸うと即座に意識を失う。死にたくなければ、さっさとバルジから脱出する事だな」
『おい! ちょっ……』

 ブツリ、と。
 向こうが何かを言うよりも前に通信を切る。
 さて、これでどう出る?
 再びスライムへと意識を集中する。

『ガスだと!? なら、さっき入って来た意識を失っているというのは……』
『ああ、間違いない。ガスでやられたんだろう。でなきゃ、こんなにタイミング良く向こうから連絡をしてくる筈がないだろ』

 どうやら俺の都合がいいように考えてくれたらしい。
 なら、それを利用させて貰うか。
 スライムを操作しながら、何ヶ所もの場所で一斉にOZの人間の意識を奪っていく。
 次々に意識が奪われていく人間を見れば、当然周囲はパニックになる。
 そして俺がガスを使っているという話が広まり、やがて……その緊張は張り詰めた糸がプツンと切れるように、限界を迎えた。
 そして限界を迎えれば、そこにあるのは混乱やパニック、暴動。

『うわあああぁぁっ! 逃げろ、逃げろぉっ! ガスだ、ガスが使われた! このままだと全員死ぬぞ!』
『どけえっ! くそっ、このままガスにやられて死んでたまるかよ!』
『脱出だ、バルジから脱出するんだ! 急げ急げ急げ! このままだと全員がガスにやられるぞ!』

 そんな声がいたるところから聞こえてくる。
 バルジの中にいた者達は、多くの者達が脱出するべく行動を始める。

『待て! まだガスが使われたとは限らない! テロリストの策略の可能性もある!』
『ふざけるな! もう、何人倒れたと思ってるんだよ!』

 まだ冷静な兵士と、逃げようとしている兵士が言い争うような声も色々と聞こえてくる。
 きちんと調べれば、倒れた者の身体にはガスのように有毒成分の類がないというのは分かるだろう。
 だが、それはあくまでもきちんと調べればの話であり、それには相応の時間が掛かる。
 そして今は現在進行形で多くの人間が突然意識を失って倒れていくのだから、とにかくバルジを脱出しようと考える者が出て来るのは当然だった。
 一人が逃げ出そうとして行動を起こせば、現在のバルジの状況に不安を覚えていた他の者達もそれに続き、どうしようか迷っていた者も周囲が移動を始めればそれに釣られる。
 ましてや、ガスの件以外にもテロリスト――俺――が動力炉のコントロールルームに立て籠もっており、それを自爆させると公言しているのだから、バルジから脱出するつもりになっていてもおかしな話ではない。

『待て、貴様等!』

 そんな風に何とか脱出しようとしている者を止めようとしている者もいるが、そんな人物が何かを言おうとする前にスライムを使って意識を奪う。
 自分に何かを言おうとしていた相手がいきなり意識を失って倒れるのだから、それを見ていた、脱出しようとしていた者が余計にこのままバルジにいるのは危ないと考えるのは当然だった。
 そうして雪崩を打ったように脱出していくOZの兵士達だったが、当然中には自分達が逃げる訳にはいかないと判断し、バルジに留まった者もいる。
 職人気質、もしくは軍人として自分の仕事にプライドを持っているようなタイプ。
 そういう奴は、周囲が避難しろと言っても全く聞かずに自分の持ち場を離れない。
 ……なので、仕方なくそういう奴にはスライムという名のガスにより、意識を失って貰う。
 幸いと言うか何と言うか、そういう奴に限って下の者から慕われている事が多いので、説得している連中の目の前でいきなり意識を失えば、当然今まで説得していた奴がそいつを引き連れて脱出していく。
 既にバルジを捨てるというのはOZにとっても既定事項になっているらしく、バルジのいたる場所で非常警報が鳴り響き、テロリストが使ったガスによりバルジが汚染されているので脱出するようにと放送で告げられている。
 次々に脱出していくOZの面々。
 ……ただ、そんな中には当然のように戦力を持ち出す者もいる。
 特にMDとなったトーラスは、今のOZにとっては最大の戦力なのだろう。
 まぁ、トーラスはこっちにあっても特に使えるような代物ではないし、レモン達へのお土産に数機だけでも入手しておけばいいだろう。
 これからの戦闘を思えば、トーラスを入手出来る機会は幾らでもある。
 そう判断し、トーラスを持ち出す事を止めはしなかった。
 一応ここでトーラスを撃破するなり、俺が奪うなりしておけば、それはOZの戦力が減るという事にもなるのだが……それでも、OZの持つ財力や資源があれば、ここで多少トーラスが使えなくなっても、殆ど影響はないだろうし。
 それよりは、トーラスを奪おうとした事によりバルジからの脱出が遅れる事の方がこっちにとっては迷惑極まりない。
 そんな訳で、トーラスについての持ち出しは特に気にせず好きにさせた。
 混乱の時間がどれだけ経ったのか……恐らく1時間かそこらは経っただろう。
 その頃になれば、当然のようにバルジの中に人の気配は殆どなくなっていた。
 非常警報が鳴り響いたままなのは、まぁ、仕方ないが。
 ともあれ、バルジを空間倉庫に収納する為にもバルジの中にいる人をどうにかしないとな。
 この時点でバルジの中にいる人の数は、49人。
 これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれだろうが、バルジを動かしている人数の事を考えれば、それは少ないと言ってもいいだろう。
 だが、少なくてもバルジの中に1人でも人がいれば、その時点で空間倉庫に収納出来ない以上、どうにかしなくてはならない。
 人目につかない場所で意識を失わせてしまった者、下の者達から嫌われており、意識を失ったが誰も助けようとはしなかった者……他にも様々な理由はあるが、とにかくこの49人をどうにかしなければならなかった。
 影のゲートで……と思ったけど、監視カメラの類がまだ動いている事を考えれば、そんな真似は出来ない。
 いや、その映像データがバルジ内部だけに残っているのであればまだいいのだが、もしかしたら他の場所に映像を送っている可能性も考えられる。
 その辺を考えると、あまり無茶な真似は出来ないだろう。
 もし映像が発信されていれば、影のゲートという、この世界では凛と綾子以外誰も知らない俺の能力の一端が他人に知られてしまう事になりかねない。
 勿論影のゲートは転移魔法である以上、もし知ったとしても俺の侵入を防ぐ事は難しいだろう。
 だが、侵入不可能の場所に侵入出来るというのを知られてしまえば、俺が怪しまれる可能性がある。
 今はマスクとヘルメットで俺だと分からないように隠しているが、そこから済し崩し的に俺に辿り着かれる可能性というのは、決してゼロではないのだから。
 そんな訳で、俺がやるべきことはバルジの中に何ヶ所かある格納庫の中で、まだ残っているシャトルを見つけ、そこにスライムを使って気絶している相手を運んでいくだけだ。
 スライムを操作しながら、もしこの映像を見ている者がいるとすれば間違いなく驚くだろうと考える。
 何しろ、意識を失っている者達が床を這う……いや、何かに引きずられるようにして移動しているのだから。
 スライムは目で見て分かる程の太さはないし、それこそ映像を分析しても見つけるのは無理な程の細さだから、どうやって気絶した連中が移動しているのかを知る事はまず不可能だ。
 ……しかも、ロックの掛かっている場所もスライムによって開けているので、この映像を見ていたらどう思うのやら。
 意識を失ったまま近づいていけば、自然と扉のロックが外れていく光景。
 どこからどう見てもホラー以外のなにものでもない。
 ともあれ、そんな風にホラーの光景を作りながら気絶している49人全員をシャトルの中へと押し込んでいく。途中で何人か意識を取り戻した奴がいたので、そういう奴は再度気絶させ、結局全員をシャトルの中に押し込めるのは1時間程も掛かった。
 そうしてシャトルに詰め込むと、そこからの作業は急ぐ。
 シャトルを発射させるのだが……ようは、バルジから少しでも離れた場所にいればいいので、特にシャトルを起動させるような真似もせず、ただバルジの外に放り出すだけで終わる。
 こうして意識を失った連中を全員シャトルでバルジの外に放り出すと、次に一応念の為にという事で、再びスライムを使ってバルジの全てを調べていく。
 49人の中には、これまでの戦闘で捕虜になったのだろう連合軍の兵士の姿もあったから、独房の方にも特に人の姿はなく……やがて、バルジには全く誰の姿もない事が完全に確認された。

「よし。なら、後はどうやって見つからないように外に出るかだな」

 まぁ、その辺は余り心配していない。
 勿論現在バルジの周囲には脱出した者達がいるのは間違いない。それどころか自分達が基地として使っているコロニーを狙われていると知り、バルジの様子を窺っていた連合軍もいるだろう。
 だが、そういう奴等が注意しているのは、あくまでもバルジから外へと脱出出来る場所だ。
 そっちから脱出するのであれば、間違いなく誰かの目に留まるだろう。
 残念な事に、気配遮断のスキルは人の目は誤魔化せても、機械を通すと全く効果を発揮しないし。
 なら、どうする? ……簡単な話だ。ようは、本来なら出入り口ではない場所から出ればいい。
 他の場所で影のゲートを使えば、監視カメラの映像がどこかに発信される可能性はある。
 だが、このコントロールルームでなら、話は別だ。
 既にここには監視カメラの類は一切存在しない以上、ここで何をしても問題は全くなかった。

「さて、じゃあそろそろ行くか」

 金属の塊は置いておけば技術班が調べる時に邪魔にしかならないので、空間倉庫に収納する。
 そして何気なく周囲を見回し、何も異常がない事を確認すると、足下に影のゲートを作り出す。
 そこに身体を沈めていき……やがて俺の姿が現れたのは、バルジの外壁部分。
 勿論バルジの中ではなく、宇宙側だ。
 それでも周囲に見つからなかったのは、外壁部分ではあっても外側からは見えない陰になっている部分だからだ。
 ここなら、俺が出て来ても全く問題はない……と思う。
 一応スライムで監視カメラがないかを確認してるし。
 周囲の様子を確認し、問題が無いと判断すると外壁へと手を触れ……近くにバルジから脱出する時のドサクサで壊れたのだろうシャトルか何かの装甲板が漂ってきたところで、バルジを空間倉庫に収納する。
 バルジ程の大きさを誇る物が一瞬にして消えたのは、OZや連合軍にとってどんな思いだったんだろうな。
 そんな風に考えながら、取りあえず俺は装甲板に隠れながらこの宙域から脱出するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1309 
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