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Three Roses

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第三十一話 論戦その十一

「焦らない、失態はだ」
「庇う」
「他の者全てで、ですね」
「そうして守り」
「後につなげますか」
「どうもだ、あちら側はだ」
 新教徒達はだとだ、太子は彼等の状況も話した。
「引き分けを狙っている様だな」
「そうですか」
「あちら側は、ですか」
「そうですか」
「勝利ではなく、ですか」
「引き分けですか」
「それを狙っている、その議論の仕方はだ」
 まさにというのだ。
「そうした感じに思える」
「言われてみればそうですね」
「守りが硬いです」
「下手に攻めず、です」
「守っていますね」
「そうしてきています」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「その守りを崩す為にはだ」
「攻める必要がありますね」
「出来るだけ、ですね」
「そうして攻めて」
「勝つ必要がありますか」
「我々は勝つ必要がある、しかしだ」
 それでもというのだ。
「新教徒達はそうではない、私も見誤っていた」
「彼等もですね」
「勝利を目指していると思っていました」
「我々と同じく」
「我々もそう思っていましたが」
「そうだった、しかしだ」
 新教徒、彼等はというのだ。
「そこが違っていた」
「引き分けですか」
「それを目指していたのですか」
「勝利ではなく」
「そうだというのですね」
「そこを見誤っていた」
 実にというのだ。
「失敗した、だが夜まである」
「この時までに、ですね」
「何としてもですね」
「勝つ」
「そうしていきますか」
「そうしていく」
 是非にというのだ。
「あくまでな、分けると意味がない」
「はい、ここで勝ち」
「そうしてこれからの四国への政策に弾みをつけましょう」
「四国を旧教の下に」
「そうしていきましょう」
 学者達はこう太子に応えた、そしてオズワルド公と司教もだ。お互いに顔を見合わせたうえで頷き合ってだった。
 対しに顔を戻してだ、彼に対して言った。
「では、です」
「我々もです」
「今回の論戦勝ちます」
「その為に微力ながらも」
「頼む、卿等の力も欲しい」
 太子はマイラの側近である彼等にも強い声で応えた。 
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