転生とらぶる
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ガンダムW
1603話
宇宙要塞バルジ……現在の俺は、そのすぐ側までやってきていた。
勿論生身……ではない。
生身での移動であれば、バルジ側にあっさりと発見されるのは間違いないのだから。
だからこそ、ルクセンブルク基地から大分離れた場所まで影のゲートで転移し、森の中でニーズヘッグを出してシステムXNで転移してきたのだ。
……残念ながらホワイトスターにはまだ連絡がつかなかったか。
それでも同一世界間での転移が可能なのは、今回助かったと言えるだろう。
まぁ、転移が使えなければ普通に飛んで宇宙に向かってただろうけど。
だが、そうなればASRSやミラージュコロイドがあっても見つかりやすくなってしまう。
多分大丈夫だろうという思いはあっても、万が一という事も有り得る。
そんな訳で、現在の俺はバルジのすぐ側までASRSとミラージュコロイドを使って移動していた。
ここまで近付いても見つからないのは、さすがにニーズヘッグと言うべきか。
久しぶりに乗ったけど、やっぱりトールギスとは比べものにならない程、俺の身体にピッタリ合うな。
ぶっちゃけ、ニーズヘッグを使えば最悪の場合はバルジをそのまま消滅させる事は難しくはない。
勿論そんな勿体ない事はしないが。
折角用意してくれたんだから、ここは絶対に貰っておくべきだろう。
ASRSとミラージュコロイドを起動させたままコックピットから出る。
混沌精霊だから、生身でそのまま宇宙に出る事が出来るってのは、俺にとっては随分と便利だよな。
ニーズヘッグを空間倉庫に収納し、バルジへと近づいていく。
外壁に到着したが……問題は、どうやって中に入るかだな。
最悪外壁を破壊して内部に突入してもいいんだが、そんな事をすればバルジその物が破壊されてしまう可能性があった。
その辺を考えると、出来れば損傷を与える事なく中に入っていきたい。
……どうするべきかと考えているところ、少し離れた場所で宇宙船が出入りしているのが見える。
なるほど。あそこから入ればいいのか。
勿論生身のままでそんな真似をしているのを見られれば絶対に怪しまれる――パイロットスーツも着てない状態で宇宙に浮かんでいるのを見て怪しまない方がおかしい――ので、気配遮断を使って怪しまれないようにしてから、隠蔽目的の仮面を被り宇宙船に触れて引っ張っていって貰う。
監視カメラの類に見つかれば気配遮断を使ってても意味がないので、丁度宇宙船の装甲の隙間に入るような感じでの形だ。
格納庫の中に入って周囲の様子を見るが、かなり騒がしい。
まぁ、バルジ砲を撃って連合軍の宇宙での基地を破壊しようとしているのだから、それも当然か。
ともあれ、格納庫の中に入ると物陰から物陰へと隠れながら移動していく。
そうして到着したのは、周囲からは完全に隔絶されているコンテナとコンテナの隙間。
俺にとっては、正に絶好の隠れ家といった場所だ。
……まず俺がやるべきなのは、OZの制服かパイロットスーツを手に入れる事だろうな。
その為には、その辺を移動しているOZの人間を捕まえて服を奪い取る……のではなく、どこかの更衣室へと移動する事だろう。
気絶させてしまえば、それが見つかると騒動になる。
だが、更衣室からパイロットスーツの類を盗んだのであれば、それ程騒ぎにはならない。
可能なら、まだ誰も着ていない新品の制服かパイロットスーツが欲しいところだが。
勿論バルジの中には物資貯蔵庫のような場所もあるのだろうから、そこに行けば新品の制服やパイロットスーツも入手出来る筈だ。
だが、そこまで必要って訳じゃないしな。
ここに保管されている他の物資にも興味はあるが……そもそもの話、その物資も俺がバルジを入手してしまえば全てこっちの物になるし。
影のゲートを使い、幾つかの部屋を調べていく。
そうしていると、やがて目当ての更衣室を見つける事に成功した。
更衣室には当然のように監視カメラの類がないので、その辺りの心配も無用だな。
しかし……残念ながらと言うべきか、現在更衣室には何人かの男の姿があった。
いつもなら気絶させてしまうのだが、今の俺は隠密行動中だ。
更衣室で着替えているという事は、恐らくすぐにここを出ていくのだろうから、少し待つか。
影の中から更衣室の様子を窺う。……女の着替えならともかく、男の着替えが終わるのを待っているってのは、正直あまりいい気分はしないんだが。
『連合軍も、これで終わりだな』
『……本当にそうか? もし地球にいる連合軍が宇宙にいる奴等を見捨てたらどうするんだ?』
『はぁ? ……いや。連合軍の無能共なら、自分達の面子を守る為にそのくらいはやりかねないか。けど、連合軍はともかくガンダムの方はコロニーを狙われるのに見捨てる事は出来ないだろ。シャドウミラーだったか? あそこにはガンダムのパイロットが2人もいるって話だしな』
『……厄介だよな。知ってるか? あのライトニング・カウントまでシャドウミラーにやられたらしいぜ?』
『うげっ、マジかよ? ……俺、地球じゃなくてバルジの所属で心底よかった』
『そうだな。地上にはあのシャドウミラーがいるけど、宇宙にいればその心配はしなくてもいいんだし』
『おいおい。そんな事を言ってると、それこそいつの間にかシャドウミラーがやってきてるなんて事にもなりかねないぞ?』
「正解」
「え?」
話の流れで丁度いいと判断し、そのまま一気に影から出てそこにいるOZの兵士達との距離を詰める。
OZの兵士は3人いたのだが、何かを反応するよりも前に次々に首筋へと一撃を与えて意識を奪っていく。
俺が影から飛び出て、1秒と経たないうちにOZの兵士は3人全員が意識を失って床へと崩れ落ちた。
「世の中にはフラグって奴があってな。……次からは気をつけるといい」
まぁ、それを言うのなら俺自身が今まで数々の死亡フラグをへし折ってきたのだが。
残念ながら、この3人にはフラグをへし折るだけの力はなかったのだろう。
ともあれ、意識を失った3人は大体が俺と似たような体型だったので、OZの制服に着替えるのはそんなに問題はなかった。
これで堂々と表を歩けるが……ああ、いや。仮面をしてるんだから、堂々と歩くのは無理か。となると、パイロットスーツの方だな。
こっちはヘルメットがあるから、仮面を外しても顔の判別は不可能……とまではいかないが、かなり難しい。
そう判断し、パイロットスーツへと着替えていく。
「さて。まずはこれでいきなり怪しまれるという事はなくなった。となると、次にどうやってバルジからOZの人間を追い出すかだが……無難にバルジ砲の発射準備で動力炉に異常をきたした……ってのがいいか?」
壊すだけなら楽なんだが、鹵獲を……それも中に人がいない状態にしなければならないってのは、何気に結構厳しいな。
ジェネシスの時は、まだ本格的に運用されていなかった事もあって人は少なかったし、ホワイトスターはそもそも誰も生きている者はいなかった。
そう考えると、正式に運用中の宇宙要塞を奪うというのは、今回が初めてになるのか。
……結構厳しいな。
ただ、そうは言ってもやらない訳にはいかない訳で。
「まずは動力炉だな」
気絶している男達を縛り、猿轡をして身動き出来ないようにしてから、バルジの中でも使われていない部屋の中に影のゲートを使って放り込むと、次に動力炉の場所を探す。
幸いというか、室内に置かれているコンピュータを使えば、動力炉がどこにあるのかというのはすぐに分かった。
この手の情報は機密情報じゃ? とも思ったが、その手の情報を見る事が出来なければ、そもそもバルジの中で働いている連中が移動する時に困るだろう。
勿論詳細なデータとかは見る事が出来ないが、どこに行けば動力炉があるのかを見る事が出来れば十分だ。
動力炉へと続く道には、当然のように幾つものプロテクトがある。
それこそ指紋やら声紋やら網膜やら、カードやら、暗証番号やら……
だが、それはあくまでも普通に移動する場合であり、俺のように影のゲートを使える者にとっては意味がない。
……いや、そもそも魔法とかが全く認知されていないこの世界で、それに対処した物を作れというのが無理な話なのだろうが。
「そんな訳で、早速お邪魔させて貰うか」
パイロットスーツのヘルメットを外し、そこに先程まで付けていた仮面を再度着けると、影のゲートを作ってそこに身体を沈ませていき……次の瞬間には、既に動力炉のコントロールルームの中に俺の姿はあった。
ここまで来れば当然のように監視カメラの類はあるだろうが、俺が姿を現したのは物陰になっている場所だ。
……こうして見ると、そんなに大きくはないな。
まぁ、ここはあくまでもコントロールルームであって、動力炉その物は強化ガラスか何かの向こう側にあるんだから、おかしな話ではないが。
さて、こうして準備が整ったところで空間倉庫から銃を取り出す。
そして、天井付近にある監視カメラに狙いを付け……
次の瞬間、コントロールルームの中に連続した銃撃音が鳴り響く。
「きゃっ」
「おい、何だ!? 何が起こった!?」
「伏せろ、いいから伏せろ!」
数秒前まで作業をしていた連中が、そんな風に叫びながら床へと伏せる。
「いい判断だ。……さて、見ての通り既にこのコントロールルームは俺が占拠した。監視カメラも……まぁ、破壊されているので、異常があったというのは分かるかもしれないが、それでもすぐに反応するのは難しいだろう」
そう告げる俺の声がコントロールルームの中に響く。
ダンッ、と。銃声が周囲に響くと、少し離れた場所にいたOZの兵士が悲鳴を上げながら床を転げ回った。
一応死なないように左手首だけを撃ったのだから、感謝して欲しいくらいだ。
「ほら、そこ。妙な真似はしないように。……見ての通り、俺は銃の腕には自信がある。妙なスイッチの類を押すような真似をした場合、その騒いでいる男のような目に遭って貰うので、痛いのが嫌いなら大人しくしている事を勧める」
そう告げると同時に、コントロールルームに通信の着信を知らせる音が響く。
監視カメラが一斉に破壊されたのだから、警備室かどこかからの連絡だろう。
「そこの一番偉そうな奴。お前だ、お前」
銃口を向けたのは、初老と呼ぶべき60歳くらいの年齢の男。
「……儂か?」
「ああ。見たところ、ここの責任者だろ。……立て」
その命令に従い、男は立ち上がる。
「分かった」
そう言って立ち上がった初老の男に、通信システムの方を見ながら口を開く。
「出ろ。そして音声だけで通信に出て、動力炉に異常が発生して、爆発する可能性があると伝えろ」
「……何じゃと? お主、一体何を考えておる?」
「さて、何だろうな。とにかく早く通信に出た方がいい。このまま向こうが怪しんでここに突入なんてしようものなら、死人の数が増えるだけだぞ?」
そう言われれば、初老の男も俺の言葉に逆らう訳にはいかないと判断したのだろう。渋々ではあるが通信に出る。
「すまぬ、ちょっと問題が起こった」
『……そちらの様子を映し出していたカメラの映像が突然切れたのですが、どうしたんです? この通信も映像はきていませんし』
「じゃから、問題が起こったのじゃよ。ビーム砲の準備をしていたところ、動力炉に異常が発生した」
『なっ!?』
通信の向こう側から聞こえてくるのは、驚愕の声。
まぁ、そうだろう。ここが地上ならまだしも、宇宙空間だ。
そんな中で、自分達の家とも呼べる場所のバルジの動力が暴走するとなれば、動揺しない方がおかしい。
『そ、それで……状況は? 回復する事は不可能なのですか?』
「そう、じゃな……」
初老の男はそう告げると同時に、周囲を見回す。
……見回す? 何故?
そんな疑問を持った瞬間、初老の男は再び口を開く。
「動力炉のコントロールルームに銃を持った侵入者がおる。その者によってコントロールルームは占拠された。早く援軍を寄越すのじゃ!」
『なっ!?』
「……やってくれたな」
突然の行動に驚き、反応が遅れた。
そして俺が我に返ったときには、既に初老の男は懐から取り出した拳銃をこちらへと向けている。
既に占拠済みの状況で、まさかいきなりこんな真似をしでかすとはな。
……いや、これは俺の人選ミスか。
どうせ通信に出させるのなら、俺に怯えているような奴にするべきだった。
「動くな」
「その状況でどうするつもりだ?」
既に俺が持っていたサブマシンガンの銃口も、初老の男へと向いている。
「こっちの銃とそっちの銃。どっちが強いのか……それくらいは分かるだろ?」
「ふんっ、テロに屈してたまるか!」
その叫び声と共に銃の引き金が引かれ……だが、次の瞬間、床に倒れたのは初老の男の方だった。
ただし、銃撃ではなく鳩尾を殴られた事によってだ。
こういう頑固な爺さんは嫌いじゃない。
床に倒れた初老の男を見ながら、そんな風に考えるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1035
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1309
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