シークレットガーデン~小さな箱庭~
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-荒くれザンク編- 8
ルシアを森の奥地まで吹き飛ばした後
般若の面の紅き鎧の騎士は包丁と槍を仕舞い込み、体制を整え
「任務終了だ。戻るぞ」
「ちっ。興ざめだぜっ」
残念そうな顔でザンクは言うと アルミサイルを消し般若の面の紅き鎧の騎士の元へと歩いていく。
そしてルシアが吹き飛ばされた方角を指さし
「おいっテメェ、次会う時にまではもう少し殺しがいがあるくれーになっとけギャハハハッ!」
と言い残し、般若の面の紅き鎧の騎士と共にこことは違うどこか遠い場所へ瞬間移動し消え去った。
***
「う……うぅっルシア…生きてる?」
森の奥地に飛ばされたルシアを探し出したランファが血で真っ赤に染まったおなかをさすりながら苦い顔で言った。
「…うん。なんとか…ね。君は?」
良かったことに腐敗した木々がいい感じにクッションになってくれた為、あまり大きな傷はおわなくて済んだ。
折れた木の枝をどけ髪の毛についた枯葉を取りながら立ち上がる。
「傷口開いちゃった。てへっ」
片手を頭の上に持ってって猫のポーズをとり、舌をペロッと出したランファを見てルシアは冷静に…
「それ、かわいくないよ」
「むぅー」
ツッコミ ランファはまたフグのように膨らませた。そのやり取りに自然と二人から笑みがこぼれだす。
「はっ!シレーナは!?それに他のみんなさんは!?」
気持ちが安らいだところで、シレーナ達の事を思い出す。
「私は…ここ」
折れた木々からひょっこりと金髪ポニーテールで右目が赤、左目が金色のオッドアイの瞳を持った白いワンピースの美しい少女が顔を出す。
「シレーナ!よかった無事だったんだねっ!」
「…うん」
シレーナのもとに駆け寄り手を握りしめ無事を確認する。
ランファは二人のやり取りをやや不満そうな目つきで見ながら
「でもさっきあの変な奴になにかされてなかった?」
聞いて見るがシレーナは首を傾げ
「…うん。でも…なんとも……ない?」
「ん~?」
なにか大きな疑問が残る。二人とも首をかしげているとルシアが
「とにもかくにもシレーナが無事でよかったよ」
「…助けに来てくれてありがとう。ルシア」
少しぎこちのない笑顔でシレーナはルシアに礼を言う。
他に囚われていた娘達もどんどんやってきてルシアを囲むようにして
「ありがとうございます」
「なんと御礼を言っていいやら……」
と次々に俺を言ってきて一度にこんなに沢山の女の人に囲まれた事は初めてなので耳まで真っ赤にし
「いっいえそんな……」
あたふたとしながら答える。それが何故がウケたのか娘達は「きゃーと可愛い」といい始めどんどんルシアを囲み近づいていく。
「これにて一件落着?めでたしめでたし~ぱんぱかぱ~ん」
「ぱっ、ぱんぱかぱ~ん……?」
蚊帳の外でボケるランファを娘達にもみくちゃにされながらもツッコむルシア。
こうしてルシア達はお爺さんとの約束通り、無事シレーナを救いだしそしてついでに町の娘達を救いだし元のポカポカ陽気の動物たちと植物の楽園に戻った森をご機嫌で通り町に戻ったのであった。
だがまだ彼らは知らなかった、あの時あの男がシレーナに呪術の処置をほどこし恐怖の病魔が音もなく静かにシレーナの体を蝕んでいることを--
-荒くれ者 ザンク編-終
後書き
【無口な癒して】
名前:シレーナ
年齢:16歳
性別:女
種族;ヒュムノス
職業:看護師
容姿:色白金髪で右目が赤左目が金色のオッドアイ。
髪型はポニーテール。白い白衣の様なワンピース。
首からは生みの親の写真が入った銀色のロケットを下げている。
左足は義手。
武器:癒しの杖
出身国:海の国
詳細:幼物静かで口数は少なく人見知りが少し激しく大人しい性格。…だが時折、毒を吐く。
ルシアに淡い恋心を抱いているが、大人しい性格ゆえに中々口に出せずルシアも鈍感な為中々進展しない。
幼い頃両親が離婚し父について行ったが何故か山の国の寂れた村に連れて行かれた。
そこで癒し術を学び、帰ってきて父の死を知り、禁忌とされる人体錬成を試みるも失敗。左足をを持っていかれた。
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